山野の花シリーズ82 オオジシバリ、ジシバリ
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- オオジシバリ(大地縛り、キク科)
田んぼの畔や水路、農道の沿線、やや湿った空き地、草刈りのゆきとどいた土手などに生える多年草。ジシバリより全体的に大形。田植え前後の農村地帯では、一部で混生は見られるものの、ほとんどが本種である。細く白い茎は地中を這い、節々から葉を出し大きな群落をつくる。葉はへら形で、下部が羽状に切れ込むことが多い。質はやわらかく、白っぽい緑色をしている。茎の先端に黄色の頭花をつける。
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- 見分け方・・・上の写真は、左がジシバリ、右がオオジシバリ。ジシバリは全体的に花も葉も小さい。オオジシバリの葉は切れ込みのある長いヘラ形に対して、ジシバリの葉は小さく卵円形。
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- 名前の由来・・・茎が地面を縛るように四方に這い、ジシバリより葉が大きく立ち、花も大きいことから、「大地縛り」と書く。
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- 別名ツルニガナ(蔓苦菜)・・・茎や葉は、傷つけると白い乳液をだし、苦い。
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- 花茎の高さ・・・10~30cm。花茎は、1~3回ほど枝を分けて、先端に黄色の頭花をつける。
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- 葉・・・ヘラ形で、下部が羽状に切れ込むことが多い。長い柄を含めて長さ6~18cm、幅1.5~3cm、時に長さ20~30cmに達することもある。質はやわらかく、白っぽい緑色をしている。
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- 花・・・花茎の先端に舌状花からなる3cmほどの頭花を1~3個つける。
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- 大きな群落をつくる・・・細く白い茎は地中を浅く這い、節々から葉を出して群生する。
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- 田んぼの畦を美しく彩る(5月下旬撮影) ・・・黄色い花がオオジシバリ、白っぽいのがハルジオン、紫色がムラサキサギゴケ。
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- ジシバリ(地縛り、キク科)
オオジシバリに似ているが、比較的乾いたところに多く、山地の崩れたところにも生える。茎は根元から地面を這い、切ると白い乳液が出る。葉は円形状で縁に切れ込みはなく、長い柄がある。葉をつけない花茎は細長く、先端に黄色い花を咲かせる。よく似たオオジシバリは、葉が長くへら状楕円形で柄があり、葉の基部にしばしば羽状に切れ込む。
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- 名前の由来・・・長い茎を地面に張り巡らせて群生する様子が「地を縛る」ように見えることから、「地縛り」と書く。
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- 別名イワニガナ(岩苦菜)・・・岩の上やコンクリートの割れ目などでも少しの土があれば生育できることから、別名「岩苦菜」と書く。
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- 葉・・・上の写真・左側のオオジシバリより右側のジシバリの葉は遥かに小さい。
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- 葉の形・・・円形か楕円形。長い柄をもち、薄くやわらかい。
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- 花と花茎・・・花茎は細長く、根生葉の間から立ち上がり、茎に葉はつけない。しばしば枝を分けて、その先端に黄色い舌状花をつける。
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- やっかいな雑草・・・地表に茎を伸ばし、地についたところから根を出して張り付いたように繁茂する。だから地上部を取り去っても、すぐにまた生えてくるやっかいな雑草として、昔から嫌われている。
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参 考 文 献 |
- 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
- 「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
- 「春の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
- 「秋の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
- 「子どもと一緒に見つける 草花さんぽ図鑑」(永岡書店)
- 「おいしく食べられる 身近な野草・雑草図鑑」(岩槻秀明、ナツメ社)
- 「新版 形とくらしの雑草図鑑」(岩瀬徹・飯島和子、全国農村教育協会)
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