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春が来た・・・クリプトンの森便り

 クリプトン「学習交流の森」では、春を告げるマルバマンサクの黄色の花や梅の白花、ツバキの真赤な八重咲きの花、枝一杯に黄色い花を吊り下げるトサミズキなどが次々と咲き始めた。樹木見本園の林床には、落葉から顔を出したキクザキイチゲの可憐な花が春の陽射しを浴びて咲き始め、ふれあい広場の湿地には、ミズバショウの清楚な花が群れをなして咲き始めた。その待ちに待った春の訪れを喜ぶかのように、野鳥たちのさえずりも賑やかになってきた。上の写真は、「ツツピー、ツツピー・・・ツピッツピツピ」とさえずるシジュウカラ。
  • マルバマンサク・・・学習交流の森で一番先に花が咲く樹木(野鳥の森)
  • 梅の花もやっと咲き始め、桜のツボミも次第に膨らみ始めている。桜が満開になると、他の樹木の花々も一斉に咲き始め、学習交流の森はパッと明るく華やかになる。(樹木見本園)
  • ホオジロ・・・一番高い木にとまってさえずり、縄張り宣言をする。
  • ヤブツバキはまだツボミだが、八重咲きのツバキは咲き始めた。
  • 大量に落下したアメリカフウ(モミジバフウ)の実 
  • アカゲラ・・・古木や枯れ木を渡り歩きながら幹を突き、昆虫を捕食する。
  • トサミズキ・・・葉が出るより先に枝一面に黄色い花を吊り下げると、殺風景な森が一気に華やかになる。
  • ヒヨドリ・・・ツバキや梅、桜の花が大好きで、花の受粉に貢献している。樹木の花と一緒に撮りたい野鳥は、ヒヨドリ、メジロ、スズメ、シジュウカラなど。先日、ツバキの花の蜜を吸うヒヨドリがいたのでラッキーと思ったのも束の間、不用意に近づき過ぎて逃げられてしまった。やはり野鳥撮影は難しい。けれども、難しいほど撮影のモチベーションが上がるから不思議である。
  • アブラチャン・・・葉が開く前に淡い黄色の花を咲かせる。花は花序に柄があるのが特徴。 
  • 花芽が膨らみ始めたハクモクレンにやってきたヤマガラ(下)とシジュウカラ(上)
  • 落葉から顔を出した紫色のキクザキイチゲ。森が新緑に包まれるとはかなく消えてしまう春告げ花の一つ。 
  • ふれあい広場で最も低い湿地に咲くミズバショウの群落。
  • ツグミ・・・地上を歩きながら落ちた実や昆虫を捕食する。 胸の黒い縦斑が鮮やかだが、黒が濃いもの、薄いもの、上の写真のように黒い帯が二列にみえるものなど個体差が大きい。
  • カワラヒワ・・・クチバシが太いのは、木の実や草の実が好きなためで、タンポポやヤグルマソウの種子、ヒマワリの実も好物である。
  • アトリ・・・斜面の草むらを突きながら草の実を食べる。集団で飛来し、木の枝に群がっていた。
  • ジョウビタキ・・・枝先から地上に舞い下りて昆虫を捕食する。
  • ハクセキレイ・・・尾を上下に振りながら歩き、昆虫を捕食する。
  • キジ・・・繁殖期に入ったのかオスは、「ケーン」とけたたましい声で鳴くので、発見しやすい。求愛のディスプレイも撮影したが、全てピンボケ。メスも見つけたが、相手が早く私を見つけて藪に逃げられてしまった。野鳥撮影初心者には、なかなか思うように撮らせてはくれない。けれども最近のデジカメは進歩が著しく、「数撃ちゃ当たる」方式で連写すれば、マグレで当たる場合も少なくないので感激も大きい。
  • 失敗作「キジの求愛のディスプレイ」・・・「ケーン」と鳴き、ディスプレイを始めたので、慌てて高速連写した。ところが・・・手前の折れたサシドリにピントが合ってしまい、肝心のキジはボケてしまった。小さい鳥は1点AF、大きい鳥は領域拡大AFなど、ピント合わせ一つにしても野鳥撮影独特の設定があるらしい。
  • コゲラ・・・枯れ木にとまった後姿。キツツキの中では最も目にする鳥だが、小さいうえに、動きが速いので撮るのが難しい。
  • アオゲラ・・・「クリプトンの森」で見られる野鳥のメモには、アオゲラがなかった。新調したブラインドの中に入ってテストをしている最中、「キョッ、キョッ」と鳴きながら飛ぶ大きな鳥が目の前をよぎった。左手の細長い独特の実が垂れ下がるキササゲの木にとまった。背中は緑色だが、信号と同じく、アオと呼ぶらしい。大形のキツツキで、かつ日本固有種だけに被写体として魅力的な野鳥だ。
宮沢賢治「若い木霊」・・・カタクリの葉に現れた模様の文字を「春だ・・・」と読み解く。

 所々やさしいカタクリの花が咲いていました。若い木霊には、その薄紫の立派な花はふらふら薄黒くひらめくだけではっきり見えませんでした。却ってそのつやつやした緑色の葉の上に次々せわしく現れては又消えて行く紫色のあやしい文字を読みました。

 「春だ、春だ、春の日がきた」
 字は一つずつ生きて息をついて、消えては現れ、現れては又消えました。
 「空でも、土でも、草の上でもいちめんいちめん、桃色の火が燃えている。」