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山野の花シリーズ29 ミヤマキンポウゲ、 シナノキンバイ

INDEX ミヤマキンポウゲ、 シナノキンバイ
ミヤマキンポウゲ(深山金鳳花、キンポウゲ科)

 亜高山帯から高山帯の雪田周辺の草地や礫地に生え、金色の大きな群落をつくる。花は、直径2cmほどの黄色い5弁花で表面には艶がある。葉は、鳥足状に5中~深裂する。縁には不ぞろいの鋸歯がある。
花 期 7~8月 草丈10~50cm
名前の由来

 高山に生えるキンポウゲの意味から、「深山金鳳花」と書く。金鳳花の鳳は、中国の霊鳥「鳳凰」のことで、黄金の花がそれほど美しいとの意味がある。ただし、本来は八重咲きの花をさしたと言われている。
花言葉 多才な人
家畜は中毒

 キンポウゲ属の種は、牛や馬などの家畜が食べると中毒を起こすという。昔、焼石沼周辺は牛の放牧が行われていた。牛は、ミヤマキンポウゲを食べないから、増えに増えて、今ではミヤマキンポウゲの大群落を形成している。 
ニホンジカは好物

 ニホンジカは好物らしく、南アルプスでは、ミヤマキンポウゲやシナノキンバイなどの高山植物が食害で、お花畑が消滅する事態になっているという。ニホンジカが生息する25の国立公園のうち、ニホンジカの食害による生態系被害が起きている所は23か所にも及ぶ。環境省では「シカが日本の自然を食べ尽くす」という刺激的なタイトルで、深刻な被害状況とその対策の一つとして、ハンターの確保育成に力を入れている。 
シナノキンバイ
シナノキンバイ(信濃金梅、キンポウゲ科)

 花は、比較的大きく、直径3~4cm、花弁状のガク片は5~7枚で橙黄色。葉は、掌状に深く裂け、裂片はさらに3中裂し、縁に不ぞろいで鋭い鋸歯がある。県内で見られるものは背が高く、南北アルプスなどでは背が低い傾向がある。
生育場所 高山のやや湿った草地
花 期 7~8月 草丈40~100cm
名前の由来

 信濃地方に多く、黄金色で梅のような花を咲かせることから、「信濃金梅」と書く。
参 考 文 献
「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
「高山植物ポケット図鑑」(増村征夫、新潮文庫)