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県民参加の森づくり事業を活用

森のクラフト出前教室&ふれあいの森で遊ぶin梅内

  •  2023年10月28日(土)、森林資源を生かした梅内聚落の活性化を実践する「二ツ井宝の森林プロジェクト」の一環で、「森のクラフト出前教室&ふれあいの森で遊ぶ」体験活動が能代市二ツ井町梅内地区で行われた。森には、かわいい花や木の実、色づいた葉っぱ、味のある木の枝など、クラフトに使えそうな素材にあふれている。子どもたちは、森の豊富な素材を手に取ると、眠っていた感性と創造力が一気に目覚め、素晴らしい作品を創り上げて大喜び。長年植樹を続けてきた馬子岱公園(ふれあいの森)では、真っ赤に色づいたモミジ山の紅葉を鑑賞しながら、ツリーぶらんこやターザンロープ遊びなどを楽しんだ。林道米代線沿いのクリ園には、野生のクマがクリを食べたクマ棚がたくさんできていたのには驚かされた。
  • 主催 二ツ井宝の森林(やま)プロジェクト
  • 協力 秋田県森林学習交流館・プラザクリプトン
  • 秋田杉の3兄弟・・・船山富雄事務局からプロジェクトで製作・道の駅ふたついで販売している「秋田杉3兄弟」について説明があった。帽子などいろんな物をかけられる「掛け杉くん」、マッチ一本でキャンプファイヤーを楽しめる「燃え杉くん」、秋田杉のプランター「生え杉くん」。 
  • 森のクラフト出前教室講師・・・秋田県森林学習交流館・進藤武インストラクター 
  • 森の素材を選ぶ・・・選んだ素材を皿にとりながら、眠っていた創造力をかきたてる参加者 
  • 森のクラフト作業風景 
  • 作品発表会 ・・・完成した作品を全員に披露しながら作品名を発表。個性あふれる作品に大きな拍手が送られた。
参加者の作品
  • 自慢の作品を手に記念撮影
  • 馬子岱公園(ふれあいの森)で遊ぶ・・・聚落の中心部から5キロほど山間に入った小高い丘にある馬子岱(ばっこだい)公園まで車で移動。つい先日(10月18日)、モミジの植樹体験が行われたふれあいの森に元気をもらいながら遊んだ。(写真:バランス感覚を養う丸太歩き) 
  • 植樹の成果「モミジの紅葉」・・・ヤマモミジ、イロハモミジ、ハウチワカエデ、イタヤカエデの苗木を植樹。大きく成長すれば、モミジの名勝地になるであろう。 
  • ヤマモミジの紅葉・・・陽の当たり具合によって、同じ木でも赤から黄色など様々な色に染まる。特に紅葉の初期は、その微妙な変化が美しい。 
  • ツリーぶらんこ・・・公園内の大きな木を利用したツリーぶらんこは、小高い丘の頂上から青空めがけて飛び出すスリルが満点。 
  • ターザンロープは、ふれあいの森で一番人気の遊び。
  • アカマツ林に生えるハツタケ・・・通常、8月後半~9月前半にかけて松林の林内地上に生える。秋になって最初に出るキノコという意味で「初茸(ハツタケ)」と呼ばれている。ところが今年は猛暑が続いたことから、紅葉の季節にハツタケが出てくるほどキノコの発生が大幅に遅れている。丸山形から平らに開き、最後は漏斗型になる。傘の周縁部やヒダなどに、青緑色のシミができやすい。 
  • リスのエビフライ・・・アカマツの球果には、40~50個の種が入っている。この種を取り出すためにリスが鱗片をかじって剥がした残骸が「エビフライ」にそっくり。森のクラフト素材にも利用されている。
  • なぜリスだと分かるのか・・・果軸を刈り上げたように綺麗にかじっていればネズミだが、長いヒゲ状の残骸が残っているのでニホンリスだと分かる。
  • 林床にはシュンランの株がたくさんあった。春に咲くことから「春蘭」と書き、里山に春を告げる代表的な野生ラン。 
  • よく手入れされた森林は宝の山・・・肉厚で美味しそうな原木シイタケ。古くから「不老長寿の妙薬」に加えて、つけ焼、バター炒め、煮物、天ぷら、鍋物、味噌汁など、どんな料理にも合う。
  • 菌床マイタケ・・・秋田名物きりたんぽやだまこもち鍋に欠かせないマイタケ。
  • 原木ナメコ・・・秋田の郷土料理では、納豆汁、いものこ汁、稲庭うどん・梅内名物「田の源そば」の具として欠かせない。
  • GBビジネス(梅内山菜倶楽部)・・・宝の森林プロジェクトの男性陣は山を手入れし、その副産物で生えたタラノ芽やコシアブラ、ワラビなどの山菜を女性陣が販売するビジネスを実践。「GB(じっちゃんばっちゃん)ビジネス」の一環で、道の駅や首都圏のスーパーへ出荷しているという。
  • 林道米代線沿いのクリ園にできた「クマ棚」・・・クマは、実のなった枝を手繰り寄せて折り、食べ終わった枝を自分の尻に敷く。次第に鳥巣状のベットになる。これをクマ棚と呼び、その上で眠ることもある。今年は、クリの木を見上げればクマ棚、林床を見れば噛み切って落とした枝が大量に散乱している。クマが里近くのクリの木に集中してやってきていることが分かる。
  • クリ園にクマが7匹!・・・米代線沿いにあるので、地元の人たちはクリ園にやってきたクマを何度も目撃。最大7匹もやってきてクリを食べていたという。車の中から野生のクマの動画を撮るには最高の撮影スポットであろう。
  • クリを食べた残骸・・・クマは、口で噛み砕き、皮だけツルリと吐き出す。よく見ると、クマの歯形もついているので、犯人はクマだと分かる。クマ棚やクリの木の下に枝が散乱していたり、クリを食べた残骸があったら、その木の近くには絶対近寄らないよう注意!。クリが終わると、未収穫の柿の木に来るので注意!
  • 参考:クマによる人身事故多発の要因
     2023年10月29日現在、クマによる人身被害は、2017年過去最大20人の約3倍、59人!
    1. 中山間地域を中心に、里山の荒廃、耕作放棄地、廃屋が増えるにつれて、クマが里へと生息域を拡大。里近くに住み、生活圏内にいきなり出没する里グマが増えていること。
    2. 狩猟者の減少・高齢化が深刻で、それに伴い、クマの生息数が私たちの想像を超えるほど増えているのではないか。
    3. 昨年、ブナの実が豊作で、今年の1~2月にベビーラッシュが続き、危険な親子グマが非常に増えたこと。
    4. さらに今年の異常気象が重なり、ブナの実やドングリ、サルナシなどの木の実も大凶作で、山にクマの食べ物がほとんどない。だから冬眠に備えて、里グマに加えて奥山のクマも、リスクを覚悟でエサのある里へと向かっているのではないか。
参 考 文 献