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山野の花シリーズ39 ミヤマダイコンソウ、ホソバイワベンケイ・・・

INDEX ミヤマダイコンソウ、ホソバイワベンケイショウキラン
ミヤマダイコンソウ(深山大根草、バラ科)

 岩場や礫地に生え、高さ30cmほどになる。根元の葉は、大きく円形でふぞろいの切れ込みがある。直径は5~12cm。花茎は細く長く伸び、その先に鮮やかな黄色の5弁花をつける。花弁は丸いハート形で5枚。花の美しい期間は短く、花びらはすぐに散ってしまう。その後花柱が長く伸びてガク片と一緒にいつまでも残っている。
▲秋になると葉は紅葉し、新雪が降る頃まで岩場を彩る。花よりも紅葉が目立つ高山植物である。
花 期 7~8月 草丈10~30cm
名前の由来

 高山に生えるダイコンソウの意味で、「深山大根草」と書く。ダイコンソウは、葉が大根の葉に似ていることからついた。
花言葉 幸せを招く花
ホソバイワベンケイ
ホソバイワベンケイ(細葉岩弁慶、ベンケイソウ科)

 雌雄異株で、雄株は大きな株をつくり、茎先に淡い黄緑色の小さな花を密集させ良く目立つ。雌株の花弁は小さく、子房も緑色で地味である。しかし、受精すると赤くなり良く目立つ。葉は、イワベンケイより細くて上半部に鋸歯がある。イワベンケイは、県内では和賀山塊など一部の山に見られるだけである。
花 期 7~8月 草丈10~25cm
名前の由来

 葉が細く、イワベンケイに似ていることから、「細葉岩弁慶」と書く。ベンケイソウは、切り取って炎天下に置いても、土に挿せば発根するなど、強くて枯れないことを弁慶に例えたもの。岩場に生えるベンケイソウの意味で、「岩弁慶」と書く。
花言葉 包み込むぬくもり
ショウキラン
ショウキラン(鍾馗蘭、ラン科)

 ショウキランは、葉緑素を持たず、自分では養分を得ることが出来ない腐生ランの仲間である。その腐生ランの中では最も美しい花を咲かせる。茎は淡紅を帯びた白色で半円形の鱗片をまばらにつけ、花は美しいピンク色で、直立する長い枝の先にまばらに数個つける。日本とヒマラヤに3種が知られているが、日本には本種とキバナノショウキランの2種がある。

花 期 7~8月 草丈 10~25cm
名前の由来

 花の様子を、頬当をする武士の顔に見立てて、鬼を追い払う鍾馗を連想して、「鍾馗蘭」と書く。
参 考 文 献
「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
「夏の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
「高山植物ポケット図鑑」(増村征夫、新潮文庫)
「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
「奥羽山系 雪国の草花」(雪国草花刊行会編)