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2019あきた水と緑の森林祭

 2019年7月7日(日)、県民参加の森づくり活動を推進する「2019あきた水と緑の森林祭」が、北秋田市「県立北欧の杜公園」を主会場に開催された。記念式典に続き、令和初の森づくり活動や緑の募金活動、森のクラフト、竹トンボ、木のおもちゃを作る木工体験、狩猟の魅力を伝える射的遊びなどが行われた。「森の学校2019」では、森のクラフト・森のブローチづくり・木工体験などを開催。終日好天に恵まれ、さらに「第12回東北チェンソーアート競技大会」も同時開催されたことから、多くの家族連れで賑わった。
  • 内容/記念式典、森づくり活動、木工体験・クラフト教室、緑の募金活動など
  • 主催/秋田県、北秋田市、公益社団法人秋田県緑化推進委員会
  • 協賛/JR東日本秋田支社、一般社団法人秋田県造園協会、大館北秋田森林組合
  • 協力/秋田県森林学習交流館・プラザクリプトン、秋田県森の案内人協議会

記念式典

  • 開会宣言・・・(公社)秋田県緑化推進委員会理事長 佐藤重芳 
  • 主催者あいさつ・・・秋田県副知事 川原誠 
  • 秋田県の緑化運動は、昭和25年、第1回秋田県植樹祭をスタートに、今回で70回目を迎える。2008年4月1日から秋田県水と緑の森づくり税が施行され、同年に北秋田市で開催された第59回全国植樹祭を契機に、その翌年から「あきた水と緑の森林祭」という名称に改め、今年で11回目になる。 
  • 歓迎のあいさつ・・・北秋田市長 津谷永光
  • 来賓祝辞・・・秋田県議会副議長 佐藤賢一郎 
  • 表彰①:令和元年度秋田県水と緑貢献賞受賞者・・・北秋田市立鷹巣南小学校、松森愛好同志会(北秋田市)。
  • 表彰②:令和元年度秋田県県産木材利用推進功労者・・・秋田スギネットワークたかのす(北秋田市)、(有)佐東製材所。 
  • メッセージ朗読・・・北秋田市立鷹巣南小学校6年佐藤未奈さん、5年大川凛君。「私たちは美しい森や川、海を守り育て、未来に引き継いでいくため、これからも森づくり活動を続けていきます。未来に引き継ごう秋田の水と緑を!」」と、力強くメッセージを朗読した。

植樹活動

  • 植樹活動・・・令和初の植樹活動は、天皇陛下ご即位記念として北欧の杜公園南側・広葉樹林に囲まれた大野台地内で行われた。植栽した樹種は、近隣に存在するイタヤカエデ、カツラ、ハルニレ、ナラ、ケヤキ、ハナミズキの6種類である。(写真: イタヤカエデの苗木を植栽する鷹巣南小学校の児童) 
  • 植樹会場に「みどりの女神」が到着 
  • 植樹の方法を説明する秋田県森林整備課、澤田班長  
  • 新時代、令和と共に今後の成長を願いながら植樹する参加者
  • 津谷永光市長歓迎のあいさつ:植樹活動については、「2008年、ここ北欧の森公園に、天皇皇后両陛下をお迎えし、第59回全国植樹祭を開催したことは、私どもの記憶に新しいところです。本日、森林祭において、平成と令和の二つの時代をつなぐ新天皇陛下のご即位記念の植樹の場となることは、この上ない幸せと喜びを感じているところであります」と述べた。
北欧の杜公園の樹木
  • シナノキ
  • スモークツリー
  • アジサイ
  • キンシバイ
  • プラタナス
  • イタヤカエデ

緑の募金活動、森のクラフト、木工体験、アトラクションなど

  • 緑の募金活動」(公益社団法人秋田県緑化推進委員会)・・・緑の募金をされた方々には、花苗・苗木がプレゼントされた。
  • 「ミス日本みどりの女神」と子どもたちによる「緑の募金活動」
  • 「森の学校」のブース・・・秋田県森林学習交流館プラザクリプトン、秋田県森の案内人協議会。
  • 森のクラフト教室・・・森には、かわいい花や木の実、草の種、色づいた葉っぱ、あじのある木の枝、年輪など、クラフトに使えそうな素材にあふれている。そんな自然の素材を使った森のクラフト教室を開催。   
  • 森のブローチづくり 
  • 森の素材でつくったオリジナルペンダント・・・来場者に無料配布された。 
  • 木工体験、竹トンボ、クラフト
  • JR東日本秋田支社・・・ハーブ苗プレゼント
  • woodyさんない・・・パターゴルフに挑戦、狙え!ホールインワン
  • きたあきた木育倶楽部・・・木のおもちゃを作る木工体験 。木のおもちゃは、子どもの五感に働きかけ、感性豊かな心の発達を促す。親にとっても癒し効果がある。子どもが育つ環境に木を取り入れていくことで、 木の魅力を知ってもうら大きなきっかけにもなる。それが子どもの心を豊かにする「木育」。
  • 「木育」は子どもだけじゃない・・・環境を守る「木育」、木の文化を伝える「木育」、暮らしに木を取り入れる「木育」もある。
  • パレアンヌ・・・秋田杉の間伐材の枝葉から抽出された天然精油をベースにしたオリジナルな香り「木香厘(きこり)」「杉香路(すぎこうろ)」、金足農業高校の生徒と先生が開発した「ヤマビル除けスプレー ダウンヒル」などのPR。
  • 狩猟の魅力を伝えるユニークなコーナー・・・少子高齢化時代を迎え、新たな野生動物との棲み分け・共生を目指すには、若い狩猟者の確保が大きな課題。狩猟の魅力を伝えるイベントのPRやクマの毛皮、頭蓋骨、糞などの展示に加え、野生動物(クマやイノシシ、ニホンジカ、キツネ、タヌキ、ウサギ)の絵を標的にした射的遊びが人気を博した。
  • (一社)秋田県造園協会:樹木の新たな命の形・・・伐られてしまった後、廃棄されてしまう運命にあった樹木を加工して、素敵な灯りや器、盃、花瓶、ペン立てなどの作品に仕立てる。
  • 地元特産品販売
  • 認定農業法人(株)しらかみファーマーズ・・・白神山地を望む大野台で、土壌改良材「十和田石」や松尾牧場の「有機堆肥」を有効活用した「大粒にんにく」を販売。
  • 親子連れに人気のアトラクション:バルーンパフォーマーおぉちゃん・・・音楽に合わせたバルーンショーは、細長い風船を使い、あっという間にかわいい動物や物を作っていく。完成作品は子どもたちにプレゼントされた。
  • おぉちゃんのバルーンパフォーマーは、本当にすごい・・・作るだけじゃなく、大きなバルーンの中に入ったり、飛んで箱の上に乗ったり、ついには田沢湖の辰子姫に変身するのだ。
  • 辰子姫に変身!した瞬間・・・観客から「おぉっ」と大きなどよめきと同時に、拍手喝采がドッと沸き起こった。 

第12回東北チェンソーアート競技大会

  • 第12回チェンソーアート競技大会(7月6~7日)・・・県内外の愛好家13人が出場。チェンソーを自在に操り、丸太に彫刻する技術を競った。秋田スギの丸太は、高さ2m、直径50cm。
  • 「チェンソーアート」とは・・・「チェンソーを駆使した彫刻」を指す。チェンソーは、刃のついたソーチェーンをエンジンで高速回転させ、素早く樹木を伐採したり、丸太の長さを伐り揃えたりする機械である。チェンソーアートは、主に丸太を数種類のチェンソーだけを使用し、彫刻作品を生みだしていく。また、作品だけでなく、制作過程をエンターテイメントとして楽しむこともできる。主にアメリカやヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、日本で盛んである。
  • 「ブィーン、ブィブィ、ブィーン」と、けたたましいエンジン音を響かせながら木を伐るチェンソーは、芸術とは無縁のイメージがある。ところが、制作現場を直接拝見すると、ダイナミックな迫力とスピード感に溢れている一方、完成した作品は、動物の毛や魚のウロコなど繊細な線まで表現している。このアートは、1万年以上も続いた森の文化・縄文芸術を彷彿とさせるものがある。 
  • 出場者は、何種類ものチェンソーを使い分け、木屑を豪快に飛ばしながら丸太を削ったり、繊細な模様をつけたりしながら、二日間にわたって技を競い合った。それぞれの作品テーマに合わせたハイレベルなアート作品は以下のとおり。見事というほかない。
  • 近藤英二「麒麟」
  • 丹羽哲士「ソングコング」 
  • 乗上駿「溶けゆく氷の上で」
  • 蘭二朗「アラビアンナイト」
  • 野崎正「newハウス」
  • 杉山徹「秋田竿灯」
  • 高木愁斗「剣士」
  • 吉広貴明「おめで鯛~」
  • 長谷秀樹「マウスの散歩」
  • 江村康成「前進あるのみ」
  • 栗田宏武「さあ行こう!」
  • 山田信幸「弁財天」
  • 阿部豊「夕すずみ」 
  • 栗田宏武「さあ行こう!」
  • 完成作品オークション・・・制作者は、競技大会で制作した作品の思いなどを説明した後、希望者に販売(支払いは現金のみ)された。
  • 森林祭の多様な催しをとおして、より多くの方々が森の恵みに感謝し、豊かな水と緑の財産を未来に引き継ぐ思いがさらに広がることを期待したい。 来年は、天然秋田杉を代表する仁鮒水沢の保護林や日本五大松原の一つ「風の松原」、世界自然遺産白神山地を有する木都・能代市で開催される。