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森の学校2021 森に遊び、森に学ぶ「森と木の生活塾」

 2021年7月31日(土)、森に遊び、森に学ぶ「森と木の生活塾」が、秋田県森林学習交流館プラザクリプトンを会場に開催された。一般参加者、森の案内人等68名が参加。真竹のそうめん器づくり、森の恵み実演、森のクラフト、木工体験、森の散策&昆虫観察、ネイチャーゲーム、森の紙芝居、アウトドア用品展示、林業機械展示デモなど多彩な催しが行われた。また参加した子どもたちには、春から飼育していたカブトムシの成虫がプレゼントされた。
  • 共催/秋田県森の案内人協議会、森林インストラクター会、秋田県森林学習交流館プラザクリプトン
  • 協賛/(一社)秋田県森と水の協会、(公社)秋田県緑化推進委員会
  • 新型コロナウイルス感染症対策・・・ヒューマンスケール確保・マスク着用、手指消毒、体温・健康・個別情報を把握した後、受付、入場。 
  • 真竹のそうめん器づくり・・・真竹を使って、そうめんを入れる器とコップをつくる。 
  • 真竹はノコギリで両サイドの節を残して切る・・・真竹は、モウソウチクに比べて肉厚が薄く、加工しやすい。親や指導者に両端を抑えてもらいながら、ノコギリで焦らずゆっくり・・・押す時ではなく、引く時に切る
  • 切った竹は、指導者に竹を割る専用のナタを使って、真っ二つに割ってもらう。真竹は切ったところが鋭いので、紙やすりなどで丸くすれば完成。 
  • 真竹そうめんセットの使い方
    1. 節の黒い汚れの部分を水とかたいブラシなどできれいに落とす。
    2. そうめんを食べる前は、必ず除菌洗剤で洗った後、洗剤をよく洗い流す。
    3. 水やツユが漏れるので、下におしぼりなどを敷く。長い時間、入れたままにしないこと。
    4. そうめん入れは、回転するのでおしぼりの両端を丸めて固定する。
    5. 使い終わったら、水やお湯でブラシ等を使って洗うこと。洗剤に漬け込むと、染みこむので✖。
    6. 竹コップの中に漏れないコップを入れてお花などを飾ることができる。
    7. 今年の夏しか使えない。割れたり、カビが生えたりするので、外で植木鉢などに利用してください。
  • カブトムシの飼育・・・2021年4月、3令幼虫を衣装ケース2箱を加工し、屋外の木陰で飼育開始。飼育管理は、森林インストラクター小沼会長を中心に行われた。 
  • 猛暑が続く7月20日頃から次々羽化した。 
  • 参加した子どもたちには、森林インストラクター会からカブトムシの成虫がプレゼントされた。カブトムシの観察を通して、多様な生き物を育む森に関心を持つことを期待したい。 
  • 森の恵み実演・・・ミズの皮むき、ミズたたきづくりが行われた。
  • ミズたたきには、根元部分を使うが、太くて赤いものを選んで使う。  
  • 秋田の郷土料理「ミズたたき」・・・アカミズの葉をとってざっと熱湯を通し、ビニール袋に入れて、その上からすりこぎでたたいてつぶす。さらにまな板の上で粘りが出るまで包丁でたたく。これに味噌を入れて混ぜながら軽くたたいて、最後に山椒の葉を細かく刻んで入れる。好みに応じて生姜やニンニクを入れてもOK。 
  • 森のクラフト・木工体験(屋外)・・・竹トンボ、マイペンダントの作成、椅子などの木工体験 
  • 木工体験
  • 竹トンボづくり 
  • 竹とんぼを作り、芝生広場で竹トンボを飛ばして遊ぶ子どもたち。 
  • 森のクラフト2(クリプトン視聴覚室) ・・・猛暑の中、涼しい室内でのクラフト体験は大人気。
  • 木の実やドライフラワー、色づいた葉っぱ、木の枝、竹、貝など、自然の豊富な素材を使って森のクラフトづくりを楽しんだ。
  • ネイチャーゲーム「カモフラージュ」・・・生きものたちは、敵から身を守るために、まわりに同化する色(保護色)になったり、色や形を周囲の他のものに似せたりして、カモフラージュしている。それを見つけることのできる観察力を養うゲーム。  
  • ロープを張り、その内側に自然の中では絶対にない人工物を目立たないようにセットしてある。参加者は、お互いに話をせずに人工物を探し、その数を数え、終点にいる指導者にこっそり耳打ちをする。間違うと、もう一度、スタート地点に戻って再挑戦する。 
  • 昆虫の擬態・・・ナナフシは、木や竹の小枝にそっくり。歩く時は、風に揺れる小枝のように、揺れながら歩く。コノハチョウは、枯れ葉など、捕食者にとって食べる価値のない物体になりきってしまう。ハネに描かれた葉の主脈は、陰影を似せた模様で立体感が再現されている。これは最早トリックアートの領域である。このように、周囲の物や他の生物に自ら色や形などを似せる戦略のことを「擬態」という。
  • アゲハに見る「だましのテクニック」・・・アゲハの4齢幼虫は、鳥の糞に似せる(上の写真)。5齢幼虫は、柑橘類の葉っぱに似せるといったカモフラージュ型擬態をする。
  • コロナ禍で注目を集めるアウトドア用品展示・・・比較的安価なワンポール型のテント、暑い日差しを遮る屋根型のタープの中では、本格的なドリップコーヒーが味わえる。 
  • 焚火三脚スタンド・・三脚の頂点から・吊り下げるチェーンは、長さを簡単に調節できる。炭火や焚火で調理ができる便利なアイテム。ダッチオーブンは、煮る、焼く、蒸すなど何でもできる万能鍋。
  • コンパクトで簡易なバーベキューコンロ 
  • 野外で本格的なドリップコーヒーを味わうには、様々な道具が必要だが、その分、森の緑を眺めながら、至福のコーヒーを味わうことができる。
  • ワンポールテント・・・大人数を収容できる大型テントの割に安価で、快適に過ごすことができる。上部には通気口があるので通気性が高い。外の景色を眺める窓もついている。 
  • 林業機械展示デモ
  • アルプホルン展示(奥山勝栄さん作)・・・コロナ対策として体験なしの展示のみ
  • 第1話:紙芝居「森はみんなのたからもの」・・・小学生の主人公が森の妖精エココと出会い、森林整備から木材利用の大切さ、山と海の関係などを楽しく学ぶことができるストーリー。 
  • 第2話:うちわシアター「わらしべ長者」
  • 森の散策
会場周辺で観察された昆虫
  • トンボ界の人気者・オニヤンマ・・・秋田で一番大きなトンボはオニヤンマで、飛び方も格好良く子どもたちに人気が高い。クリプトンの森周辺には、多くの個体が低空飛行している。ヤンマ科の仲間に似ているが、左右の複眼が1点だけで接する点で区別できる。オスのオニヤンマは、同じコースを往復して飛ぶ習性がある。その通り道で待ち伏せ、網で捕獲する。 
  • オオシオカラトンボ・・・学習交流の森の水たまりで、産卵行動をするオスとメス。雌雄で色が異なり、左下の黄色と黒の個体がメス、右上の青白く腹部の先が黒いのがオスである。初夏~夏にかけて、水田や湿地、樹木に覆われた薄暗い水たまりなどで見られる。
  • カマキリ、オオヒカゲ
  • キリギリス、エンマコオロギの幼虫
  • アブラゼミ、ヒグラシ 
  • 今回は、あまりの暑さゆえ、じっくり昆虫を観察できなかったのが残念。   
  • 子どもたちにとって夏休みと言えば「昆虫」・・・クリプトン「学習交流の森」には、チョウや蛾、トンボ、カブトムシ、クワガタ、カミキリムシ、カマキリ、バッタ、キリギリス、コオロギ、セミ、アリ、ハチ、アブ、カメムシ、シデムシ、オサムシ、オトシブミ・ゾウムシ、テントウムシ、アワフキムシなど様々な昆虫たちが生息している。この森には、謎や発見がいっぱいあるので、捕虫網と虫かごを持って、ぜひ遊びに来てください。