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山野の花シリーズ122 ヒヨドリジョウゴ、ツルボ

  • ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸、ナス科)
     道端や林の縁などに多いツル草で、周りの草木に絡まりながらツルを伸ばしていく。全体に毛が多く、白っぽく見える。真っ赤な液果は、一見美味しそうに見えるが強い毒があるので注意。白い花を咲かせ、花冠は5つに切れ込み、後に大きく反り返る。秋から冬にかけて、球形の果実が鮮やかな赤色に熟す。雪景色に包まれても、まだ残っていることが多く、その様子から「雪下紅」とも呼ばれている。日本全土に分布。 
  • 名前の由来・・・赤い果実は良く目立ち、ヒヨドリが好んで食べそうだから、「鵯上戸」と書く。ヒヨドリは、果実が有毒なのを知っているのか、ほとんど手を出さない。 
  • 花期・・・8~9月 
  • 全体に軟毛が密生しているツル性植物。茎は分岐して、葉柄で他に絡みつきながら長く伸びる 
  • ・・・卵形の葉は、互生し、茎の下の方につく葉ほど複雑に切れ込む傾向がある。 
  • ・・・白い花を下向きに多数咲かせる。花冠は深く5裂し、披針形の裂片が反り返る。 
  • 雄しべと雌しべ・・・褐色の雄しべ5個が真ん中の雌しべ1個を取り囲むように並んで露出する。雌しべは長く突き出る。 
  • 果実・・・液果で、ミニトマトを小さくしたような鮮やかな赤色に熟す。美味しそうに見えるが、毒なので注意。 
  • 毒草・・・全草が毒だが、特に果実にソラニンなどを含み、誤食すると吐き気や下痢、腹痛、呼吸麻痺などを起こす。 
  • ツルボ(蔓穂、ユリ科)
     日当りの良い山野に生え、他の草が少ない場所では一面に群生する。別名サンダイガサとも呼ばれている。葉は、線形で厚く柔らかく、2枚根生する。花の季節に葉があるタイプと、葉がなくなる場合の二つのタイプがある。ネギに似た匂いがある。花は、穂状に多数つき、下から上に向かって咲き上がる。日本全土に分布。 
  • 名前の由来・・・由来は不明とされているが、一説には、食用とした球根がツルツル坊主のようだから、ツルボになったとの説がある。 
  • 別名サンダイガサ(参内傘)・・・ツルボの細長い花穂が、公家が宮中に参内する時に従者が柄の長い参内傘をつぼめた形と似ていることから、「参内傘」と書く。 
  • 花期・・・8~9月 
  • 草丈・・・20~40cm
  • ・・・線形で厚く、内側に浅くくぼむ。春に出た葉は、夏に枯れる。初秋に根元から2~3個の葉が出る。
  • ・・・長い花茎の先端に淡い紅紫色の小さな花を総状花序に多数つけ、下から上に咲き上がる。
  • 花アップ・・・花被片は6個で平開し、先端と裏は色が濃く、雄しべも6個。
  • 毒草・・・全草が毒だが、特に鱗茎に刺激性のプロトアネモニンを含み、皮膚につくと水疱ができ、誤食すると口や胃腸に炎症が起きたり、嘔吐、腹痛、血便が出る。
参 考 文 献
  • 「食草・薬草・毒草が分かる野草図鑑」(金田洋一郎、朝日新聞出版)
  • 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
  • 「山菜ガイド」(今井國勝・万岐子、永岡書店)
  • 「身近な野の花のふしぎ」(森昭彦、サイエンス・アイ新書)
  • 「山渓名前図鑑 野草の名前/夏」(高橋勝雄、山と渓谷社)
  • 「江戸草花図鑑」(岩槻秀明、エクスナレッジ)
  • 「里山のつる性植物」(谷川栄子、NHK出版)