山野の花シリーズ84 ゲンノショウコ、ムラサキカタバミ
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- ゲンノショウコ(現の証拠、フウロソウ科)
山野の至る所に生え、薬草で有名な多年草。花柄の先に花を2個ずつつけるが、東日本では白花が多く、西日本では紅花が多い。両方が混じって咲いている地域もある。本県では、ほとんどが白花である。茎は地面を這って広がる。地上に少数の葉を残して越冬する。民間で利用する薬草の代表で、下痢止めや腹痛の特効薬として利用される。北海道から九州に分布。
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- 名前の由来・・・下痢止めに使われ、飲めばすぐに薬効が現れることから、「現の証拠」と書く。
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- 別名ミコシグサ・・・果実の裂開した形が5つに裂け、神輿の屋根に似ていることから、別名「神輿草」と書く。
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- 葉・・・対生し、茎上部で5掌状に、下部で3掌状に切れ込む。
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- 花・・・花柄の先に白から紅色の5弁花を2個ずつつける。夏から秋にかけて次々と咲く。
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- 咲き始めの花は雄性期で、花粉を出し終えると、上の写真のように真ん中の雌しべの柱頭が開いてくる。
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- 熟すと、乾いた実の皮が裂けてまくれ上がる力で種子を弾き飛ばす。1mほど飛ぶという。その姿が独特で、確かに「神輿」の屋根に似ている。
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- 薬草・・・ドクダミと同じく、古くから日本で用いられてきた薬草の代表。花が咲く頃、地上部を採取し、乾燥させたものを用いる。下痢止めや健胃、外用では腫れ物、しもやけの洗浄に用いる。
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- ムラサキカタバミ(紫傍食、カタバミ科)
紅紫色の花が美しく、江戸時代末期の文久年間に鑑賞目的で日本に持ち込まれた帰化植物。種子はできないが、鱗茎と呼ぶ根で爆発的に繁殖する。畑などに侵入すると、駆除するのが大変で、耕せば耕すほど増えていく畑の害草として有名。南アメリカ原産で、亜熱帯に分布の中心がある。九州南部より南では、年に2回の開花期がある。1本の花茎に10個ほどの花をつける。関東地方以西に広く野生化している。
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- 名前の由来・・・花色が紫色のカタバミ(傍食)であることから、「紫傍食」と書く。
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- 葉・・・全て根元から出て3小葉からなる。在来のカタバミより葉はずっと大きい。
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- 花・・・淡い紅色で濃い紫色の筋があり、中心部は緑色をしているのが特徴。雄しべは10個あるが、花粉はできない。だから種子もできないが、鱗茎で爆発的に増える。
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参 考 文 献 |
- 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
- 「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
- 「春の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
- 「秋の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
- 「見わけがすぐつく野草・雑草図鑑」(成美堂出版)
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