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森の学校2018 炭焼き体験

 2019年2月2日(土)、2018年度最後の森の学校「炭焼き体験」が由利本荘市赤田地内で開催された。参加者は、40名。メインの白炭窯の窯出し体験と炭火焼の試食を行った後、里山を散策しながら自然観察・動物の足跡観察を行った。昼食はロッカ森保全の会女性部手づくりの食文化を味わいながら、白炭と黒炭の違いなど炭に関する基礎知識、来年度の森の学校の企画、各団体の里山再生等に関する情報交換を行った。
  • 主催/秋田県森林学習交流館・プラザクリプトン(018-882-5009)
  • 協賛/(一社)秋田県森と水の協会
  • 協力/ロッカ森保全ボランティア、秋田県森の案内人協議会 
  • 動画「炭焼き体験」・・・3分40秒、解説の字幕付き。 
  • 秋田白炭窯吉田式・・・炭焼き体験が行われたのは、「秋・備(アキ・ビン、秋田備長炭)」と呼ばれるほど全国的な評価を受けた「吉田式白炭窯」。 
  • 焼き上がる頃、窯の口を少しずつ開け、空気を入れると中のガスに火が点き、燃え始める。中の炭の全てが真っ赤になり、表面の皮が燃え落ちるまで温度を上げていく。
  • 窯から炭を引っ張り出すタイミング・・・炎の先が黄色(金色)になった時である。
  • 窯出し体験・・・燃焼中の木炭は、1,200度前後の高温である。だから、窯出しの作業は極めて熱く、大変な作業である。窯出し体験をする場合、ナイロン製の衣類や樹脂製のメガネなどは解けてしまうので特に注意が必要である。 
  • 窯出しの道具・・・先がL字型のカギのついた出し棒で引き出す。引き出した炭は、小屋全体がパッと赤くなるほど熱い光を放つ。 
  • 消し粉と白炭・・・引き出した炭は、速やかに素灰(土に窯の灰を混ぜたもの)をかぶせ、空気を遮断して火を消す。この素灰を「消し粉」と呼ぶ。消火した炭は、灰のついた白っぽい色をしていることから「白炭」と呼ばれている。 
  • 炭とは・・・炭焼きは、無酸素状態に近いから木材そのものは燃えない。木材の成分が熱によって分解され、ガスや煙となって取り除かれ、炭素成分だけが固体となって残る。これが炭である。体積は約1/3に減るが、木材そのものの組織構造は変わらない。
  • 白炭の特徴・・・硬く、着火しずらいが、安定した温度を長時間保ち、新しい炭を途中補填しても、温度が下がらず焼きムラもできないため、蒲焼きや焼き鳥に適している。また、ガスがほとんど出ないので、室内のホリゴタツや火鉢に最適である。ただし、値段は高い。
  • 黒炭の特徴・・・軟らかく、着火しやすいが、火力が弱く、長持ちしない。その分値段が安く、一般にキャンプのバーベキューなどに使われている。
  • 炭火焼の試食・・・炭火で焼くと美味しいのは、遠赤外線が表面のタンパク質を高温で焼き固めるので、肉汁は中に閉じ込められる。さらに、その熱がほどよく中に伝わるので、外側はパリッと焼き目がついて香ばしく、中はジューシ―に焼き上がり、うまみもキープされるからである。  
  • 里山保全の材でつくった作品・・・竹林の除伐により発生した材料を加工し、周囲に自生しているヤブツバキ、ガマズミ(ぞうみ)の赤い実などを使った作品。茶会の席に飾る茶花のように、飾らない山野の自然そのままの素朴さが素晴らしい。作者は、竹工房さら代表泉谷健一さん。  
  • 高野家のお雛様・・・明治中期(推定)の貴重なお雛様
  • 甘酒を飲みながら、花炭や炭の消臭材、木酢液、竹を使った竹皿、竹灯篭、キャンドルライトなどの作品を鑑賞。  
  • 囲炉裏と炭火 
  • 昔、炭を入れた箱 
  • ロッカ森保全の会女性部・手づくりの食文化を味わう・・・除伐された竹の器に盛られたガッコ、地元の食材を使ったタケノコの煮物、コーヒーで煮たゆで卵、鍋料理など。除伐した竹に草木を挿した素朴な飾りや竹のキャンドルライト、特製の竹に挿した「おしながき」の演出は、素晴らしい。
  • 情報交換会
  • 2019年度森の学校企画案・・・「元気ムラの旅シリーズ6」は、北限の茶、檜山納豆で有名な能代市檜山地域を予定しています。旧羽州街道沿いには樹齢200年の松並木、古いお寺にはシダレザクラ、千年スギといった古木も多い。さらに「のしろ檜山周辺歴史ガイドの会」による名解説も聞くことができます。
  • 来年1月開催予定の講座Part5は、森林インストラクター・森の案内人・横手市観光エキスパート・元公立小学校長の酒井浩さん。身近な里山と教育に焦点を当て、仮題「 ~子どもたちを育む里山は学びの宝庫~遊んで育つ里山入門講座」です。