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山野の花シリーズ37 ハクサンイチゲ 、ヨツバシオガマ・・・

INDEX ハクサンイチゲ、ヨツバシオガマミヤマシオガマ
ハクサンイチゲ(白山一華、キンポウゲ科)

 お花畑で大きな群落をつくり、一面に咲き乱れる光景は大変美しい。夏山を代表する高山植物で人気が高い。高山の湿り気のある草原に生える。花は、一つの茎に1~5個つき、白い花弁のように見えるのはガク片で、花弁はない。根生葉は、長い柄がある3枚の小葉で、細かく裂ける。県内では、他に花の似た種がない。
県内の生育地 鳥海山、焼石岳等
花 期 7~8月 草丈15~40cm 
名前の由来

 石川県の白山で発見されたイチゲの意味で、「白山一華(白山一花)」と書く。高山植物でハクサンの名が付く高山植物は21種類もある。それは、白山が古くから信仰の山として栄えたのに加え、早くから植物の研究が進んでいたからである。
鳥海山御田ガ原のハクサンイチゲ群落、背後は二ノ滝口、万助口からやってきた登山者。
雪渓が残る焼石岳とハクサンイチゲ
花言葉 幸せを招く花

 花の数が多く、華やかな印象を受ける。だから「幸福を招く花」と言われている。確かにハクサンイチゲのお花畑に出くわすと、幸せな気分になる。
ヨツバシオガマ
ヨツバシオガマ(四葉塩竈、ゴマノハグサ科)

 葉が4枚輪生して、段々についているので名前を覚えやすい。茎の先端に4個ずつ輪生する花をつける。シオガマギク属は半寄生植物で、イネ科やカヤツリグサ科の植物の根に寄生して養分を分けてもらうため、近くに宿主のある草原に生える。地域によって草丈の大小、花の濃淡など変異が多い。 
花 期 7~8月 草丈 20~40cm
名前の由来

 4枚の葉が輪生するシオガマの意味で、「四葉塩竈」と書く。シオガマとは、海水を沸かして蒸発させ塩をつくる竈のこと。浜で海水を竈で煮て塩をつくる風景は絵になる。そこで生まれたのが「浜で美しいのは塩竈」である。シオガマギクの仲間は、「葉まで美しい」ことから、「浜で美しい」と耳に聞こえる言葉と同じことに由来する。
花言葉 誘惑
ミヤマシオガマ
ミヤマシオガマ(深山塩竈、ゴマノハグサ科)

 シオガマギクの中でも一際色鮮やかな花をつける。葉は羽状に深く裂け、小葉がさらに深く裂けニンジンの葉のように細かく切れ込むのが特徴。花は茎の上部にかたまってつく。花冠は紅紫色で長さ2~2.5cm、上唇は舟形で先端に小さな突起が2個ある。下唇は、筒形で水平に広がり、深く3裂する。高山帯の草地に生える半寄生の植物。
花 期 6~8月 草丈5~20cm
名前の由来・・・高山に生えるシオガマの意味で、「深山塩竈」と書く。
参 考 文 献
「秋田の山野草300選、Ⅱ」(秋田花の会)
「夏の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
「高山植物ポケット図鑑」(増村征夫、新潮文庫)
「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)