本文へスキップ

山野の花シリーズ110 ナズナ

  • ナズナ(薺、アブラナ科)
     道端や空き地、田んぼの畦、畑など至る所に生える。風の冷たい早春から白い小さな十字状の花を多数咲かせる。春の七草のひとつで、地べたに張りついているような若い葉を七草粥に入れる。根生葉はロゼット状で羽状に切れ込み、茎葉の基部は耳状となって茎を抱く。 日本全土に分布。
  • 名前の由来・・・早春に花が咲き、夏に枯れることから「夏なき菜」が訛ったとの説や、花が小さく可愛らしいことから、「なで愛する菜」の意味など諸説ある。 
  • 別名ペンペングサ・・・果実の形が三味線のバチに似ていることから、別名ペンペングサとも呼ばれている。商魂たくましい近江商人が通った後は、ペンペングサも生えない、などと使われたりする。 
  • 花期・・・4~6月 
  • 草丈・・・10~40cm 
  • ・・・根生葉はロゼット状で、楕円形から倒披針形で羽状に深く裂ける。茎の上部の葉は裂けず、柄がなく茎を抱く。 
  • ・・・白い4弁花で、雄しべ6個、雌しべ1個。花は下から咲き、上部に次々にツボミをつける無限花である。 
  • 果実・・・扁平な倒三角形で頂部がへこみ、三味線のバチのような形をしている。 
  • ペンペン草の俳句
    我が家ではぺんぺん草も伸び放題 八木葉子
    地のこゑかぺんぺん草の実のさやぐ 宮坂静生
    寝ころべばぺんぺん草のさわぎをり 坂口夫佐子
    三味線草おさな友だち皆はるか 北 さとり 
  • 食用・・・花茎が立つ前の若芽を利用する。茹でて水にさらし、おひたしや油炒め、菜飯、七草粥に入れたりする。 
  • なづな粥、薺粥の俳句
    長女次女和服で居たりなづな粥 吉田汀史
    おろそかにせず一人炊く薺粥 飯島晴子
    あはあはと夫婦があますなづな粥 西村弥生
    なづな粥すする昭和の消え行く日 町田しげき 
  • 薬用・・・開花期の全草を水洗後、日干しにする。高血圧症、止血、鎮痛、下痢止め、むくみ、便秘などに煎じて飲む。 
  • ナズナの花の俳句
    なずな咲くてくてく歩くなずな咲く 小枝恵美子
    なづな咲きふり返りても風の音 岸田稚魚
    三遷もせず子を育て花なづな 斉藤とく子
参 考 文 献
  • 「食草・薬草・毒草が分かる野草図鑑」(金田洋一郎、朝日新聞出版)
  • 「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
  • 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
  • 「春の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
  • 「山菜ガイド」(今井國勝・万岐子、永岡書店)
  • 「身近な野の花のふしぎ」(森昭彦、サイエンス・アイ新書)
  • 「山渓名前図鑑 野草の名前/春」(高橋勝雄、山と渓谷社)
  • 「江戸草花図鑑」(岩槻秀明、エクスナレッジ)