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山野の花シリーズ46 ヒメジョオン、ネムロコウホネ・・・

INDEX ヒメジョオン、ネムロコウホネコウホネオゼコウホネ
ヒメジョオン(姫女苑、キク科)

 明治初年に渡来したアメリカ原産の帰化植物。今では、ごく一般的な雑草になっているが、その後に渡来したハルジオンにその場所を追われつつあるという。茎は30~150cmになり、先端に白色又は淡紫色の頭花をつける。ハルジオンに似ているが、花の頃に根生葉がないこと、葉が茎を抱かないこと、茎が白い髄で満たされていることなどで区別できる。
生育地 野原、道端
花 期 6~10月
名前の由来

 中国の「女苑」という花に似ていて、美しく可愛らしいことから、「姫女苑」と書く。
花言葉 素朴で清楚 
ネムロコウホネ
ネムロコウホネ(根室河骨、スイレン科)

 コウホネとネムロコウホネは、非常に似ているが、その見分け方のポイントは、葉・・・コウホネは葉の茎が水上に突き出るが、ネムロコウホネは葉が水面に浮かぶだけである。根茎は肥厚して太く、泥の中を這う。長い花柄が水面から抜け出て、径2~3cmの黄色の花をつける。花の中心にある柱頭盤は、コウホネと同じく黄色である。コウホネより、花や葉が小形である。
花 期 7~8月
名前の由来

 北海道根室で最初に採集されたので「根室」。コウホネは、川に生え、太くて白い根茎が白骨のように見えることから、「根室河骨」と書く。
コウホネ
コウホネ(河骨、スイレン科)

 葉の茎が水上に突き出て、ネムロコウホネより花も葉も大きい。花の中心にある柱頭盤は、黄色。5枚の花びらのように見えるものはガクである。ガクはやがて緑色になる。地下茎は太くて白く、昔は、飢饉の時に食べたという。婦人薬としての効能があるとされている。

生育場所 池や沼、小川
花 期 6~9月 草丈20~30cm
名前の由来

 川に生え、太くて白い根茎が白骨のように見えることから「カワホネ(河骨)」、それが転訛して「コウホネ(河骨)」。
オゼコウホネ
オゼコウホネ(尾瀬河骨、スイレン科)

 母種のネムロコウホネと似ているが、その違いは、ネムロコウホネとコウホネの柱頭盤は共に黄色に対して、本種は深紅色であること。長い花茎を水面に出し、黄色の花を1個開く。尾瀬で最初に見つかったのでこの名があるが、東北の月山や秋田の木地山高原、北海道の猿払原野などにも分布する。いずれも高層湿原の中にある池沼に生えている。
花 期 7~8月
名前の由来・・・尾瀬に生えるコウホネという意味で、「尾瀬河骨」と書く。
俳 句

河骨の 水の幽(くら)さに 灯りけり 小松世史子
河骨の 水持ち上げて 咲きにけり 鮫島徳子
河骨の 花に瞳の ありにけり 武田金子
参 考 文 献
「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
「ハイキングで出会うポケット図鑑」(増村征夫、新潮文庫)
「野草の名前 春」(高橋勝雄、山と渓谷社) 
「山渓フィールドブックス② 夏の野草」(永田芳男、山と渓谷社)