山野の花シリーズ66 タカネスミレ、ミヤマスミレ
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- タカネスミレ(高嶺菫、スミレ科)
秋田駒ケ岳、岩手山、焼石岳、早池峰山の薬師岳など、東北地方の高山帯の砂礫地に生える多年草。葉は厚く、光沢があり、キバナノコマノツメよりも濃い黄色で、やや広い花弁がある。秋田駒ケ岳では、大焼砂や焼森周辺などでコマクサの咲く前に、大きな群落が一面黄色に染める。
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- 名前の由来・・・高山に生えるスミレの意味で、「高嶺菫」と書く。
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- 草丈・・・根茎は横に這い、長さ4cmほどになる。高さは5~10cm。風当たりが強く、環境条件の悪い礫地では数センチと小さい。
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- 葉・・・腎円形から腎心形で、縁に波状の鋸歯がある。根生葉は厚く、表面は濃緑色で光沢がある。葉脈は両面ともやや隆起し、基部に近い葉の縁と脈上には短毛がある。
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- 花・・・濃い黄色。唇弁は大きく、暗紫色の筋がある。
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- コマクサとタカネスミレ・・・コマクサの咲く前に満開となるが、稀にコマクサとの競演を見ることができる。
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- 大群落・・・地下茎で増えるため、しばしば群生し、時には大株をつくる。秋田駒ケ岳では、花の盛りになると壮観である。
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- ミヤマスミレ(深山菫、スミレ科)
山地帯や亜高山帯の林縁や草地に生える多年草。根を伸ばして増えるため群生することも多い。普通赤紫色だが、稀に見かける白花をシロバナミヤマスミレという。また葉の葉脈に沿って白い斑紋があるものを、フイリミヤマスミレという。花の高さは、葉と同じくらいか、葉よりも低い位置で咲く。
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- 名前の由来・・・高山に生えるスミレの意味で、「深山菫」と書く。
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- 花期・・・5~6月。秋田駒ケ岳では、6月上旬~下旬。
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- 葉・・・根生葉は薄く、先は鋭く尖り、基部は深く湾入する。耳状に張り出した部分がくっつき、互いに重なる場合もある。縁に粗い波状の鋸歯がある。
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- 花・・・淡紅紫色の花を1個つける。距は長さ6~8mmと長い。
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参 考 文 献 |
- 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
- 「山渓カラー名鑑 日本の高山植物」(山と渓谷社)
- 「春の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
- 「夏の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
- 「フラワートレッキング 秋田駒ヶ岳」(日野東・葛西英明、無明舎出版)
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