![]() 名の由来、菅江真澄「ミズの汁」、採り方、ミズのコブコ採り、料理、薬用効果、ミズ写真館 |
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渓流沿いや水の滴る崖、滝の近く、水の流れるジメジメした所に群生する。特に日当たりの悪い深い谷で、清冽なしぶきを浴びるようなところでは、よく伸びた太いミズが採れる。春から秋(5~10月)まで、約半年間にわたって美味しく食べられるだけに、山では最も重宝する山菜である。 山ごもりする方はもちろん、山で遭難した場合など、何はさておきミズだけは、絶対に覚えておかなければならない山菜の筆頭である。ありがたいことに、沢筋の水が流れる湿地帯には、「ミズ畑」と呼びたくなるほどの大群落を形成し、大量に採取できる。クセもなく、どんな調理にも合う。だから実用的には「山菜の王様」である。根元の色によって、アオミズ、アカミズと区別しているが、粘りのあるアカミズの方が美味しい。 |
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![]() 方言のミズは、茎が柔らかく水分が多いから「水(ミズ)」。正式名のウワバミソウは、ウワバミ(大蛇)の住みそうな暗くジメジメした所に生えることから名付けられた。 |
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![]() 「鬼川辺のほとりに住み捨てた木こり小屋があるのに入った・・・鍋をとりだして飯をたき、メツカイに盛り、ヘラで整え、壺杓子でミズの汁をよそった」 |
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▲右からミズ、フキ、ワラビ、上がタケノコ![]() 「酒の肴には何がよいか、といって、笹竹のタケノコ、ミズ、ニシンの干物、ヤグルマソウの葉の上に飯を山盛りにしたものをだした・・・初嫁には、草の細茎(クジャクシダ)のやわらかいところを折って添え、その箸で食べろと、大勢の早乙女にすすめられる。困ってしまい、手を合わせてあやまると、それではその代わりに酒を飲めとたくさん飲ませられる」 |
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![]() 根が太く赤味の強いものを選び、根際から一本づつ根を残すように折り取るか、ナイフで切り取る。束ねたら、葉の部分をねじり取って茎だけ採取する。 |
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![]() 秋口になると、茎と葉の付け根に小さな丸いムカゴ状の実がつく。秋田では「ミズのコブコ」と呼んでいる。カモシカは、ミズのコブだけを選り分けて食べるくらいで、人間にとっても大変美味い。先端についているミズのコブだけを摘み取り、葉の部分は捨てる。 |
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▲採取したミズのコブコ | ||||||||
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![]() ミズは、独特の粘りとシャキシャキした歯触り、さらに利用期間が最も長い一級品の山菜である。それだれけに料理のバリエーションも広い。調理するときは、根、茎、秋のコブコ(ムカゴ)に分け、茎は皮を剥いでから調理する。根はミズたたき、茎は浅漬け、炒め物、汁の実など、コブコは塩漬けが美味い。 おひたし、ミズたたき、即席漬け、汁の実、煮付け、油炒め、卵とじ、和え物など。ミズの若葉は天ぷらに。 |
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▲ミズは皮をむいてから調理する | ▲ミズの塩昆布漬け | |||||||
![]() ミズは葉とヒゲ根をとってよく洗い、皮をむく。沸騰したお湯に塩をひとつまみ入れてゆで、冷水にさらしてから、3~4cmほどの長さに切る。みじん切りにしたショウガと塩をふり、指先で軽くもみながら混ぜ合わせる。塩昆布で混ぜ合わせると簡単である。数時間で食べられる。また、ミズとカブ、キュウリなどの野菜と一緒に一夜漬けにすればなお美味い。 ■ミズとニシンのしょっつる鍋・・・ミズにジュンサイを加えて、ぬかニシンをぶつ切りにしたものを「しょっつる」仕立てで煮る。 ■ミズとタケノコの煮びたし・・・薄味でじっくり煮込むと、味が溶け合い絶品。 |
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▲ミズたたきには、根元部分を使うが、太くて赤いものを選んで使う | ||||||||
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![]() アカミズの葉をとってざっと熱湯を通し、ビニール袋に入れ、その上からすりこぎでたたいてつぶす。さらにまな板の上で粘りが出るまで包丁でたたく。これに味噌を入れて混ぜながら軽くたたいて、最後に山椒の葉(またはニンニク)を細かく刻んで入れる。小鉢に盛り、山椒の葉を添える。 |
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▲右がミズたたき、左がフキ | ||||||||
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▲ミズのコブコの松前漬け | ||||||||
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▲ミズのコブコ漬け | ▲ミズのコブコの塩昆布漬け | |||||||
![]() 熱湯に塩を少し入れ、葉を取り除いたコブコをサッと茹で、冷やしてから水を切る。下処理したコブコを容器に入れ、塩漬けや塩昆布漬け、味噌漬け、松前漬けにして一晩おけば、粘りのある美味しい漬物「ミズのコブコ漬け」ができる。 |
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ミズ写真館 | ||||||||
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参 考 文 献 | ||||||||
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