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山野の花シリーズ81 キカラスウリ、スズメウリ

INDEX キカラスウリ、スズメウリ
  • キカラスウリ(黄烏瓜、ウリ科)
     名前のとおり、果実が黄色に熟す。よく似たカラスウリは、赤い実をつけるが、本県では見られない。人家周辺に生えるツル草で、葉にはやや光沢がある。雌雄異株で、花は夜に咲くが、朝8時頃まで咲いている。茎は細く、巻きひげでからまって伸びる。イモ状の根からとれる白いデンプン「天瓜粉(てんかふん)」は、吸湿性が高く、アセモの治療やオシロイの代用品として使われてきた。 
  • 花期・・・8~9月
  • ・・・濃緑色の葉は、3~5裂する。毛がほとんどなく光沢がある。葉面はざらつかない。 
  • ・・・雌雄異株。雌花は1個で柱頭は3裂する。 
  • 雄花・・・穂状に数個つき、真ん中の雄しべは黄色。花冠の裂片は先が広い。 
  • 夜咲く花とスズメガ・・・夜咲く花は、甘い香りと月明かりでも目立つ白のレース部分で花の存在をアピールしている。やってきたスズメガは、蜜のある星形の花びらの中心部に細長い口吻を伸ばして蜜を吸う。その際、口吻に花粉がついて、雌花に運ばれ受粉する。 
  • 果実・・・カラスウリよりやや大きく球形で、熟すと黄色になる。中の種子はカキの種のようである。 
  • スズメウリ(雀瓜、ウリ科)
     カラスウリの実より遥かに小さい実をつける。河原や水田の傍などの湿った場所や雑木林の林縁部などに生えるツル草。葉と向かい合って巻きひげがつき、この巻きひげで絡みつく。雌雄同株で、葉の付け根に白い雄花と雌花を一つずつ咲かせる。実は多数なり、初め緑色だが、熟すと白くなる。
  • 名前の由来・・・カラスウリの実より小型の実を、カラスより小さいスズメに見立てて、「雀瓜」と書く。
  • 花期・・・8~9月 
  • ・・・三角状卵心形で、しばしば浅く3裂する。 
  • ・・・雌雄同株で、葉の脇に雄花と雌花が単生する。 
  • 果実・・・径1cmほどの球形で、白く熟して吊り下がる。この中に多数の灰白色の種子を含む。 
  • リースの材料として利用される。
参 考 文 献
  • 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
  • 「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
  • 「夏の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
  • 「見わけがすぐつく野草・雑草図鑑」(成美堂出版)
  • 「里山のつる性植物」(谷川栄子、NHK出版)
  • 「里山さんぽ植物図鑑」(宮内泰之監修、成美堂出版)