森の学校 みんなでつくる柚子胡椒
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「森の学校2024 みんなでつくる柚子胡椒(ゆずこしょう)」が秋田県森林学習交流館・プラザクリプトンで開催された。参加者は10名。悪天候のため、森の散策は中止。柚子胡椒は、柚子の皮や果汁、唐辛子、塩でつくるシンプルな調味料。作ってから冷蔵庫で1~2週間ほど寝かせて熟成させると完成。柚子の爽やかな香りと唐辛子の辛みは、鶏肉・牛肉・豚肉・魚などのソテーやサラダの隠し味、鍋料理の薬味などによく使われている。柚子に含まれるビタミンCは、日本の柑橘類の中でナンバー1と言われ、風邪予防や疲労回復、美肌効果に期待して、柚子胡椒づくりを楽しんだ。なお参考として「知っているようで知らない柚子」について後述する。
- 主催/秋田県森林学習館・プラザクリプトン
- 協賛 (一社)秋田県森と水の協会
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- 講師 (公社)秋田県緑化推進委員会専務理事兼事務局長 戸部 信彦氏
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- 材料・・・柚子の皮100g、果汁50cc、塩50g、唐辛子50g
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- 疑問・・・「胡椒」は使っていないのに、何故「柚子胡椒」と呼ぶのか?
江戸時代、長崎で外国との貿易を管理していた幕府の役人の記録には、「トウガラシは 唐を枯す」という悪いイメージがあるので、唐との貿易を大切にする意味で、「胡椒」と書かれていた。つまり、九州では昔から唐辛子のことを「胡椒」と呼んでいたことから、「柚子胡椒」という名前になったと言われている。
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- 唐辛子のヘタをとり、縦に切って種をとり、みじんに切る。
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- フードプロセッサーで柚子と唐辛子、果汁、塩を入れて混ぜる。
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- 消毒済みのビンや密閉容器などに移し、冷蔵庫で保存する。冷蔵庫で1~2週間、熟成させてから料理に使う。
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- 柚子胡椒の利用・・・お刺身や焼き鳥、おでん、湯豆腐、肉類を油で炒めて焼いた各種ソテー、うどん、そば、パスタなど、幅広い料理の薬味、隠し味として利用する。
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- 残った材料は捨てることなく、全て「美肌効果」用として参加者に分配された。
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参考:知っているようで知らない柚子(ミカン科) |
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- 中国原産の果樹として西日本を中心に栽培され、その歴史は平安時代までさかのぼる。かんきつ類の中では寒さに強く、今では東北南部以南の各地に植えられている。山口県、高知県、熊本県では野生化している。高さ4~6mになり、枝に鋭いトゲがある。果実はデコボコが多く、皮も厚い。酸味が強く、種も多いが、香りが良い。夏には青ユズ、秋から冬は熟した黄ユズが出回る。日本人に好まれる酸味と香りが特徴で、香辛料、薬味、調味料に使われる。冬場はユズの果実を風呂に入れて柚子湯にしたりする。
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- 花・・・5~6月、枝先に白い花を開く。花弁は5個。
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- ヒョウタン形の葉・・・葉柄には幅広い翼がありヒョウタン形になる。これは元々複葉起源で小葉が1枚になった「単身複葉」だからと考えられている。葉柄の基部から鋭いトゲが伸びる。
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- 栄養・・・ビタミンCは日本の柑橘類の中でナンバー1.その他カリウムやクエン酸も豊富で、風邪予防や疲労回復、美肌に効果があるとされている。
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- 青柚子・・・果実が熟す前の8~9月頃に収穫したもの。一般的に柚子胡椒は、青柚子を使用する。
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- 料理利用・・・柚子胡椒や柚子茶、柚子味噌、ゆず塩、ゆずジャムなどの調味料のほか、柚子果汁、果汁・果皮をヨーグルトやケーキに入れるなど。
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- 柚子湯・・・12月の冬至になると、柚子湯に入る習慣がある。その効能は、「邪気を祓い、融通良く生きられる」「柚子湯に入ると風邪をひかない」と言われている。
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- 収穫の最盛期・・・11~12月。熟す前の青玉は8~9月。
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- 柚子の生産量ベスト3・・・1位高知県、2位徳島県、3位愛媛県。四国だけで、国内生産量の8割を占める。ちなみに柚子の北限は、岩手県陸前高田市である。
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- 古くから俳句の季語に・・柚子の果実は秋の季語、花は夏の季語、柚子湯は冬の季語となっている。
薬師寺の塔かくれなし柚の上 黒田桜の園
白雲や柚子山が黄に染まる頃 山田弘子
眉寄せてかぼす絞るもうつくしく 三島広志
柚子湯の煙あがるや家の内 前田普羅
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
- 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
- 「俳句歳時記」(角川ソフィア文庫)
- 配布資料「柚子胡椒の作り方」
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