山野の花シリーズ48 ヘクソカズラ、ツクバネソウ・・・INDEX ヘクソカズラ、ツクバネソウ、ヤマシャクヤク、クズ、アラゲハンゴンソウ | 
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花は、名前とは裏腹に可愛い花をラッパ状に咲かせる。花の正面中央は暗紅紫色で、そのほかは白色。葉は楕円形で、つるに対生する。つる性の植物で、右巻きに巻き付いて伸びる。実は小さな球形で光沢がある。その名の通り、悪臭が鼻をつく。さらに生垣や草花に迷惑なほど絡みつく。  | 
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全草に悪臭があることから「屁糞」、蔓(カズラ)はつる性の総称で、「屁糞蔓」と書く。別名は、花の中心が赤くお灸(ヤイト)の痕に似ていることから、「ヤイトバナ」と呼ばれている。  | 
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根茎を天日乾燥させる。内臓の病気には煎じて服用する。しもやけ、ひび、あかぎれ、肌荒れ、化粧水、下痢止め、腎臓病、かっけに効果があるとされている。  | 
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| ツクバネソウ | |||||||||||||
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葉は、4枚輪生し、長楕円形で先がとがり、柄はない。茎の頂に花柄を出し、淡黄緑色の花を1個上向きにつける。花びらは4枚で、黄緑色のため、長い雄しべがなければ花らしく見えない。山地の林内に生え、地下茎でつながって増える。山道沿いではまとまった群落によく出会う。丸くて光沢のある実をつけ、黒紫色に熟す。  | 
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| ヤマシャクヤク | |||||||||||||
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深山の沢沿いなどの腐植に富んだ樹林下に生える。時に小群落をつくることがある。茎の先に花を一輪だけ咲かせる。花はふっくらと丸く、径4~5センチの白い美しい花を上向きに1個つける。花弁は5~7枚で倒卵形。完全に開ききらず、3~4日で散ってしまう。葉は3~4枚あり、茎に互い違いにつく。小葉の形は楕円形ないし倒卵形で光沢があり、裏面は白っぽい。秋になると派手な実をつける。  | 
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| ク ズ | |||||||||||||
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葉の脇から伸びた花柄に蝶形の花が穂状に集って下から上へと咲く。花弁は濃赤紫色。品の良い甘い香りを漂わす。太くて大きい根からくず粉が採れ、食材や葛根湯などの生薬として用いられる。秋の七草の一つで、万葉集には17首の歌が詠まれている。山野の至る所に生え、ツルを伸ばして凄まじい勢いで広がっていく。  | 
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木があれば、草の柱のように覆ってしまう。クズの茎は、太い幹には巻き付くことができないから、木の枝にとりついて垂直に立ち上がるような繁茂する。春に伸び出した茎は、夏の終わりには成長しなくなるが、一つの個体で1000mを超える長さになるものもある。至る所に生え、樹木を覆い尽くすように広がる凄まじさには驚かされる。アメリカでは、デビル・プランツ(悪魔の植物)と呼ばれている。  | 
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昔、奈良県吉野の国栖(くず)の商人が、この植物から採れるクズ粉を売り歩いたことから、自然に「クズ」の名前になったと言われ、「葛」と書く。吉野では、現在も本種の根からでんぷんを精製して作られる食用の粉「クズ粉」をつくっている。クズの根は巨大かつ木質化して硬いが、これを叩きほぐして水につけ、何回もさらすと純白のクズ粉が得られる。  | 
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根を利用する。発汗、解熱、口渇、頭痛、アルコール中毒、二日酔い、冷え症、下痢、リュウマチ、神経痛、じんましん、扁桃腺炎、滋養強壮に効くとされている。  | 
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| アラゲハンゴンソウ | |||||||||||||
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大正時代に観賞用として渡来した北アメリカ原産の帰化植物で、原野や牧場、高原などに生える。舌状の花は黄色く、真ん中の筒状花は黒紫色。高さは60cmほどになる。根際から生える葉は卵形で、縁には不揃いの鋸歯がある。昭和時代の初期に北海道や東北地方で野生化が始まったと言われている。日本の自然にはちょっと違和感を覚える花だが、学名のプルケリーマは、非常に美しいという意味である。  | 
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自生種のハンゴンソウに似ており、葉や茎に粗い剛毛が生えることから、「荒毛反魂草」と書く。  | 
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| 参 考 文 献 | |||||||||||||