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山野の花シリーズ26 ハクサンチドリ、アカモノ・・・

INDEX ハクサンチドリ、オノエランアカモノホツツジ・ミヤマホツツジ
ハクサンチドリ(白山千鳥、ラン科)

 花は、茎上部に多数つく。千鳥の羽を思わせる花被片の先が鋭くとがるのが特徴。花色は濃いものから薄いものが知られ、白花の変種もある。高山のランの仲間では最も美しく華やかな花の一つ。葉は、3~6枚つき、長さ5~15cmの倒被針形で、基部はサヤとなって茎を抱く。
生育場所 高山のやや湿った草地
花 期 6~8月 草丈10~40cm  
名前の由来

 石川県の白山で発見され、花の形を千鳥が空を飛ぶ姿に見立てて、「白山千鳥」と書く。花をアップで見ると、確かにコチドリが飛んでいるように見える。1867年に新種発表した時の自生地は函館で、名前をチドリソウと発表した。その後、白山産の「草木図説」の原図に気付き、ハクサンチドリに訂正された。
花言葉 美点の持主、素晴らしい、陽気
▲花色は、濃いものから薄いもの、白花まで多様性に富む。  
オノエラン
オノエラン(尾上蘭、ラン科)

 高山の草地に生え、花は気品のある白色で美しい。クサビ形をした唇弁の基部には、W字形の黄色の模様があるのが特徴。茎の根元に広楕円形の長さ4~6cmの葉が2枚つく。
生育場所 高山の日当たりの良い礫混じりの草地
花 期 7~8月 草丈10~15cm 
名前の由来・・・山の上に生えるランの意味で、「尾上蘭」と書く。
アカモノ
アカモノ(赤物、ツツジ科)

 高山や深山の日当たりの良い裸地や岩礫地などに生え、登山道沿いに群生していることが多い。常緑の小低木で、白色の花を下向きに開く。花冠は、鐘形で先は5裂し、やや紅色を帯びる。果実は球形で赤く熟し、酸味があって生食できる。
花 期 6~7月 草丈10~20cm  
名前の由来

 赤く熟した実のアカモモが訛って、「赤物」と書く。また岩場に生え、葉の形がハゼの葉に似ていることから、別名「イワハゼ」という。
ホツツジ・ミヤマホツツジ
ミヤマホツツジ(深山穂躑躅、ツツジ科)

 高山の日当たりの良い所に生える落葉低木。よく分枝し、若い枝は赤褐色を帯びる。7~8月、枝先に総状花序をだし、白い花が3~8個咲く。花は開くと、花びらが後ろに反り返り、花柱は前に突きだし、先が上に強く曲がる。よく似たホツツジは、花柱がほとんど曲がらないことで区別できる。花粉や葉には有毒成分を含むので注意。
ホツツジ(穂躑躅、ツツジ科)

 日当たりの良い山地に生える。よく枝分かれし高さ1~2mの落葉低木。葉は、倒卵形で先がとがる。8~10月、枝先に円錐花序をだし、淡紅白色の花が多数咲き、花冠の先は反り返る。蜜は有毒。
名前の由来

 花が穂状につくことから、「穂躑躅」と書く。ミヤマホツツジは、高山に生え、花が穂のようにつくことから、「深山穂躑躅」と書く。
参 考 文 献
「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
「山渓名前図鑑 野草の名前 夏」(高橋勝雄、山と渓谷社)
「高山植物ポケット図鑑」(増村征夫、新潮文庫)