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令和元年度緑の交流集会(秋田県森林学習交流館)

 2019年7月24日(水)~25日(木)、「令和元年度緑の交流集会」が秋田県森林学習交流館プラザクリプトンを会場に開催された。参加者は、4団体40名(児童33名、引率者7名)。一日目は、県立中央公園フィールドアスレチックでハラハラドキドキしながら思いっきり遊び、夕食後、サプライズでプロ顔負けの手品を観賞し、最後に森のクラフトづくりを楽しんだ。二日目はクイズで学ぶ森の不思議12問の答えをじっくり考えたり、皆で協力して巣箱製作・設置を行った後、学習交流の森の散策が行われた。
  • 主催/秋田県、公益社団法人秋田県緑化推進委員会
  • 協力/秋田県森林学習交流館・プラザクリプトン、秋田県森の案内人協議会
  • 参加団体/ボーイスカウト秋田31団、桜たんけん塾、さくらシャインキッズ、マックスバリュー東北秋田緑の少年団 
  • 緑の交流集会とは・・・県内において、校内緑化や森林環境教育活動などに積極的に取り組んでいる学校、緑の少年団、ボーイスカウト等の児童生徒が、自然体験や共同生活を通じて交流を図りながら、水と緑を愛する心を育むことを目的に、毎年夏休み期間中に開催している。 
  • 開会式
  • 秋田県森林整備課澤田班長あいさつ 
  • 森の案内人7名及び秋田県森林学習交流館インストラクター3名 
  • オリエンテーション・・・県緑化推進委員会専務理事兼事務局長・石田良春さん
フィールドアスレチック(県立中央公園)
  • 6班編成でフィールドアスレチックに挑戦!
  • フィールドアスレチックとは・・・地形や森林などの自然な環境を利用して作った遊具で遊ぶことをいう。普段はできない全身運動ができる、楽しいスポーツの一つ。丸太や綱などの自然素材を中心に作られた遊具には、丸太渡りや、ターザンロープなどさまざまな種類がある。
  • フィールドアスレチックの効果、楽しさ
    1. 楽しく遊びながら子どもたちの運動能力を高めることができる。
    2. 家族みんなで遊ぶことができるので、子どもたちも安心して遊ぶことができる。
  1. 日常の生活では経験することの少ない高いところへよじ登ったり、高いところからの飛び降りるなど、高低差のある動作は、基礎運動能力の発達に役立つ。
  2. 公園のブランコや滑り台などと違い、不安定な足場を登ったり下りたりするので、バランス感覚を養い、体幹や足腰も鍛えられる
  1. 普段は危険が伴うような遊具もあるが、しっかりと整備されたフィールドアスレチック場ではのびのびと挑戦することができる。
  2. 特に子どもたちにとっては、スリルとスピード感溢れる遊具に人気が高く、大喜びしていた。
  • 人気遊具①「アスレドーム」・・・丸太と綱でできた舟に乗ってロープを自ら引っ張り、ロープウェイ(ブランコ)乗場へ移動し、空中ブランコを楽しむことができる。
  • 人気遊具②「アスレブリッジ」 ・・・道路を挟んで二つのエリアを橋でつないだ「アスレブリッジ」も人気のアスレチック施設。
  • 人気遊具③「アスレタワー」・・・高さが30mもあり、遠くから見ると宇宙ロケットのようにも見える巨大な遊具で、子どもたちに一番人気だという。下から登るには、難易度が小さいものから高いものまで様々な遊具が用意されているので、子どもから大人まで楽しむことができる。
  • 気温が30度近い真夏日だっただけに、涼しい木陰で水分補給する。 フィールドアスレチック内で見かけた植物は以下のとおり。
  • ハマナス
  • キンシバイ
  • ヤマユリ
  • ケナシヤブデマリ
  • ノリウツギ
  • ヤマハギ
  • シモツケ
  • リョウブ
  • 子どもたちの感想・・・「フィールドアスレチックでグループの子といっしょに協力して、たのしく行動できてよかったです・・・新しくできた友だちとも仲が深まった気がしました」、「楽しかったのはタワーのところです。一番上にいったらゆれて少しこわかったけど楽しかったです」、「アスレチックはむずかしかったり、体力がなくなりやすいのがありましたが、何とか物語のロープの三段のを通るのが楽しかったです」、「いろいろなアスレチックができて、とても楽しかったです」 
  • みんなで美味しくいただいた夕食
  • 子どもたちの感想・・・「よるごはんは、お米をおかわりしたし、デザートもとてもおいしかったです」、「ぼくの一番はごはんでした。夜はハンバーグ、ごはん、コーンスープ、ティラミスがあって、ティラミスがおいしかったです。朝は魚、オムレツ、ひじき、うめぼしなどがあって、2人分を食べて楽しかったです」、「夜のご飯、とくにハンバーグがおいしかったです。でも、デザートはケーキよりも、アイスがいいなと思いました」 
サプライズ手品
  • サプライズ手品(森の案内人・大石礼之輔さん)・・・手品とは、指先や器具を巧みに操り、人の注意をそらせておいて、不思議なことをして見せる芸のこと。プロ顔負けの手品をたくさん披露し、子どもたちに大受けだった。
  • 子どもたちの感想・・・「手品は、目の前ですごかったですが、一回見破れたのでよかったです」 、「わたしは、大きなトランプを当てていたのがすごいと思いました。どうやっていたのかが、ふしぎに思いました」
  • 「手品がすごかった」、「はじめて見た手品がたくさんあって、とてもおもしろかった」、「おもしろい手品がいっぱいあって、どうやって考えたりしたのかふしぎでした」、「マジックショーは、タネは教えてくれたのもあったけど、タネを見破れなくてくやしかった」
  • 「手品は見ていてとてもおもしろかったし、ネタをせぐるのも楽しかったです」、「やり方を教えてくれたらもっといいなと思った」、「手品は、『おーっ』と、さけんでしまいました」、「家に帰ったら、おしえてもらった手品をしてみたい」
森のクラフト
  • 森のクラフト・・・木の実やドライフラワー、色づいた葉っぱ、木の枝、竹、貝など、自然の豊富な素材を使って森のクラフトづくりを楽しんだ。
  • 森のクラフト見本 
  • 森のクラフト創作風景
  • 完成作品紹介・・・完成作品を手に持ち、作品のテーマを解説してもらった。
  • 子どもたちの感想・・・「思っていたより色々なパーツがあったので、作りやすかった」、「木や貝、葉、木の実、豆、松ぼっくりを使っておもしろいネズミやまわりのふうけいをつくってめちゃくちゃ楽しかった」、「犬を作りたかったので、いろいろ材料を集めて、顔は木を3枚重ね、しっぽは松ぼっくりにしたりしました。女の子にしたかったので、花を耳につけてかわいくしました」、「最初とんぼを作ろうとしたら、ツリーになってしまい、花畑を作ろうとしたら、草畑になってしまいました」 、「キツネの作品を作りました。とてもじょうずに、かわいくできて、想像していたよりもうまくいってうれしかったです・・・じょうずにできて、早くお母さんに見せたくて、たまりませんでした」
二日目 「クイズで学ぶ自然の不思議」
  • 「クイズで学ぶ自然の不思議」(森林インストラクター&森の案内人・酒井浩さん)・・・全部で12問、3択形式で行われた。特に子ども目線で、分かりやすく解説していたのはさすがだと思った。
  • 第1問・・・木の枝から、黄緑色のチョウチンのようなものがぶら下がっているが、これは何?
  • ・・・ウスタビガというガの仲間のマユ。冬を前に産卵し、卵の状態で越冬する。翌年の4~5 月に孵化(ふか)、6月中頃にマユを作ってサナギになる。10~11 月頃に羽化して、産卵し、その一生を終える。
  • 第2問・・・水面に座っているカンムリカイツブリは、何をしているところかな?
  • ・・・水辺に浮き巣をつくって卵を3~5個産む。その卵を温めているところ。
  • 第3問・・・カモシカは何の仲間か?
  • ・・・名前からシカの仲間と誤解されやすいが、ウシの仲間である。 
  • 第4問・・・木の枝や草の茎の一部が泡だらけになっているのは、な~んだ?
  • ・・・セミの仲間・アワフキムシの幼虫が作る「巣」である。小さな幼虫は、植物の汁を吸って生きている。その際、余分な水分は排泄しながら泡で巣をつくる。泡は、粘り気があって、雨風で吹き飛ばされたりしない。さらに日照りが続いても干からびることもなく、意外に丈夫にできている。 
  • 第5問・・・ノスリの親子が向き合っています。どちらが子ども?
  • ・・・親の虹彩は暗い色、子どもの虹彩は淡い黄色。全体的に、親がこげ茶色、子どもは白っぽい。
  • 第6問・・・細長く黒い甘納豆のようなものがたくさんあるが、これはな~んだ?
  • ・・・カモシカのうんち。カモシカは、立ち止まって同じ場所に「溜め糞」をする習性がある。 
  • 第7問・・・葉を巻いたような中には何が入っている?
  • ・・・オトシブミの卵。オトシブミは、木の葉を巻いてゆりかごをつくる。この中に卵が数個入っている。卵から孵化した幼虫は、この葉を食べて成虫になるまで暮らす。名前の由来は、昔、好きな人に拾わせるように通り道にわざと落としておく恋文「落し文」に似ているから。オトシブミは、ぶら下がっている場合もあるし、下に落ちているものもある。
  • 第8問・・・この足跡をつけたのはだ~れだ?
  • ・・・冬、雪の上についた足跡でよくみかけるノウサギ(トウホクノウサギ)の足跡。ノウサギは前足跡が小さく、後足跡が大きい。後足でジャンプして前進するため、後足跡が横に並んでいるのが特徴。
  • 第9問・・・冬虫夏草(とうちゅうかそう)と呼ばれている。これはな~んだ?
  • ・・・キノコの一種で、昔から不老長寿の生薬として珍重されてきた。冬虫夏草とは、キノコが昆虫やクモに寄生し、体内に菌糸の集合体である菌核を形成して、さらに昆虫の頭部や間接部などから棒状の子実体を形成したもので、冬は虫、夏になると草(キノコ)になるのが和名の由来。
  • 第10問・・・ホオノキの赤い実についている、矢印の糸は何のためにあるの?
  • ・・・風にゆらゆら揺れながら、タネをできるだけ遠くに飛ばすため。風散布だけでなく、ホオノキの赤い実は、多くの鳥たちが食べて、移動した後に、糞と一緒に種子を散布してくれる。
  • 第11問・・・マタタビの葉っぱが白くなっているのはどんな意味?
  • ・・・花は葉陰に隠れて見えないが、目立つ白い葉で、花ができたよと虫たちに知らせている。受粉が終わると、ドングリ型の実と虫こぶ型の実ができる。珍重される虫こぶ型の果実は、薬効があるとされ、昔から生薬や薬用酒に利用されてきた。 
  • 第12問・・・このクルミを食べたのはだ~れだ?
  • ・・・実がきれいに二つに割れているのが、リス。クルミの側面のど真ん中に円形の穴を開けて食べるのは、アカネズミ。ハシボソガラスは、オニグルミの実を自動車にひかせて割るという頭脳的な行動をとるものもいる。 
  • この難問を全問正解した人がいた。それが何と3年生とは驚いた。
  • 子どもたちの感想・・・「クイズで知らなかったことをたくさん学ぶことができた」、「動物のことや虫のことなど、分からなかったことをしっかり知れた」、「クイズ、1問だけ間違えてしまいましたが、いろんな森のことが学べました」、「クイズで学ぶ森のふしぎでは、とてもむずかしかったけれど、全問正かいできてとてもうれしかった」
巣箱製作及び設置
  • アカゲラを呼んで松枯れ防止・・・アカゲラは、松枯れの犯人・マツノザイセンチュウを運ぶマツノマダラカミキリの幼虫を捕食する能力が高い。アカゲラの生息密度の高い地域では、材内の幼虫の90%以上が捕食された例もある。秋田県の海岸クロマツ林の例では,アカゲラ用の巣箱や巣丸太を設置したところ,アカゲラの観察例が多くなり,4年後にはカミキリ成虫脱出率が設置前の半分になったという。アカゲラは巣箱を設置し誘致すると、利用巣箱から200m範囲内で30~70%のカミキリの駆除効果が期待できるとしている。  
  • アカゲラなど、キツツキ類のねぐら用底なし巣箱・・・アカゲラは、普通の巣箱も利用するが,これでは他の鳥が利用したり,出入口が1か所なので天敵が侵入しても逃げられないなどの欠点があった。森林総合研究所では、アカゲラが内壁に止まって寝る習性に合わせて、アカゲラ専用の底のない巣箱が考案し、実用新案として登録している。
  • 巣箱製作及び設置(クリプトンインストラクター進藤 武さん) 
  • 巣箱制作風景
  • 野鳥の森に巣箱を設置
  • 子どもたちの感想・・・「すばこ作りでは、みんなできょうりょくして作れたけど、すばこを木につけるさぎょうがむずかしかった」、「釘打ちがうまくいかなかった」、「アカゲラがきてくれるといいな」、「くぎでトントンがたのしかった」、「巣箱作りは、むずかしかったけど、鳥には協力できてよかったなと思いました」
  • 森のステージ・・・手づくりの森のステージで大石マジックショウを観賞。 
森の散策
  • 学習交流の森散策 
  • ヤマボウシの実・・・赤く熟すと、ヒヨドリやメジロ、ムクドリなどたくさんの鳥たちがやってくる。生で食べても美味しい。 
  • ヤマウルシ・・・秋、一足早く色づく
  • オニグルミ・・・リスやネズミの大好物
  • ヤマナシ・・・ナシの原種
  • サルトリイバラの実・・・赤く熟すと美しい
  • 羽化したばかりのセミ
  • 草笛・・・クマザサの真ん中に生えている細長い新芽を使って草笛をつくる。吹くと「ププーーー」と振動して音が出る。吹き方が悪いと、下痢のような品のない音になるので注意。
  • ツタの実 
  • ユリノキの幼木・・・飛んできた種から発芽した幼木が数ヵ所あった。 
  • スギの伐根の年輪を数える・・・約50年
  • 国際教養大学「メタセコイヤの並木道」 
  • CLT(直交集成板)を床板に使った橋 
  • モグラ塚・・・ミミズや昆虫などを食べる 
  • コオニユリ
  • 子どもたちの感想・・・「ささで口笛するのは、最初は音が出ず、息の量や場所を変えたけどでませんでした。そこで、ボランティアの人に聞くと『新芽がいい』と教えてくれました。ささの口笛の作り方は、ささの芽を細かくさいて、手と手にピンとはって息を出します。そして、そのことに気をつけると、高い音を出すことができました」、「いっぱいたんけんできてよかったです」、「野鳥の森散策では、しぜんとふれあいながら、たくさんの植物にふれて、はじめて見たものもたくさんあって、とても楽しかった」、「いろいろな草や花をしっかりと教えてもらい、コップの作り方も教えてもらえた」
  • 昼食・・・カレーとサラダ
  • ふりかえり・・・3人が感想を発表してくれた。各内容別に子どもたちの感想の一部を抜粋して掲載したが、「この二日間、楽しいことしかありません」「とてもいいけいけんができたので、またやってみたい」「どきどき、わくわくの二日間、ありがとうございました」といった、参加して大変「良かった」との高評価であった。
  • 最後に皆で記念撮影・・・二日間好天に恵まれ、このページをまとめるのに苦労するほど、大変充実した緑の交流集会になった。こうした緑の交流集会を通して、森の恵みに感謝し、水と緑を愛する心の輪が一層広がることを期待したい~「その手から つながる未来 広がる緑」/「いつも こころに ゛みどりのはねを゛」