山野の花シリーズ74 ハマヒルガオ、ハマボッス
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- ハマヒルガオ(浜昼顔、ヒルガオ科)
砂浜に大群落をつくる海岸性のヒルガオ。砂浜を這うようにツルを伸ばして広がっていく。葉は、腎円形で光沢のある深緑色で、葉脈は黄緑色。つる性植物で、初夏に桃色の大きな漏斗型の花をつける。美しい花は、昼間一斉に咲くが、その日の夕方にはしぼんでしまう一日花。茎は、地上茎と地下茎の二つがある。地上で葉を茂らせ、花を咲かせ、砂浜を匍匐する地上茎と、地中に潜って広がる長い地下茎がある。冬に地上茎が枯れてなくなるが、地下茎が生き延び、翌春に旺盛に伸びる。日本全土。
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- 名前の由来・・・浜に群生し、日中に咲くヒルガオだから、「浜昼顔」と書く。
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- ツル性・・・白くて強い地下茎は砂中を長く伸び、茎は地面を這い物に触れると左巻きにからまり、しばしば大群落をつくる。
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- 葉・・・腎臓状円形で厚く光沢がある。葉面は透明なクチクラ層に覆われ、乾燥を防いている。葉は冬も枯れずに必要最小限の枚数で越冬する。
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- 花・・・薄紅色あるいは桃色の大きな漏斗型の花を咲かせる。1日花だが、群生し、次々に咲いていく。
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- 真ん中の雌しべの柱頭は、2つに分かれている。その周りの雄しべは5個。
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- 日中開花し、夕方にはしぼむ。曇天や雨天の日には閉じたままになる。
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- 俳句・・・夏の季語
浜昼顔風に囁きやすく咲く 野見山朱鳥
ひる顔に雨のあとなき砂路哉 正岡子規
なつかしや浜昼顔は今も生ふ 高野素十
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- ハマボッス(浜払子、サクラソウ科)
初夏、海辺の岩場や礫の多い砂地で満開となる。花の色は白だが、沖縄などでは淡い紅色のものがあるという。茎はしばしば赤みを帯び、上方で枝分かれする。葉は光沢があって肉質。蒴果は球形。日本全土。
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- 名前の由来・・・浜に咲き、花序の形または全体の様子を、僧侶が法事の時に用いる払子(ボッス)に見立てて,「浜払子」と書く。
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- 花・・・茎の先に総状花序をつけ、多数のい白い花が密に咲く。花冠は白色で、深く5つに裂ける。
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参 考 文 献 |
- 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
- 「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
- 「春の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
- 「街でよく見かける 雑草や野草がよーくわかる本」(岩槻秀明、秀和システム)
- 「里山のつる性植物」(谷川栄子、NHK出版)
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