山菜採りシリーズ⑥-3 コシアブラ
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- 最近、山菜として人気急上昇のコシアブラ(漉し油、ウコギ科)
若芽は、タラノメと並び人気の山菜だが、秋田ではほとんど食べなかった。しかし、最近は山菜ブームに乗ってポストタラノメ的存在になりつつある。幹がブナのように白く、枝の先に5枚の葉を掌のようにつけているのが特徴。タラノキのようにトゲがないのも人気の秘密かもしれない。和名の由来は、昔、この木の樹液を漉して、槍や刀などの錆止め用の油として使われていたことによる。ノウサギは、雪の上に出ているコシアブラが大好物でよくかじることから、別名ウサギカジリとも呼ばれている。
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- 生育地・・・深山のブナ林帯から里近くの雑木林や林縁、林道脇などに自生している。樹高10mを超える大木も見かけるが、手が届かないので、人の背丈前後の若い木を狙う。
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- 背丈の低い若い木がターゲット・・・タラノメやウドと同じウコギ科の木の芽の部分を山菜として食用にする。利用するのは若い葉芽。薄暗い林床で高さが1m前後の若い木や、雑木林で伐採した後の株から芽吹いた若い木がターゲット。粘り気のある木でよくたわむので、簡単に引き寄せて採れる。「山菜の女王」とも呼ばれている。
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- 若い葉芽・・・その名のとおり「油」を感じさせる「艶」と5枚の葉が特徴。
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- 樹皮・・・灰白色でなめらか。成木になると、ブナの幹のように地衣類の付着が目立つ。材が柔らかく、色も白いので「豆腐の木」と呼んでいる所が多い。
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- 採取時期・・・初夏が旬。雪が残る斜面などでは梅雨入りの頃まで採れる。
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- 採り方・・・葉が展開する前のすぼまった状態の頂芽を、指先で折り取る。脇芽まで採ると枯れるので残す。アクで手が黒くなるので軍手は必携。硬くなった葉でも、一枚葉を天ぷらに揚げると美味しいらしい。だから夏でも利用可能な旬の長い山菜である。
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- 栄養価と薬効・・・新芽は栄養価が高く、特に脂肪や良質のたんぱく質、フラボノイドが多く、血圧降下などに役立つと言われている。
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- 料理・・・生のまま衣をつけて天ぷらに。茹でて冷水に浸しアクを抜いてから、おひたし、各種和え物に。辛し和え、ごま和えがよく合う。
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- 保存法・・・塩漬けで保存し、塩抜きしてから料理する。
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参 考 文 献 |
- 「日本の山菜100 山から海まで完全実食」(加藤真也、栃の葉書房)
- 「きのこ・木の実・山菜カラー百科」(主婦の友社)
- 「見つけたその場ですぐわかる 山菜ガイド」(今井国勝ほか、永岡書店)
- 「山菜ガイドブック」(山口昭彦、永岡書店)
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