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山野の花シリーズ60 セイタカアワダチソウ、ゴマナ・・・

INDEX セイタカアワダチソウ、カメバヒキオコシテンニンソウユウガギクゴマナ
セイタカアワダチソウ(背高泡立草、キク科)

 北アメリカ原産の帰化植物。土手や荒地、休耕田などに大群落をつくる。種子でも繁殖するが、地下茎が地中を横に走り、そこから他の植物が育つのに害になるような物質を分泌しながら、自分の勢力範囲を広げているという。極めて攻撃的かつ猛烈な繁殖力をもつ外来種であることから、外来生物法では、要注意外来生物に指定されている。また日本生態学会では、日本の侵略的外来種ワースト100に選定している。
 背丈は2~3mと高く、茎の先端に10~50cmもある大きな円錐状の花序をつけ、黄色の頭花を多数開く。茎や葉には短毛があるので、触るとザラザラする。
花 期 10~11月
名前の由来・・・アワダチソウ(アキノキリンソウ)に似ており、背が高いことから、「背高泡立草」と書く。
隠れた効能

 全く根拠のない花粉症の原因にされるなど、何かと嫌われものだが、アメリカでは、セイタカアワダチソウからできたエッセンシャルオイルやエキスが売られている。日本では、アトピーや喘息、腎臓結石、腎臓炎、膀胱炎、リウマチなどに効き目があるとされ、干して切り刻んだものを風呂に入れたり、お茶として飲まれている。
花言葉 生命力 
カメバヒキオコシ
カメバヒキオコシ(亀葉引起し、シソ科)

 山地の林縁などに生え、高さは1mほどになる。枝先に長い花穂をつけ、青紫色の唇形花を多数つける。葉の先端が亀の尻尾に似ているのが一番の特徴。
花 期 8~10月
名前の由来

 葉の先が3つに裂け、中央の裂片が亀の尻尾のように見えることから「亀葉」。また、ヒキオコシという名は、「葉が苦くて起死回生の力がある」ということから命名された。
テンニンソウ
テンニンソウ(天人草、シソ科)

 山地の草原や樹林下に群生する。茎の先に直立した花穂を出し、クリーム色の小花を密につける。花の形は唇形だが、全体的にブラシのような印象を受ける。葉は対生し、長楕円形または広披針形で先が鋭くとがる。
花 期 9~10月 草丈1m 
名前の由来

 葉がコガネムシ類に食い荒らされてボロボロになる様子を天人の羽衣(破衣)にたとえたという説や、穂状のツボミをこの世のものとは思えない天人に見立てたという説、花の様子が天人が舞っているよう見えるとの説などがある。
ユウガギク
ユウガギク(柚香菊、キク科)

 道端や田の畔、耕作放棄地などのやや湿り気のある場所に生える。地下茎で増えるので、群落をつくることもある。花びらは白が一般的だが、淡い紫色もある。高さは80cmほどになり、よく枝分かれする。山地に生えるものはやや丈が低い。葉は薄く、下部の葉は羽状に浅く、あるいは深く裂ける。
花 期 7~10月 ▲葉は中裂しざらつく
名前の由来・・・花を押しつぶすと、ユズの香りがする菊という意味で、「柚香菊」と書く。
花言葉 天真爛漫
ゴマナ
ゴマナ(胡麻菜、キク科)

 小さな花が密集して白い塊となり、茎の先端にほぼ水平に広がる。舌状花は白く、筒状花は黄色で、ともに冠毛を持つ。山地の草原や林縁などの日当たりの良い場所に生え、高さは1~1.5mほどになる。茎は葉とともに細かい毛があってざらつく。葉は互生し、長楕円形で、縁に荒い鋸歯があり、両面に短毛がある。
花 期 9~10月
名前の由来・・・葉が「胡麻」に似ていて、食べられる草であることから、「胡麻菜」と書く。
花言葉 実り 
参 考 文 献
「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
「野草の名前 夏」(高橋勝雄、山と渓谷社)
「夏の野草」「秋の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
「花ごよみ花だより」(八坂書房)