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山野の花シリーズ24 ミツガシワ、チゴユリ・・・

INDEX ミツガシワ、チゴユリハナニガナシロバナニガナ
ミツガシワ(三槲、ミツガシワ科)

 山里の池沼や湿原に群生する水生植物。地下茎は肥厚して横に伸びる。葉は3枚で質の厚い小葉からなる。花は、花茎の先に総状に多数つく。花冠は漏斗形で白色、内側に長い毛がある。ミツガシワは、氷河期からの残存種と考えられている。(写真:田代岳)
花 期 5~8月 草丈15~40cm
名前の由来

 3枚の葉が、カシワの葉に似ていることから、「三槲」と書く。もう一つの説は、家紋に取り入れられている三柏の文様に似ていることから、「三柏」と書く。
ニホンジカの食害と対策

 ミツガシワは、ニホンジカの大好物で、特に根っこが好きなようで掘り起こして食べるという。だから、湿原へのダメージが大きく、尾瀬での食害、掘り起こしの被害は甚大である。環境省では、「シカが日本の自然を食べ尽くす!?」という大変刺激的なタイトルで、シカによる高山植物等の深刻な被害と若手ハンターの確保対策について広報している。
花言葉 私は表現する
 チゴユリ
チゴユリ(稚児百合、ユリ科)

 白い花は小さく、斜め下向きに咲く小さな百合。6枚の花弁の先端がシャープに尖っている。葉は笹の葉を小さくしたように互生する。やや乾いた雑木林の林床に群落をつくる。

生育場所 山地のやや明るい林内
花 期 4~6月 草丈15~30cm
名前の由来・・・花が小さく可愛らしい様子を稚児に例えたもので、「稚児百合」と書く。
花言葉 恥ずかしがりや、純潔
ハナニガナ
ハナニガナ(花苦菜、キク科)

 茎の高さ40~70cmほどになる多年草。シロバナニガナの一品種で黄色の花をつける。茎は上部で枝分かれし、散房状に頭花をつける。頭花はニガナより大きく、小花が7~11個ある。
花 期 5~7月
名前の由来

 母種のニガナは、昔から山菜として食べられていたので「ナ(菜)」がつく。葉や茎を折ると乳液が出て、舐めると苦いことから「苦菜」。ニガナと同じ黄色の花だが、ニガナより大きな花を咲かせることから、「花苦菜」と書く。
ニガナ類の花言葉 明るい笑顔の下の悲しみ、私を食べないで、質素
シロバナニガナ
シロバナニガナ(白花苦菜、キク科)

 ニガナの変種。母種よりも全体が大きくなり、白い花をつける。茎はニガナより丈夫で、高さ40~70cmほどになる。根生葉と茎葉は広く大きく、羽状に裂けることが多い。
花 期 5~7月
名前の由来・・・白い花のニガナ(苦菜)であることから、「白花苦菜」と書く。  
参 考 文 献
「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
「奥羽山脈 雪国の草花」(雪国の草花刊行会)
「山渓名前図鑑 野草の名前 夏」(高橋勝雄、山と渓谷社)
「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)