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山野の花シリーズ32 トウゲブキ、クルマユリ・・・

INDEX トウゲブキ、クルマユリコオニユリ
トウゲブキ(峠蕗、キク科)

 大形の花を咲かせ、群生することから、夏の草原で良く目立つ。茎の上端で枝分かれして、5~9個の黄色の頭花を散房状につける。花は茎の上部に7~8個つき、総苞や頭花柄の基部に苞葉がある。葉は厚くて艶があり、フキの葉に似ている。葉の縁には粗い鋸歯がある。
生育場所 高山のやや湿った草地
花 期 7~8月 草丈40~80cm
名前の由来

 生育地の草原を峠にたとえ、葉の形がフキに似ていることから、「峠蕗」と書く。別名は、エゾタカラコウ(蝦夷宝香)、オニタカラコウ(鬼宝香)という。    
秋田駒ヶ岳「トウゲブキロード」

 夏になると、阿弥陀池周辺の草地は、トウゲブキとハクサンシャジンがやたら目立つようになる。木道沿いを延々と彩る群落を眺めながら歩いていると、「トウゲブキロード」「ハクサンシャジンロード」と呼びたくなるほど、大きな群落を形成している。
鳥海山・・・残雪とトウゲブキ
和賀岳山頂のトウゲブキ

 和賀岳山頂の南側~東側斜面一帯は、トウゲブキの大きな群落を形成している。
八幡平・大ノ助沢源頭のトウゲブキ(2014年7月18日撮影)
クルマユリ
クルマユリ(車百合、ユリ科)

 低山帯から高山帯の草地や樹林下に生え、赤橙色の美しい花を数個やや下向きにつける。花被片は、濃色の斑点があり先が反り返る。葉が茎の中央付近に、6~15枚車輪のように放射状につくのが特徴である。
花 期 7~8月 草丈30~100cm
名前の由来

 茎の下方に、葉が8枚ほど輪生するのを、牛車などの車輪に見立てて、「車百合」と書く。
コオニユリ
コオニユリ(小鬼百合、ユリ科)

 花は、クルマユリに似ているが、葉は輪生せず互生する。花は、茎の先に2~10個橙色の花をつける。花被片は被針形で6個、内側に紫黒色の斑点があり、先が反り返る。
花 期 7~9月 草丈100~150cm
参 考 文 献
「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
「山渓名前図鑑 野草の名前 夏」(高橋勝雄、山と渓谷社)
「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
「奥羽山脈 雪国の草花」(雪国の草花刊行会)
「ハイキングで出会う花ポケット図鑑」(増村征夫、新潮文庫)
「高山植物ポケット図鑑」(増村征夫、新潮文庫)