山野の花シリーズ73 キランソウ、ニシキゴロモ、ウツボグサ
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- キランソウ(シソ科)
ちょっと日当たりの悪い庭の隅や道ばた、公園の木陰などによく生える多年草。花は鮮やかな紫色の唇形花をつける。花がピンク色のものは、モモイロキランソウと呼ばれている。古くから民間薬として使われ、気管支炎、喉の痛み、下痢、腹痛、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などに用いる。地域によっては「医者倒し」と呼ばれている。
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- 名前の由来・・・古くから「金痕小草」の字が当てられているが、その由来は不明。花の色から「紫(キ)藍草」という説もある。
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- 別名ジゴクノカマノフタ・・・春の彼岸の頃、地面にへばりつくように花が咲くことから、先祖の霊を封じ込めている「地獄の釜の蓋」に見立てたもの。
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- 茎と葉の特徴・・・茎は横に伸び、直立しない。葉は対生し、根際の葉は放射状につき、縁に粗い鋸歯がある。全体に縮れた白い毛が密生する。
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- 花・・・濃紫の花をつける。上唇は短く2裂、下唇は大きく3裂して中央の裂片は大きく先がへこんでいる。雄しべは4個、うち2個は長い。
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- ニシキゴロモ(錦衣、シソ科)
表面の葉脈に沿って紫色を帯びるのが特徴で、日本海側に多く、北海道や九州にも分布する。葉は対生し、長楕円形から広卵形で、縁に鈍い鋸歯がある。里山などに生える小形の多年草。花は、通常淡い紫色の唇形花を数個つけるが、上の写真のように白花をつけるものをシロバナニシキゴロモと呼ぶこともある。花期は4~5月。
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- 名前の由来・・・葉が美しいことから、「錦衣」と書く。
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- ウツボグサ(靭草、シソ科)
草地や堤防、道端など山野の日当りの良い草地に見られる多年草。茎の先に円柱形の太い花穂をつくり、鮮やかな紫色の花をたくさんつける。白い花をつけるものは、シロバナウツボグサと呼ぶ。乳頭山や薬師岳などの高山に生えるタテヤマウツボグサは、花穂が2~5cmで葉柄はないか、あっても短く、走出枝が出ないことで区別できる。
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- 名前の由来・・・花穂の形が弓矢を入れる靭(ウツボ)に見立てて、「靭草」と書く。
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- 別名カコウソウ(夏枯草)・・・花が終わった夏、黒い枯れ穂が目立つことから、「夏枯草」とも呼ばれている。
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- 茎・・・茎はシソ科の特徴ともいえる四角で、特に本種ははっきりしている。1cm以上の葉柄があるのも特徴。
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- 生薬名「夏枯草(かこそう)」・・・乾燥させたものは夏枯草と呼び、利尿、消炎剤として腎臓炎、膀胱炎、扁桃炎、結膜炎に用いる。
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参 考 文 献 |
- 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
- 「街でよく見かける 雑草や野草がよーくわかる本」(岩槻秀明、秀和システム)
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