山野の花シリーズ91 スズラン、ドイツスズラン
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- スズラン(鈴蘭、ユリ科)
鈴のような可愛らしい花をつけ、爽やかな香りがあるので人気が高い。日当りの良い山の草原や林縁、高原などに大群生する。新芽は山菜のギョウジャニンニクと似ているが、全草に有毒物質を含むの注意。高さ30cmほどになり、幅の広い葉が2~3枚つく。花は、その大きな葉の陰に隠れるように咲く。花には心が穏やかになるような芳香があり、香水などに利用されている。液果は球形で、秋に朱色に熟す。よく栽培されているのは、よく似たヨーロッパ原産のドイツスズランで、葉よりも花茎が高く伸びるのが特徴。北海道から九州に分布。
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- 名前の由来・・・花の形を鈴に見立てて、「鈴蘭」と書く。
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- 葉・・・楕円形~卵状披針形で、根際から2~3枚つく。裏面はやや粉白色を帯びる。
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- 花・・・葉の間からやや弓状に曲がった花茎を出し、葉の下に白色の花を下向きにつける。花被は広釣鐘形で、先は小さく6裂して反り返っている。
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- 花びらが反り返る意味・・・下向きの花だと、昆虫が蜜を吸うために止まるのが難しい。花びらが反り返っていても、それを脚掛かりに止まることができるのはハナバチだけである。スズランやアセビ、ドウダンツツジ、ウラジロヨウラクなど、花が下向きで、かつ花びらが反り返っているのは、花粉を運ぶパートナーとして選んだハナバチに合わせて花を進化させた結果であると考えられている。
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- 毒草・・・全草が毒草だが、特に根茎に心臓毒のコンバラトキシンを含み、誤食すると心臓発作を起こし、死に至ることもあるので注意。 新芽は山菜のギョウジャニンニクに似ているので注意!
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- ドイツスズラン
ドイツスズランは、ヨーロッパ原産の園芸品種。花の背丈が葉と同じか、それよりも高く、花自体の大きさもスズランより大きめである。花の香りが強く、鉢花やポット苗で流通している。スズランと同じく、全草が毒で、特に花と根に多く含まれるので、取り扱いに注意が必要。
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- 名前の由来・・・ヨーロッパ原産だが、19世紀の半ばにベルリンで改良され、欧州各国へ冬場の草花として大量に輸出されたことから、スズランと言えばドイツと呼ばれたことから、「独逸鈴蘭」と書く。
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- 特徴・・・花は、葉と同じくらいか、それ以上の高さまで伸び、釣り鐘形の花を下向きにつける。芳香があり、香水の原料にも利用される。
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参 考 文 献 |
- 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
- 「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
- 「春の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
- 「山菜ガイド」(今井國勝・万岐子、永岡書店)
- 「食草・薬草・毒草が分かる野草図鑑」(金田洋一郎、朝日新聞出版)
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