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山野の花シリーズ69 サワギキョウ、ツルニンジン

  • サワギキョウ(沢桔梗、キキョウ科)
     深山の沼のほとりや高層湿原など山野の湿地に生え、一面に群生して見事なお花畑となる。濃い紫色の花は、下から上に向かって咲いていくので、花期は割と長い。キキョウ科では珍しく唇形になる。茎は中空で毛がなく、枝分かれしない。葉は互生し、上方で小さくなり、花序の部分では苞となる。北海道から九州に分布。 
  • 名前の由来・・・水辺や沢の多湿な地に生えるキキョウの意味で、「沢桔梗」と書く。 
  • 花期・・・8~9月 
  • 草丈・・・60~100cm
  • ・・・花冠は濃紫色で、左右相称の唇形。上唇は2深裂、下唇は3浅裂し、裂片の縁に長い毛がある。 
  • 沼などでは、岸辺の水の中にも生える。 
  • 昆虫が葯の先端に触れると、中から花粉があふれ出す。 
  • 果実・・・晩秋になると、赤い球形の果実がたくさんできる。種子は光沢のある紫色の卵形で、果実の中にたくさん入っている。乾燥すると上部が開き、風で揺れると、内部の種子を散布する。
  • ツルニンジン(蔓人参、キキョウ科)
     山地や深山にかけての道端や林縁などに生えるツル性の多年草。緑色の玉のようなツボミが膨らんで花が咲く。花はほとんどが下向きで、近づいて内部を覗かないと見えない。北海道から九州に分布。 
  • ツル性多年草・・・ツルで周りの木や草に絡みつく。ツルは約2mほどで、右巻き、左巻きともにあって不定。傷をつけると白い乳液が出て、臭いにおいがする。
  • 名前の由来・・・ツル性で、根が太く朝鮮人参に似ていることから、「蔓人参」と書く。下向きの花の中を覗くと、花の模様が老爺のソブ(木曽地方の方言「そばかす」)に例えて、別名ジイソブともいう。 
  • 花期・・・8~9月 
  • ・・・長楕円形で先が尖り、3~4枚集まってつく。 
  • ・・・横に広い釣り鐘形の花をつける。花冠は白緑色で、裏側に紫褐色の斑点がある。
参 考 文 献
  • 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
  • 「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
  • 「秋の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
  • 「ハイキングで出会う花ポケット図鑑」(増村征夫、新潮社)
  • 「街でよく見かける 雑草や野草がよーくわかる本」(岩槻秀明、秀和システム)
  • 「野草・雑草図鑑」(山田隆彦、成美堂出版)