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INDEX オオバキスミレ、スミレサイシンタチツボスミレ
 スミレ類は、菅江真澄が「百(もも)スミレ」の冊子を作ろうしたほど種類が多いが、いずれの種類も食用になり、万葉の時代から食べられていたという。山菜採りでよく見かけるのは、オオバキスミレ、スミレサイシン、タチツボスミレの三種・・・花も葉も根も食べられるスミレには、ルチンが含まれ、高血圧にもいい。
オオバキスミレ

 黄色い花をつけるスミレで、園芸好きの人たちがよく栽培する山野草。スミレ類にはルチンという成分が含まれ、血圧を降下させる効果がある。またビタミンCの多い優れた山菜でもある。アクもクセもなく、快い歯触りと山の幸料理の彩りに使う。
菅江真澄「種類の多いスミレ゛百スミレ゛」(1807年、おがらの滝・八峰町薬師峯)

 「上りゆくかたわらの芝生のなかに、濃いあさぎ色のオオタチツボスミレがあった。粉紫色のスミレの花は桜と同じく、苔路に花の散ったように咲き混じっていたが・・・サクラスミレと呼ばれるその名にまことにふさわしかった。スミレはたいそう種類が多いものなので、これを手始めに「百(もも)スミレ」という冊子を書こうと思い、つみ採った」
名前の由来・・・葉が大きく、花が黄色いスミレの意味で「大葉黄菫」と書く。

採り方・・・つぼみのついた新芽を摘む。花を使うと美しい料理になるので、花も摘む。
料理

 花をサラダに入れたり、花と葉を天ぷらに。軽く茹でて水にさらし、おひたし、ごま和え、辛しドレッシング、煮付け、汁の実。

薬用効果・・・滋養、動脈硬化予防
スミレサイシン
スミレサイシン

 葉とツボミが同時に地上に現れ、まだ葉が充分展開しないうちに花を咲かせる。花は、淡い紫色で側弁は無毛、葉は心形で花が終わると著しく大きくなり、ウスバサイシンに似る。山地の林縁、ブナ林内、沢筋、谷筋に群がって生える。
名前の由来・・・葉の形がウスバサイシンに似ていることからついた名前で、「菫細辛」と書く。

採り方・・・開花直前までの新芽を摘む。もちろん花も摘む。根も利用できるが、資源保護のため根は掘らないこと。
料理

 花は野菜サラダ、春雨サラダなどに散らし入れる。姿揚げ、さっと湯をくぐらせて、甘酢、三杯酢、和風ドレッシングなどで味わう。若芽、若葉は、天ぷら、茹でて、おひたし、酢の物、汁の実など。

薬用効果・・・滋養、動脈硬化予防、精神安定、便秘。
タチツボスミレ
タチツボスミレ

 花は淡い紫色だが、濃淡の変化が多い。葉はハート形。茎を立て、その途中から花柄や葉柄が出てくるスミレの代表格。下刈りをする林内、林縁、園地などでは、しばしば大群落をつくり、春の光を浴び、そよ風に揺れると美しい。摘み取った花を野外で作る料理に添えると一際美しくなる。
名前の由来

 身近にみられるスミレで、花の末期に地下茎が立ち上がることからついた名前で、「立坪菫」と書く。
料理

 若葉と花は、スミレサイシンと同じ料理。ライトな花色をいかして、フルーツ・デザートに飾ったり、麺類のトッピングに使う。各種スープ類に。
スミレ写真館
参 考 文 献
「薬効もある山野草カラー百科」(畠山陽一、パッチワーク通信社)
「山菜・薬草 山の幸利用百科」(大沢章、農文協)
「ひと目でわかる 山菜・野草の見分け方・食べ方」(PHP研究所)
「山渓名前図鑑 野草の名前」(高橋勝雄、山と渓谷社) 
「読む植物図鑑」(川尻秀樹、全国林業改良普及協会)
「山菜ガイドブック」(山口昭彦、永岡書店)
「山菜採りナビ図鑑」(大海淳、大泉書店)
「日本の山菜100 山から海まで完全実食」(加藤真也、栃の葉書房)
「山菜と木の実の図鑑」(おくやまひさし、ポプラ社)
「採って食べる 山菜、木の実」(橋本郁三、信濃毎日新聞社)
「おいしく食べる山菜・野草」(世界文化社)