森の学校 親子で昆虫の森を作ろう
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2021年4月24日(土)、「2021森の学校 親子で昆虫の森を作ろう」がクリプトンの森を会場に行われた。親子10組、25名の参加で行われた。森林インストラクター会の皆さんを講師に昆虫の森を散策したり、親子で落ち葉を集めてカブトムシの産卵を促す作業をしたり、ロケットラワンを飛ばして遊ぶなどした後、カブトムシの幼虫プレゼントと飼い方の説明が行われた。なお、森の学校では、7月31日(土)に夏休み特別企画「森と木の生活塾」の中で「昆虫の観察採集」を予定している。さらに2022年1月22日(土)には、昆虫の専門家を講師に昆虫講座を開催する。これら全てに参加すれば、秋田の昆虫博士になれるであろう。昆虫に興味のある方は、お見逃しなくご参加を!!
- 主催/秋田県森林学習交流館・プラザクリプトン
- 協力/森林インストラクター会、秋田県森の案内人協議会 、秋田県林業研究研修センター
- 協賛/(一社)秋田県森と水の協会
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- クリプトンの森のコナラ、ミズナラ、クリなどの樹液に集まる昆虫・・・子どもたちに人気のカブトムシやクワガタムシ(ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタ、コクワガタ、ヒラタクワガタ)をはじめ、ルリタテハやゴマダラチョウ、サトキマダラヒカゲなどのタテハチョウの仲間、ガの仲間、カナブン、カミキリムシ、危険なスズメバチなど様々な昆虫たちが集まってくる。
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- 多様な昆虫が生息する森・・・昔から人の手で適正に管理されることにより守られてきた里山の雑木林やクリプトンの森のような森林公園、都市公園などである。
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- カブトムシの森・・・カブトムシの幼虫は、落葉がうず高く堆積した腐葉土や菌床栽培の廃オガ、材木を切ったあとのオガクズ、枝やキノコの原木栽培に使ったホダ木の捨ててある場所、堆肥が積んである場所などで多く見つかる。つまりナラ類などの落葉広葉樹の森の中に、カブトムシの産卵を促すような場所を人工的に作れば、子どもたちでも気軽に観察採集できる森にすることができるであろう。
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- クワガタムシの森・・・クワガタムシのメスは、アゴを使って、コナラ、ミズナラなどの朽ち木に穴をあけ、その中に1つずつ卵を産む。幼虫は樹木の朽ち木を食べて成長する。だから立ち枯れした広葉樹は極力残すようにすることが肝要である。
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- オオタチツボスミレ、オオカメノキ(ムシカリ)の白い花
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- ガの仲間クスサンの繭・・・7月頃、楕円形の固い網目の繭を作ってサナギになる。冬から初夏にかけて、木の枝に羽化した後の粗い網目状の空繭をよく見掛けるが、俗に「スカシダワラ」と呼ばれている。
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- ヤママユの繭・・・ヤママユの成虫は10cmを超える大きなガで、薄いクリーム色をした繭をつくる。幼虫は野生のカイコ(天蚕)の一つで、コナラ、クリなどの葉を食べる。長野県穂高町の有明地方は、天明年間(1781~1789)の昔から天蚕の飼育が続けられている。ただし飼育が難しく、非常に高価。
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- ニホンリスは硬いオニグルミの実をどうやって食べるのか・・・ ・クルミの縫合線に沿って歯を差し込み、時間をかけてパカッと二つに割ってから、中の美味しいクルミを食べる。
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- アカネズミは・・・アカネズミもクルミが大好きだが、ニホンリスのように綺麗に割ることができない。何とあの硬いクルミのど真ん中に円形の穴を開けて食べる。 だから森に落ちているオニグルミの形をみれば、誰が食べたかがわかる。
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- 細い枝先が鋭く切られている、誰のしわざか・・・下を見ると、水分の少ない乾燥した丸い糞がたくさんあった。冬、ノウサギは枝先の新芽を鋭くかじって食べる。そして「ため糞」をする習性があるので、丸い糞がたくさん見つかる。
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- スズメバチ用ハチトラップの設置
危険なスズメバチは、カブトムシやクワガタムシが大好きな樹液にやってくる。それを防ぐには・・・秋に生まれた新女王バチは、朽ち木の中などで越冬し、5月頃、女王バチ1匹で新しい巣を作り始める。その前に女王バチを退治するために設置。
- 1.5~2リットルの空のペットボトルの上部に1.5cm角の四角い穴を、カッターナイフで開ける。この穴は、スズメバチが入ったら出られないようにつくるのがコツ。
- ペットボトルに焼酎と酢、砂糖を3対1対1で割ったものを、底から10cmくらいの深さまで流し込む。
- ペットボトルの口にビニールのヒモを取れないように固く結わえる。
- スズメバチが出そうな場所にハチトラップを吊り下げる。
- しばらくすると、発酵し、酸っぱい発酵臭が漂い始める。スズメバチはこの匂いが大好き。スズメバチは、上部に開けた穴からペットボトルの中に入り、ポチャンと落ちて溺れ死ぬ。
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- カブトムシが産卵する腐葉土とは・・・コナラなどの落葉広葉樹が中心の森では、冬になると森一面が落葉で覆いつくされる。その落葉を集めて、囲いをつくり貯めておくと「腐葉土」ができる。腐葉土とは、落葉が腐ってできた土のことで、昔は田んぼや畑の堆肥として利用された。それだけ栄養価も高い。カブトムシの幼虫は、栄養価が高い腐葉土ほど大きく育つ。
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- カブトムシが産卵する腐葉土をつくる・・・集めた落葉を倒木や丸太でつくった囲いに入れて山積みにしておく。すると、徐々に発酵が進んで、夏ごろには腐葉土になる。
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- 親子で力を合わせて、カブトムシの産卵を促す腐葉土づくりに挑戦!
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- カブトムシの幼虫の天敵は?・・・モグラやネズミ、キツネ、タヌキなどである。今後は、こうした天敵に食べられないようにするためには、囲いの高さを50cm以上にし、壁の隙間から侵入されないようにベニヤ板や柴などで囲うなどの対策を考える必要がある。イノシシも堆肥などを掘り返して食べるというが、クリプトン周辺には生息していないので、イノシシ対策は不要。
- 成虫の天敵・・・カラス、タヌキ、ハクビシンなど。
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- カブトムシのメスは、この腐葉土の中に潜り込んで卵を産む。メスはそのまま死んでしまうが、卵は2週間ほどでふ化する。ふ化した幼虫は、腐葉土をたくさん食べて育つ。皮を脱ぎ、大きくなって冬を越す。(写真:カブトムシの卵)
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- 春、3令幼虫・・・成虫にはない大きなアゴを使って、腐葉土などをモリモリ食べて大きくなる。ここで成虫の大きさが決まる。6月ころ、サナギになって、7月ころ、羽化して成虫になる。
- 成虫が発生する時期・・・北海道・東北は、7月下旬~8月上旬ころである。
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- カブトムシの幼虫プレゼント・・・1家族当たり、大きな3令幼虫を3匹プレゼント
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- 幼虫のエサ・・・菌床栽培の廃オガを幼虫のエサとしてプレゼント。飼育箱に使う量を金づちなどで砕き、水に浸すと、右上写真のような発酵マット状態になる。これを幼虫のエサとして与えれば、幼虫は大きなアゴでバリバリ食べるはず。
- カブトムシの幼虫及び廃オガは、秋田県林業研究研修センターから提供いただいた。
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- 動画「カブトムシの幼虫」 - YouTube 2分34秒
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- 森林インストラクター会の小沼会長から、参加した子どもたちへ、カブトムシの幼虫3匹と、エサとして廃オガ1個がプレゼントされた。
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- 最後に小沼会長から、カブトムシの飼育の仕方、注意点について説明が行われた。この幼虫は能代市産だから、生態に与える影響はない。けれども飼育している昆虫は、絶対に野外に逃がしたりしてはいけない。死ぬまで飼うこと。
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- 配布資料「クワガタやカブトムシのかい方」 (森林インストラクター会)
インターネットやホームセンターでしらべてもらうこと
- たて30cmよこ40おくゆき20のすいそうにうつしかえる
- はっこうマットを入れてもらったエサを細かくして与える
- エサはマットの上に3cmのあつさでしいておく
- ぜんぶで20cmのあつさにする。かびがでてないかみる
- かびがはえたりおんどがあがっていたらまんなかをほってやる
- 6月にはさなぎになり動かなくなる
- 7月に成虫になって出てくる
- クワガタやカブトは夏のはじめのこんちゅうなのでなが生きはできないがうまくいくとらいねんまでいきる
- おんどは30どよりひくくしてお日さまにあてないこと
- ちょくせつせんぷうきのかぜをあてないこと
- 3日に1回かわいていないかみる。きりふきでしめらせる
- エサは1日でなくなったりするがのこっていても3日に1回はあたらしいのとりかえる。おなかをこわすのでくだものはあげない。
- 10日に1回むしかごはみずであらいみずごけとすなをかえる
- ひとつのむしかごには1ぴきしかいれない。けんかしてしぬ
- むしをつかむときははしをつかう。しんだら手でつかむ
- しんだらおひさまに7日あててよくかんそうさせる
- ぜったいににがしたりそとにはなしてはいけない。しぬまでかうこと
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- 4月現在3令幼虫→6月ころ、サナギ→7月ころ、成虫
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- カブトムシの飼育を成功させるポイント
- 良い飼育セットを作ること
- 虫を入れすぎない
- 暗めのすずしい場所におく
- エサを切らさないようにする
- ときどき掃除をする
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参 考 文 献 |
- 「大自然のふしぎ 昆虫の生態図鑑」(学研)
- 「子供の科学 カブトムシ&クワガタ百科」(安藤゛アン゛誠起、成文堂新光社)
- 「わたしのカブトムシ研究」(小島渉、さ・え・ら書房)
- 「日本のクワガタムシ・カブトムシ観察図鑑」(吉田/賢治、誠文堂新光社)
- 「身近な昆虫のふしぎ」(海野和男、サイエンス・アイ新書)
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