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名の由来、ヤマウド畑、俳句と独活、白神山うど、探し方・採り方、料理、保存、薬用効果、ヤマウド写真館
 ウドはウコギ科タラノキ属の多年草で、若い芽は柔らかく芳香があるので、古くから食べられている山菜の代表格である。特に腐葉土が雪崩で堆積した崩壊斜面に極上のウドが群生する。反対に腐葉土が浅く痩せた斜面のウドは品質が劣る。土から顔を出したウドは、姿、形ともに美しく、被写体としても魅力的な山菜である。(写真:雪崩斜面のヤマウド畑)
名前の由来

 夏までに大きく成長し、茎も太くなる。しかし、中はスカスカ・・・茎の中が空っぽのことを、方言で「ウド」と呼ぶ。「ウドの大木」などと小馬鹿にされるが、超一級の山菜で、薬草としても優れた効果をもっている。
ヤマウド畑

 谷がS字状に曲がりくねったゴルジュ帯の斜面は、毎年雪崩が発生し、遅くまで雪渓が残っている。その雪渓と雪代で沸き返るゴルジュ帯を通過できず、斜面を攀じ登って高巻いた。その途中の中腹で偶然見つけたのが上のヤマウド畑である。

 そこは毎年発生する雪崩で腐葉土が分厚く堆積し、まるでヤマウドの楽園のような別天地であった。こうした天然のヤマウド畑は、谷の雪崩斜面の谷底にもあるが、むしろ沢から見上げても見えない中腹より上にある場合が多い
▲雪崩斜面下・沢沿いのヤマウド畑
旬のヤマウド
 上の写真・・・ザルの周りに生えているヤマウドのように地上部が10~30cmくらいのものが柔らかく美味しい。ザルの直径は30cmであるが、この中に納まるようなサイズが旬のヤマウドである。

俳句と独活(ウド)

「雪間より 薄紫の 芽独活かな」(松尾芭蕉)
「山独活の はみ出すリュック 鈴鳴って」(田川 栄)
「夕餉には 独活の酢みそに 舌鼓」(福島二美)
ウドの軟化栽培白神山うど

 1697年「本朝食鑑」には、盛り土によるウドの軟化栽培が記されている。江戸時代には「初出物」として高価で取引され、幕府が贅沢品として販売を制限していたという。
 秋田産・白神山うどは、白神山麓の能代、二ツ井、藤里の3ヶ所で栽培されている。ハウス栽培のため、クセは少なく、皮を剥いて軽く水に浸すだけでそのまま食べることが出来る。また剥いた皮も細切りにして、きんぴらにするなど捨てるところが無く、全て食べる事が出来る。
探し方、採り方

 雪崩などでできた崩落斜面を探すと、前年の枯れた茎跡が見つかる。その周辺を探せば若芽のウドを見つけられる。落葉を取り除き、根元深くナイフを突き刺し切り取る。深山のウドは根も茎も太く、ボリューム満天で採るのがすこぶる楽しい。
料理

 春山の香りを楽しむには採りたてを生で食べるのが一番である。味噌をつけて生食、若芽は天ぷらが定番。茹でてクルミ味噌和え、酢味噌和え、ゴマ味噌和え、納豆和え、身欠きにしんとの煮付け、味噌漬けなど。ウドの変色を避けるには、酢水にさらすこと。皮を使ったキンピラも美味い
▲ウドの若芽は天ぷらが絶品
ウドのきんぴら

 皮や葉、葉柄など茎の部分以外を斜め切りにして酢水にさらす。ザルにあげ水を切ってから、ごま油で炒め、醤油1、みりん1、酒少々入れ味を整える。好みに応じてベーコンなどと一緒に炒めると美味い。
旬を過ぎたウド

 高さが50~60cmに伸びたウドでも、まだ開ききらない芽先は、天ぷら、油炒めに。茹でて水にさらすと、アクと苦みが抜けて芽先まで食べることができる。生長しても先端の柔らかい部分は食べられる。
保存

1週間程度の保存・・・濡れ新聞紙に包み、冷蔵庫の野菜室に保存。
長期保存は、冷凍。
薬用効果

 栽培物より山に自生するヤマウドの方が香りも強く、薬効も優れている。ただし、有効成分は皮の付近に多いので、きんぴらなどで皮ごと食べる工夫が必要である。根はアンゲリコールや各種アミノ酸を含む。カリウムなどのミネラル、ビタミンB1、B2、B6、CK、パテントン酸を多く含む。
▲薬草の展示・・・企画展「秋田のくすり今昔物語」(秋田県立博物館)より  ▲ウドの薬草は根茎を乾燥させたもの

 強壮、頭痛、神経痛、めまい、歯痛、リュウマチ、精神安定、中風、解熱、発汗、かぜ、高血圧、便秘、大腸がん予防など。ヤマウドの粕漬けは食欲を高め、腸内の乳酸菌を増やし、ビタミンB2、Eを強化して、腸内の善玉菌を増やすので老化予防に役立つ。漢方では和独活(わどくかつ)と呼んでいる。
ヤマウド写真館
参 考 文 献
「薬効もある山野草カラー百科」(畠山陽一、パッチワーク通信社)
「山菜・薬草 山の幸利用百科」(大沢章、農文協)
「ひと目でわかる 山菜・野草の見分け方・食べ方」(PHP研究所)
「山渓名前図鑑 野草の名前」(高橋勝雄、山と渓谷社) 
「読む植物図鑑」(川尻秀樹、全国林業改良普及協会)
「山菜ガイドブック」(山口昭彦、永岡書店)
「山菜採りナビ図鑑」(大海淳、大泉書店)
「日本の山菜100 山から海まで完全実食」(加藤真也、栃の葉書房)
「山菜と木の実の図鑑」(おくやまひさし、ポプラ社)
「採って食べる 山菜、木の実」(橋本郁三、信濃毎日新聞社)
「おいしく食べる山菜・野草」(世界文化社)