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山野の花シリーズ68 センブリ、ムラサキセンブリ・・・

INDEX センブリ、ムラサキセンブリ、タカネセンブリ
  • センブリ(千振、リンドウ科)
     日当りの良い山野に生え、星の形をした5弁の花が美しい。山道周辺の土の露出したような場所に多い。海岸の芝草の中などにも生える。葉は対生し紫色を帯びる。全草に強い苦みがあり、古くから健胃薬、整腸薬として利用されている。2年草。北海道から九州に分布。
  • 名前の由来・・・煎じて、千回振り出してもまだ苦みが残ることから、「千振」と書く。 
  • 花期・・・9~10月、草丈10~20cm 
  • ・・・対生し線形。根は黄色い。茎は暗紫色を帯びる。 
  • ・・・花冠は5深裂し、紫色の筋がある。ガク片は5個、線形で尖る。 
  • 薬草・・・全草を乾燥させ煎じて服用するが、本種はまさに「良薬は口に苦し」で、苦味健胃薬および整腸薬として利用されている。
  • ムラサキセンブリ(紫千振、リンドウ科)
     花の色は紫色。センブリより大きくなり、大きなものでは高さ70cmを超す。海岸から山地までの日当りの良い草原に生える。センブリと同じく苦みはあるが、薬草としては利用しない。中国では、薬草として利用しているが、苦みが薄く、品質も劣るという。関東以西に分布する2年草。 
  • 名前の由来・・・花の色が紫色で、センブリに似ていることから、「紫千振」と書く。 
  • 花期・・・9~11月 
  • ・・・線状披針形で、やや密に対生する。茎は直立して上部で枝分かれし、暗紫色を帯びる。 
  • ・・・淡い紫色に濃い筋のある花を円錐状につける。花冠は5深裂し、裂片はやや広い。ガクは5深裂し、裂片は緑色で細長く尖る。 
  • タカネセンブリ(高嶺千振、リンドウ科)
     高山の草地に生えるが、全体的に小形で、茎は細く弱々しく、小さい花がまばらで目立たない。よく見ると、花には濃紫色の斑点があり、なかなか美しい。県内では、和賀岳、薬師岳、焼石岳などの高山帯の草地で見られる。北海道日高山脈特産のエゾタカネセンブリよりさらに小型。
  • 名前の由来・・・高山に咲くセンブリの意味で、「高嶺千振」と書く。  
  • 花期・・・8月、草丈約10cm
参 考 文 献
  • 「見わけがすぐつく野草・雑草図鑑」(成美堂出版)
  • 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
  • 「山渓カラー名鑑 日本の高山植物」(山と渓谷社)
  • 「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)