本文へスキップ

山野の花シリーズ45 ミヤマオダマキ、ヤナギラン・・・

INDEX ミヤマオダマキ、ヤナギランユキザサコンロンソウ
ミヤマオダマキ(深山苧環、キンポウゲ科)

 高山の礫地に生える高さ10~20cmの多年草。下向きに鮮やかな青紫色の花を開く。中央の白っぽい部分が花びらで5枚、青紫色をして外側から巻き込んでいるのはガクで、5枚ある。根際から生える葉は、手のひらのような形をした小葉3枚1組で一つの葉になっている。花期は、6~8月。
名前の由来

 深山に生え、花の形が麻糸を巻いた道具「苧環(おだまき)」に似ていることから、「深山苧環」と書く。(写真:大石礼之輔「花の名前のいわれ」より)
ヤナギラン
ヤナギラン(柳蘭、アカバナ科)

 中部地方以北の日当たりの良い草地に生え、特に八幡平の群落は見事である。夏に周辺の草より高く立ち、先端に10~45cmの花序を総状につけ、多数の紅紫色の花が下から順に咲き上がる。茎は直立し、単一で枝分かれせず赤みを帯びる。

 葉の長さは5~8cmほどの長い披針形で、互い違いに生える。柄はなく、縁には小さな鋸歯がある。葉の裏面は灰白色を帯びる。森林の伐採跡や山火事跡などにいち早く入り込んで、一面に群生し、花が満開の頃は大変美しい。
花期 7~8月 草丈1~1.5m
花言葉 集中する、焦点
名前の由来・・・葉がヤナギに、花がランに似ていることから、「柳蘭」と書く。
ユキザサ
ユキザサ(雪笹、ユリ科)

 花は雪のように白く、雄しべの柱頭は丸いか、わずかに浅く3裂しているのが特徴。花は両性花で白色、長楕円形の花被片6個。葉は長い楕円形で、笹に似ており、互い違いに生える。花の後にできる実は球形の液果で、赤く熟する。 実は有毒。
生育場所 山地の林内
花 期 5~7月 草丈 20~50cm
名前の由来・・・白い花を雪に、葉を笹に見立てて、「雪笹」と書く。
花言葉 汚れのない
コンロンソウ
コンロンソウ(崑崙草、アブラナ科)

 茎先にワサビに似た十字形の白い4弁花をつける。葉は5枚~7枚を1組とする小葉の集まりで、裏表ともに毛が生え、縁には鋸歯がある。葉先は鋭く尖る。地表を這う匍匐茎を出して繁殖し、群落を形成する。
生育場所 山地の川沿いなど湿ったところ
花 期 4~7月 草丈30~70cm
名前の由来

 花の白さを中国の崑崙山の雪に例え、崑崙草と書く。近縁種のオオバタネツケバナと似ているが、こちらのほうは葉先が尖らず鋸歯もない。
参 考 文 献
「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
「ハイキングで出会うポケット図鑑」(増村征夫、新潮文庫)
「秋田農村歳時記」(ぬめひろしほか、秋田文化出版社出版社)