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クリプトンの森便りその8

 クリプトンの森も、繁殖期を迎えた鳥たちのさえずりで賑やかになってきた。また求愛行動もあちこちで見られ、カラスは早くも巣づくりをはじめた。カモシカも、春の陽気に誘われて、樹木見本園を通って国際教養大学の構内に向かった。3月26日午後11時頃、国際教養大学の構内で、今年初のクマの目撃情報があった。それだけ自然が豊かな証左だが、野生動物と人間との棲み分けが大きな課題になってきた。
  • 北へ帰るハクチョウのV字編隊・・・V字編隊を作ると、前を飛ぶ鳥が生み出す気流が揚力になり、後ろにいる鳥はその分エネルギーを節約して飛ぶことができる。ただし、先頭は疲れるので、交代しながら飛ぶ。
  • 残雪の中、巣づくりを始めたハシボソガラス
  • アオゲラ・・・樹木見本園の樹高が高いアメリカフウやクヌギなどの梢に止まって、「ピョー、ピョー、ピョー」と、笛のような甲高い声で鳴き続ける。キツツキの中でも大きい鳥で、かつ大きな声で鳴くので見つけやすい。
  • カワラヒワ・・・梢に止まって 「キリキリコロコロ」、「チョンチョンチョン」「ビィー、ビィー」と盛んにさえずる。
  • シジュウカラ・・・「ツーツーピィー、ツーツーピィー」「ピィーツーピィ、ピィーツーピィー」と繰り返しさえずる。
  • ヤマガラ・・・「ツーツー、ピィー、ツツピー」と、繰り返してさえずる。
  • ホオジロ・・・胸や喉を膨らませて、「チョッピィーチチロ、ピピロピィー」などと懸命にさえずる。 
  • 枝に止まって鳴くムクドリ 
  • エナガ・・・「ツーチリリリー」「ジュリジュリ」、「チーチー」と細い声を出しながら鳴く。
  • アカゲラの求愛・・・左は後頭が赤いのでオス、右がメス。「ケッ、ケッ」「キョッ、キョッ」と鳴く。
  • オオアカゲラ・・・脇腹に黒い縦斑があるのが特徴。つがい相手の募集なのか、盛んにドラミングしていた。
  • ダイサギが小魚を捕らえた瞬間 
  • 小魚を飲み込んでクチバシを素早く閉じる動作で、周辺に水滴が飛び散る。 
  • エナガが雪の上で何かを突いたらクチバシに雪が付着した。 
  • エナガが虫を捕まえて飛び立つ瞬間。
  • 手前の白は雪、奥の木の根元は雪解けが早い。昨秋、ヤマガラがその木の根元に貯食した場所にやってきて、実を探し当てて口にくわえた。その記憶力たるや驚くほかない。身近な樹木見本園でも、こうした光景はいくらでも観察できる。
  • ホオジロの採餌・・・雪解けが早いツバキの林床を歩いて、落ちているイネ科植物などの小さな実を拾って食べていた。 
  • ツグミ(冬鳥)とシジュウカラ・・・緑がちらほら見えだした地上に降りて採餌する
  • シジュウカラのつがい・・・右がオス、左がメス 
  • クリプトンの屋根裏に巣をつくろうとしていたスズメのつがい 
  • 可愛いコゲラ・・・つがいでサクラの枝を飛び移りながら、樹皮の下から虫を探し出して食べていた。
  • シメのオス・・・頭部は赤みのある褐色。 
  • シメのメス・・・頭部の赤みはない。 
  • カシラダカ(冬鳥) 
  • アトリのメス(冬鳥) 
  • ニホンリスがオニグルミの実を食べた残骸・・・樹木見本園では、松類やツバキなどの常緑樹の林床が最も雪解けが早い。さらに常緑樹の林床は、冬でも葉が青々としているので外敵から身を隠すことができる。だから、ニホンリスやネズミ、ヤマガラなどは、それを知っているらしく、そうした場所に多く貯食する傾向があるように思う。
  • タヌキの溜め糞・・・タヌキは、糞を特定の場所に集中させる「溜め糞」の習性がある。これは個体間や家族集団間の縄張りを示す役割があると言われている。
  • 落下したカリンの実
  • マルバマンサク・・・雪国に春の訪れを告げる縁起の良い花 
  • ヤドリギと野鳥・・・冬枯れのミズナラやサクラ、ケヤキ、ブナなどに主に寄生する。裸の森の中で緑を保ち黄色い実をつけるので、レンジャク類やヒヨドリ、ムクドリなどの鳥には格好のエサになる。黄色い実は粘り気が強く、鳥にくっついたり、糞と一緒に排出された種子も粘り気があるので、樹上で分布を広げることができる。ヤドリギは、野鳥に実を食べてもらう戦略で分布を広げてきた植物である。
  • カモシカ・・・樹木見本園の中を堂々と歩いて 
  • 道路を横断・・・樹木見本園と国際教養大学の間の舗装道路に出る時は、さすがに警戒していた。まず、垣根から顔だけ出して、5分ほど左右を見渡し危険がないかどうか確認。その後、堂々と舗装道路を横断。
 学生寮の周辺を散策しながら図書館の方向に歩いて行った。これがクマだったら大変・・・残飯や生ごみは絶対捨てないよう注意願いたい。残飯や生ごみ、市民農園に放置された農作物などに餌付いたクマは、変質的にやってくるので極めて危険である。
  • 参考:クマの被害防止対策
    1. 残飯、生ごみは絶対に捨てないこと。これは「鉄則」である。
    2. 不要な農作物を畑等に放置しない。適切に処理すること(市民農園)。
    3. クマの活動時間帯は、一般的に朝4時~7時、夕方5時~9時。この時間帯を避けて行動すること。
    4. 一人ではなく、複数で行動すること。
    5. 音や匂いで自分の存在をアピール・・・クマ避け鈴や腰に下げるタイプの蚊取り線香を携帯すること。
    6. クマと出会ったら・・・慌てず、騒がす、背中を見せないように、クマと向き合ったまま静かに後ずさりして離れるのが基本中の基本である。クマはカモシカなどの死骸も食べるので、 死んだふりはダメ。また、背中を向けて逃げると、本能的に襲う習性がある。走る速さは、時速40km以上、100m換算で9秒と速く、走って勝てる相手ではない。だから背中を向けて逃げる行為は、「自殺行為」と言われている。
    7. 襲ってきたら・・・クマ撃退スプレーが有効と言われている。