クリプトンの森便りその5
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オニグルミの実も大分大きくなってきた。完熟すれば、あのツキノワグマもさすがに歯が立たなくなる。だから、ツキノワグマは、まだ熟していないオニグルミの実を狙って沢沿いの森を探し歩く頃だ。ニホンリスは、完熟して堅くなった殻も割ることができるので、この実を狙うのは10月以降だと思っていた。ところが、8月下旬、ニホンリスは、ツキノワグマに食われる前に貯食を始めていた。これには心底驚かされた。 |
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- ヤマモミジに隠れたメジロ・・・メジロは、クリプトンの森周辺に居着いているようで、よく見掛ける。けれども、小さい鳥だけに葉陰に隠れると全く見えなくなる。花の蜜を吸っている時期以外は、撮るのが極めて難しい鳥だ。
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- イカル・・・黄色で太いクチバシが印象的な小鳥。その大きなクチバシで、ナナカマドなどの果肉をむき、中の種子を割って食べる。
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- キジの幼鳥・・・私が足元のヤブにいるのに気付かず近づくと、一斉に飛び立った。親から離れた幼鳥をズームアップで撮る。目の周りが赤いのでオスの幼鳥であろう。
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- エゴノキの実にやってきたヤマガラ・・・ ヤマガラはエゴノキの実が大好き。秋になると、主にエゴノキの実をぶら下がりながら採り、幹の割れ目や朽木に埋め込んで貯える習性がある。厳冬期にエサとして利用されるほか、翌年の繁殖期にヒナに与えるエサとして使われる
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- アブラゼミ・・・成虫は真夏に現れ、ジージージーとうるさいほど鳴く。樹木見本園では最も多くみられ、ヒヨドリたちによく捕食されている。
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- ニュウナイスズメ・・・スズメかと思ったら、頬に黒い斑がなかった。繁殖期が終わったらしく、 群れで田んぼに現れ、イネの実をついばんでいた。
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- ノスリ・・・ネズミを狙って、杭の上で待ち伏せしていたが、私に気付いて飛び立ってしまった。
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- アオゲラ・・・樹木見本園は、半枯れの木が意外に多い。だから、アカゲラ、コゲラ、アオゲラといったキツツキ類をよく見掛ける。上のアオゲラは、後頭の一部のみが赤いのでメス。
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- クロツグミの幼鳥オス・・・成鳥のクチバシは黄色だが、黒い。さらにサイズも小さかったので、今年生まれた幼鳥のオスであろう。
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- クロツグミの幼鳥メス・・・全体的に黒が淡く、脇腹が橙色を帯びているのでメスであろう。
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- モズの幼鳥・・・頭部まで灰色系が強いのでモズの幼鳥であろう。大きな昆虫を捕食していた。
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- 八重咲きのムクゲ・・・夏にハイビスカスに似た花を咲かせ、多くの園芸品種がある。よく生垣、庭木に利用されている。
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- 栃の実・・・昨年は大豊作だったが、今年も平年作程度の実がついている。アクは強いが、ブナの実のように豊凶の差が少なく、乾燥させると10年以上も保存できる。だから縄文時代から利用されているのであろう。
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- ネムノキの実・・・マメ科と分かる実をたくさんつける。豆果には10~20個の種子が入っている。
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- ハナゾノツクバネウツギ(アベリア)・・・花期が5~11月と長いので公園や庭木に利用されている。
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- ヨウシュヤマゴボウ・・・夏の終わりごろからブドウの房のような実をつけ、黒く熟す。実の頃には茎が赤くなる。
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- サンショウの実・・・薬味にする場合は、完熟する9月以降に収穫。佃煮にする場合は、未熟な7月頃までに収穫。5月、花が咲く頃は花山椒として食用にする。
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- キリの実・・・実は先が尖った卵形で、種子が数千個も入っているという。
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- ヤマボウシの実・・・上向きについた実は、次第に赤みを帯びてきた。それを狙ってヒヨドリたちが群がってやってくる。白神山地のサルは、この実を食べて種子を運んでくれる。赤い実と食べやすいように上向きに実がなるのは、サルをおびき寄せるヤマボウシの戦略らしい。
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- マユミの実・・・実が次第に赤くなり始めている。秋には真っ赤なサンゴ色になるので美しい。
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- ナラ枯れ・・・高温少雨の年は被害が多いと言われているが、ついに樹木見本園のミズナラがナラ枯れに見舞われてしまった。カシノナガキクイムシが病原菌を運び、それに犯されると、幹の根元部分が粉状に覆われ、真夏に葉が枯れて紅葉したようになる。
蔓延しないよう早速、伐倒処理を行った。
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- アオギリの実・・・袋状の実は、驚くほどたくさんつける。カフェインを含むので、第二次大戦中は種子を焙煎してコーヒーの代用に、大きな葉はタバコの代用にしたという。
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▲カシワの実 |
▲ツリバナの実 |
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▲センニンソウ |
▲キンミズヒキ |
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- オニグルミとニホンリス・・・オニグルミの実を二つくわえて、近くのサクラの木に飛び移る。慌ててシャッターを切ったら、ブレてしまった。
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- 刺激しないように定位置でじっとしていると、再び移動して立ち止まり、こちらの様子を伺う。
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- じっと観察していると、何度もやってきては秘密の場所に貯食しているようだ。まだ雪が降るまで3ヶ月以上もあるから、我々の想像を超える膨大な量のクルミを貯食するのであろう。貯食した場所を忘れたり、食べ切れずに残るのもうなづける。それが実生となって生長し、分布を広げる。森と動物との見事な連係プレーに拍手喝采!
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