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2016森の学校 ミニ門松づくり

 2016年12月24日(土)、「クリプトンの森の素材でつくるミニ門松づくり」が秋田県森林学習交流館・プラザクリプトンで開催された。参加者は、大人と子ども合わせて27名。門松は、新年に歳神様を迎える目印として玄関前や門に立てる。ミニ門松とはいえ、業務用の大きな缶を使い、松竹梅の三点セットと、ナンテン、ユズリハを使った本格的なものである。また、お母さんや祖父母と一緒に参加した子どもたちは、森のお正月用リースづくりを楽しんだ。
  • 内容/森の素材で作るミニ門松、お正月用リース
  • 主催/秋田県森林学習館・プラザクリプトン
  • 協賛/(一社)秋田県森と水の協会 協力/秋田県森の案内人協議会
  • ミニ門松づくりの講師は、門松づくりの名人・黒崎講師
  • 竹の先端部の形状・・・斜めに切った「そぎ」と、真横に切った「寸胴(ずんどう)」の2種類がある。「そぎ」は、徳川家康が始めたもの。徳川家康の生涯唯一の敗北として知られる「三方ヶ原の戦い」(1572年)の後、対戦相手の武田信玄に対して、次は斬るぞという念を込めたのが始まりという説がある。
  • 門松の切り口は、「笑顔の口の形」・・・竹の切り口を笑った口のように斜めに切るのは、「笑う門には福来る」を意味している。なお門松のメインは、一番目立つ竹ではなくマツ・・・その起源は平安時代。室町時代には竹が、江戸時代には梅が取り入れられ、「松竹梅」の三点セットが出来上がった。 
  • アカマツ・・・歳神様が天から降臨するのを「待つ」につながる霊樹とされている。 
  • ・・・早春に他の花より先駆けて気高い香りをともなって美しく花を咲かせることから、「気高さや長寿」の象徴とされてきた。
  • ユズリハ・・・春に古い葉と新しい葉が一度に入れ替わるので、親が成長した子に後を譲り、家が代々続くめでたい木とされ、古くから正月の飾りに使われている。
  • ナンテン・・・「難を転じて福となす」縁起物。また火災避け、悪魔除けの効果があるとされている。赤い実は、ヒヨドリ、オナガ、ツグミ、コジュケイ、ジョウビタキなど野鳥の好物。
  • 縄でミルク缶の外側をきっちり巻く。
  • 縄の結び目がある側が隠れるように裏側にして3本の竹を立て、缶に5cmほど砂を入れる。入れ過ぎに注意! 
  • アカマツは、運が右肩上がりになるように、右側が高く、左側が低くなるように挿し込む。
  • 次にユズリハ、赤い実のナンテンを挿し込む。
  • 最後に梅を刺し、ポップコーンを白い梅の花に見立てて飾りつけると完成である。
  • お正月用リースづくり作業風景
子どもたちの作品
  • 手づくりリースを飾って新年を迎えると・・・歳神様がエビス顔で寄り付いて、お年玉をたくさんもらえそうな気がする。お楽しみに! 
ミニ門松・・・参加者の作品
  • お正月と歳神様・・・昔は、新しい年が凶作になれば死活問題であっただけに、年の初めに神の来臨を仰ぎ、地域ぐるみで五穀豊穣を祈る祭りの場であった。今でも正月は、一年の始まりで、最も大切な節目である。元旦に、歳神様を迎えるための目印・依代として玄関や門に門松を立て、家の入口には聖と俗を分かつ注連縄を張る。床の間には、歳神様への供物として鏡餅を飾る。

     農村では、若水くみ、臼伏せ、雪中田植えなどの予祝の行事があり、小正月を迎えると人里を離れて天に帰る。それを送る小正月行事が冬祭りとして県内各地で行われている。
  • 歳神様とは・・・正月に家に迎え入れられる神様で、盆と同じく先祖の霊・祖霊来訪の神様と言われている。
  • 正月の俳句
    門松の 雪あたたかに 降りにけり 岩田涼菟
    正月の 子供に成て 見たき哉 小林一茶
    若水や 映るものみな 雪景色 吉武月二郎
  • 門松の設置時期・・・12月13日以降ならいつでも良いとされている。ただし、12月29日は「苦立て」、31日のギリギリに立てるのは「一夜飾り」といって嫌われるので注意。門松を飾ってから取り外すまでの期間を「松の内」と言い、その期間は、1月7日~15日までが一般的である。
  • 来年の特集記事・・・「野鳥シリーズ」終了後は、新たに「樹木シリーズ」を連載する予定です。来年は酉年(とりどし)・・・新年も、一番に鳴く鳥にあやかって、更に良い年になりますようにお祈り申し上げます。