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 平成26年9月25日、由利地域振興局森づくり推進課主催の「竹林情報交換会」が、由利本荘市鮎川地区で開催された。この情報交換会には、由利地区で森林ボランティア活動に携わっている10団体、33名のほか、行政関係者など総勢約50名が参加した。 
竹林が放置されて侵入・拡大した場合の影響について

 鳥取市役所農林水産部林務水産課が作成した「放置竹林の整備と拡大・侵入防止対策について」を参考に、この内容を要約させてもらうと、次のことが述べられている。

 “竹林の放置、また竹が造林地や農地、里山へ拡大・侵入することにより、光をさえぎって他の樹木が育ちにくくなったり、下草も生えず植生が単純化するほか、鳥類や昆虫類の種数も減少し、生物多様性の低下を招くことが考えられること。また、地表約30cmに竹の地下茎が集中しているため、雨水が地中深くまで浸透しないことで、森林の持つ水源かん養機能への影響が考えられること。土砂災害や土壌崩壊への影響が懸念される”


 放置された竹林の現状
 
 写真は由利本荘市西目の放置された竹林。長い間放置されていたため、森林内は竹に覆い尽くされている。古い竹は、雪によって折れて倒れ、林内は荒れている。森林・山村多面的機能発揮対策事業で侵入竹除去を行っている「赤田竹伐り隊」の話では、倒れたものを伐って運び出すのが一苦労ということで、このような状況になると、森林所有者も手を付けられない。 
 


 伐採して搬出した竹。この現場は広いものの直ぐに満杯になった、搬出した竹をどのように処理するかが整備推進上の課題である。 
 
 由利地域振興局森づくり推進課では、竹の侵入に悩まされている森林所有者、竹林整備を進めている森林ボランティア団体の要請もあり、竹林整備や竹資源活用を考える情報交換会を開催した。

   
  情報交換会は旧鮎川小学校で開催、初めに森づくり推進課小林主査から「竹林整備に関する情報提供」があり、『由利地域の竹林は全県の87%を占める。森林に侵入した竹は、伐っても生えてくるので手に負えなくなり放置され、竹林は荒れている。現在、森林・山村多面的機能発揮対策事業を活用して竹林整備を進めているが、伐った竹の処理に困っているのが実情』と現状を伝え、竹資源の利用方法や竹林整備に活用できる支援制度を説明した 
   
 ()さいせいの五十嵐浩晃氏は、『竹の粉末を利用することで土壌改良材として効果があるとの情報を聞き、会社で竹粉製造器を導入した。竹チップを堆肥に混ぜたり、竹パウダーを乳酸発酵させて土中にすき込むといった農業用資材として利用してもらうよう提案している。』と報告した。 

   
 「本荘海岸林を守る会」は、昨年度から森林・山村多面的機能発揮対策事業を活用して地域の竹林整備を行っている。保科恵一会長は、孟宗竹の伐採方法や竹資源の活用事例を紹介。「由利町村竹林を造る会」は今年度から森林・山村多面的機能発揮対策事業で竹林整備を行っている。
 
    
 「赤田竹伐り隊」の髙野修会長は、竹を利用したインテリアや所有する炭窯で焼いた竹炭について情報を提供した。「赤田竹伐り隊」も昨年度から森林・山村多面的機能発揮対策事業で竹林整備を行っている。 
   
 「赤田竹伐り隊」の作業風景。倒れて腐り気味の竹が多く、作業は難航を極める。 
   
 意見交換会では、積極的に発言があり、その中でボランティア団体からは、「竹林を整備して、タケノコを生産するなど持続的な竹林活用を図りたい。」との意見に、森林所有者は、「竹を全部伐採してもらいたい。」との意向もあることから、この辺がこれからの調整が必要となってくるであろう
 
竹粉砕器の実演  
 会場を竹林へ移し、実演が行われた。孔の細かいスクリーンで粉砕処理を行うと、1時間当たり30kg120kgが生産される。粗いものでは200kg300kgの生産が可能。
   
 (株)さいせいの五十嵐さん、最初は細かい目のスクリーンを設置した。
   
自動送り装置やチッパーの装置を説明後、竹を投入する。 
   
 破砕ではバリバリとかなり大きな音が響き渡る。勢いよく飛び出すチップで直ぐ箕が一杯になった。
   
 枝を付けたままで投入しても構わない。出てくるチップは竹の葉も入り緑色のパウダーとなる。
   
 細かい目のスクリーンを通して生産されたパウダー。香りを嗅いで冗談っぽく、「竹の香りがする。」当たり前である! 
   
 今度は粗い目のスクリーンに付け替えての実演。さすがに早い。出てくるパウダーは粗く、竹の葉は姿が解る。 
   
 生産されたパウダーを小分けして欲しい方にプレゼント。会場では竹パウダーのお茶を試飲。
 竹パウダーのお茶の作り方
 1 ミキサーでさらに細かくする
 2 これをフライパンで炒る
 3 お湯で煮立ててキッチンペーパーで濾過する
   試飲した取材者の感想「竹の香りがする」、当たり前である!