本文へスキップ

山野の花シリーズ51 オオマツヨイグサ、オオハンゴンソウ・・・

INDEX オオマツヨイグサ、オオハンゴンソウハンゴンソウツリガネニンジンヨウシュヤマゴボウ
オオマツヨイグサ(大待宵草、アカバナ科)

 鮮やかな黄色い花の直径は7cmほどで、この仲間では一番大きい。アメリカ原産だが、ヨーロッパで品種改良されて大きな花になったと言われている。新しいツボミが次々について7~9月まで咲き続ける。昼間は花が萎んで、夕方から開花するので気づかない人も多い。
花 期 7~9月 草丈80~150cm
名前の由来

 大型のマツヨイグサの意味で、「大待宵草」と書く。マツヨイグサは、花が夕方、宵を待つように咲くことから名付けられた。
花言葉 美人、移り気な人
オオハンゴンソウ
オオハンゴンソウ(大反魂草、キク科)

 北アメリカ原産で、観賞用に栽培されていたものが逃げ出し野生化したと言われている。地下茎で盛んに増えるので、路傍、荒地、畑地、湿原、河川敷、山地などにも入り込んで迷惑なほど大群落を形成している。ブナ帯の湿原に定着することが多い。特定外来生物に指定されている。

 高さは2mほどにもなり、茎は直立して、その先に黄色い花をつける。花径は5cm~7cmくらいで、筒状花の周りに舌状花がつく。舌状花は細長く、やや垂れ下がっている。
花 期 7~10月
名前の由来

 ハンゴンソウに似ているが、花が大形であることから、「大反魂草」と書く。ハンゴンソウは、コレラの下痢止めの効果があり、命を救う草・・・死ぬ人の魂を呼び戻す草という意味で「反魂草」と書く。
特定外来生物、生態系に関わる被害

 日光国立公園の戦場ヶ原では、寒さや湿地に強く盛んに繁殖するため、ホザキシモツケ、イヌコリヤナギ、オノエヤナギ、ズミなどの低木をおしのけ一面に広がる勢いで生育している。在来種の減少がみられ、湿原植物を保護するために毎年刈り取られているが、根絶は不可能とされている。

 十和田八幡平国立公園では、在来植生への影響が出始めていることから、駆除作業が行われている。特に奥入瀬渓流は、蘚苔類やシダ類等の林床植物が豊富な渓畔林で国の特別名勝及び天然記念物に指定されているが、そうした環境にも侵入しているため、発見次第除去すべき外来植物としてあげられている。
ハンゴンソウ
ハンゴンソウ(反魂草、キク科)

 黄色い花を傘状に咲かせる。山地の林縁や原野などに生え、直立して高さ2mほどになる。湿り気のある場所に多く、沢の縁や湿原のほとりなどでは群生する。葉が深く裂けるのが特徴。葉をちぎると強い独特の匂いがある。若葉の頃は山菜として利用されている。花には昆虫がよく訪れる。

花 期 7~9月
名前の由来

 コレラの下痢止めの効果があり、命を救う草、つまり死ぬ人の魂を呼び戻す草という意味で、「反魂草」と書く。
花言葉 正義
ツリガネニンジン
ツリガネニンジン(釣鐘人参、キキョウ科)

 茎の上部で4段から6段に分かれて、青紫色の鐘状の花を下向きに輪生する。茎は直立し、切ると乳液が出る。山野の草地に普通に生え、特に高原に多い。花は、夏の頃から咲きだし晩秋まで咲いている。春先の若葉は、山菜として利用されている。
花 期 8~11月
名前の由来

 小さな釣鐘のような花と太くて白い根が朝鮮人参を思わせることから、「釣鐘人参」と書く。しかし、その名とは裏腹に、人参のような強壮作用は期待できないらしい。

 古くから「山でうまいのはオケラにトトキ、嫁に食わすのも惜しうござる」という、はやし歌がある。これは、春先のツリガネニンジンの若芽が非常に美味しく、人に食べさせるのも惜しい気持ちをはやしたものである。「トトキ」とは、ツリガネニンジンの古い呼び名。
花言葉 詩的な愛、優しい愛情、感謝、誠実
ヨウシュヤマゴボウ
ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡、ツルナ科)

 北アメリカ原産で、明治の初期に渡来し栽培された。現在では、人家周辺の道端や空き地にごく普通に見られる。花は白だが、わずかに紅を帯びる。茎は太くて枝をよく分け、高さが1.5m以上になる。
▲夏の終わりごろからブドウの房のような実をつけ、黒く熟す。実の頃には茎が赤くなる。
花 期 6~9月
名前の由来

 海外から渡来し、根がヤマゴボウに似ているという意味で、「洋種山牛蒡」と書く。
花言葉 野生、元気、内縁の妻
参 考 文 献
「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
「野草の名前 夏」(高橋勝雄、山と渓谷社)
「夏の野草」「秋の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
「身近な雑草のふしぎ」(森昭彦、ソフトバンククリエイティブ)
「花ごよみ花だより」(八坂書房)