山野の花シリーズ87 キンラン、ギンラン、ササバギンラン
INDEX キンラン、ギンラン、ササバギンラン |
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- キンラン(金蘭、ラン科)
コナラなど里山の雑木林の新緑が輝きを増す頃に花を咲かせる。春爛漫の新緑の中で、金色に輝く花はよく目立つ。花は、ふっくらと半開きのものが多い。高さ50cmほどになり、鮮やかな黄色の花を数個~10個つける。果実は蒴果で粉状の種子が入る。キンランは、菌根への依存度が高く、人工栽培は難しいと言われている。昔は、どこでも普通に見られたが、近年激減し、秋田県では絶滅危惧種ⅠB類に指定されている希少種。本州から九州に分布。
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- 名前の由来・・・白い花のギンランに対して、鮮やかな黄色い花を金に見立てて、「金蘭」と書く。
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- 茎と葉・・・茎は直立し、稜線がある。葉は広披針形で先が尖る。縦にシワがあって基部は茎を抱く。
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- 花・・・茎頂に穂状花序を出し、鮮やかな黄色い花を数個から10個ほど、やや上向きにつける。晴れると開くが、半開状で全開しない。
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- 花アップ・・・内側に側花弁が2枚、内側に赤色の筋が隆起している唇弁がある。
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- コナラと菌類、キンランとの共生関係・・・キンランは、コナラの根と共生している菌類からも多くの栄養を得ている。つまりキンラン~菌類~コナラのネットワークによって生きている。だから、自生地からキンランのみを掘って移植しても5年程度で枯死してしまうという。
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- ギンラン(銀蘭、ラン科)
キンランと同じ環境を好むが、白い花を咲かせる。葉よりも花の方が高くなるのが特徴。日当りの良い山の草原や林縁に多く、高さは20cmほどになる。葉は全体に丸みがあって短い。本県では、全体的に大型で、葉の先が尖りササの葉に似ているササバギンランの方が多く見られる。本州から九州に分布。
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- 名前の由来・・・黄色い花のキンランに対して、白い花の色を銀に見立てて、「銀蘭」と書く。
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- 葉・・・3~6枚で互生し、縦に脈がある。基部は茎を抱く。
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- 花・・・数個から10個の白花をつけ、半開状で全開しない。
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- ササバギンラン(笹葉銀蘭、ラン科)
花より葉の方が高く伸びるのが本種の特徴。雑木林の下に生え、高さが50cmほどになる。白い花はわずかに開くが、ツボミのような形のまま終わるものが多い。北海道から九州に分布。
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- 名前の由来・・・ギンランに似ていて、葉の先が尖り笹の葉に似ていることから、「笹葉銀蘭」と書く。
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- 葉・・・笹の葉に似た卵状披針形で、6~8枚が互生する。
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参 考 文 献 |
- 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
- 「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
- 「春の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
- 「見わけがすぐつく野草・雑草図鑑」(成美堂出版)
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