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森の学校 2017あきた水と緑の森林祭

 2017年7月8日(土)、「2017あきた水と緑の森林祭」が、湯沢市小野「小町の郷公園」を主会場に開催された。記念式典に続き、森づくり活動や緑の募金活動、木のおもちゃコーナー、森のクラフト、木工体験、ヤマメのガラ掛け釣りなどが行われた。「森の学校2017」では、森のクラフト教室を開催。アトラクションでは、スコップ三味線のヒーロー「ジャミセリオン」やみどりの女神トークショウ、信仰の山・神室山の麓に伝わる役内番楽などが披露された。終日好天に恵まれ、多くの家族連れで賑わった。
  • 内容/記念式典、森づくり活動、木工体験・クラフト教室、緑の募金活動など
  • 主催/秋田県、湯沢市、公益社団法人秋田県緑化推進委員会
  • 協賛/JR東日本、一般社団法人秋田県造園協会、雄勝森林組合
  • 協力/秋田県森林学習交流館・プラザクリプトン、秋田県森の案内人協議会  
記念式典
  • オープニング「ミニ小町まつり」・・・小町まつりは、毎年6月の第二土曜日と日曜日の2日間、湯沢市小野の小町堂を会場に開催されている。湯沢市内から選ばれた7人の小町娘が、平安時代の衣装に身をつつみ、小野小町が詠んだ七首の和歌を奉納する。オープニングでは、小町娘2人による和歌の奉納が行われた。
  • 小野小町とは・・・六歌仙の一人で、絶世の美女・秋田美人の代表でもある。伝説によると、809年、雄勝郡司小野良実の子として生まれる。歌舞・管弦の道に優れ、若くして宮廷に入り、時の帝の寵愛を受けた。36歳の時、ふるさとを忘れがたく小野に帰って庵に住み、日々和歌を詠じて過ごした。小町を追って深草少将が小野の里に下り、百夜通いをしたとの伝説もある。有名な歌は、「花の色は 移りにけりな いたずらに 我が身世にふる ながめせしまに」。 
  • オープニングその2・・・小町太鼓
  • 開会宣言・・・(公社)秋田県緑化推進委員会理事長 佐藤重芳  
  • 主催者あいさつ・・・秋田県副知事 中島英史
  • 歓迎のあいさつ・・・湯沢市長 鈴木俊夫
  • 来賓祝辞・・・秋田県議会議長 鶴田有司
 秋田県の緑化運動は、昭和25年、第1回秋田県植樹祭をスタートに、今回で68回目を迎える。2008年4月1日から秋田県水と緑の森づくり税が施行され、その翌年から西暦と「あきた」が頭につく「2009あきた水と緑の森林祭」という名称に改められた。以来、現在までこのスタイルが踏襲されている。  
  • 表彰・・・平成29年度秋田県水と緑貢献賞受賞者・・・森人の会、羽後高等学校。平成29年度秋田県県産木材利用推進功労者・・・有限会社 中野木工。 
  • メッセージ朗読・・・湯沢市立雄勝小学校児童。「私たちは、美しい森や川、海を守り育て、未来に引き継いでいくため、これからも森づくり活動を続けていきます」と力強くメッセージを朗読した。左右に同席したゆるキャラは、左から順に、しず小町、こまちちゃん、森っち、んだッチ、スギッチ。
森づくり活動
  • 森づくり活動・・・式典終了後、森づくり活動の会場である東山森林公園にバスで移動する。植樹活動が始まった午前11時には、気温が30℃近くと暑くなった。今回の植樹場所は、公園に入って直ぐのなだらかな丘の斜面が中心だ。 
  • 植樹場所・・・植樹する場所は、かつて栗林だったところ(写真右)。この栗の木を伐採して植樹会場とした。実のなる頃、熊が頻繁に出没するので、地域住民から対策をお願いされていたとのこと。  
  • 植樹活動ということで、参加者が多い。バスは2往復する。第1陣の参加者は早速植樹現場へ向かう。 
  • 中島英史秋田県副知事と2017ミス日本みどりの女神野中葵さんが協働してミズキを植栽する。植栽後、記念撮影に気軽に応じてくれた。 
  • 鈴木俊夫湯沢市長と、公益社団法人秋田県緑化推進委員会佐藤重芳理事長がブナを植樹する。  
  • 参加者に雄勝広域森林組合の職員が植樹方法を伝える。真剣な表情で、植栽手順を見つめる参加者たち。  
  • 植樹会場一面に散らばり植樹を開始する。今年は、ミズキ・ブナ・ケヤキ・ヤマモミジの4樹種を400本準備した。植樹に参加した人々は総勢300人、一人1本を目安に植えた。 
  • 暑い中、唐鍬を振るって穴を掘り苗木をていねいに植える。1本植えるだけでも汗びっしょりだ。  
  • おじいちゃんの植樹を見守り、応援するお孫さん。一生懸命に穴を掘ろうと頑張る子ども。家族での参加はほほえましい。 
  • 植樹も終了し、雄勝広域森林組合の職員たちは苗木を支柱に結び付けたり施肥を行ったりと、植えられた木々が立派に生長するように総出で仕上げを行った。
     ここ、東山森林公園は、雄勝こまちインターチェンジから10分程度で行ける。本日植えられた木々たちは、植樹に参加した人々が再び訪れるのを心待ちにしながら生長していくことだろう。 
木工体験・クラフト教室、緑の募金活動など
  • 「森の学校」のブース・・・秋田県森林学習交流館プラザクリプトン、秋田県森の案内人協議会。
  • 森のクラフト教室・・・  森には、かわいい花や木の実、草の種、色づいた葉っぱ、あじのある木の枝など、クラフトに使えそうな素材にあふれている。そんな自然の素材を使った森のクラフト教室(森のブローチ、カブトムシ、クワガタ、森の妖精など)を開催した。
  • 森のブローチづくり 
  • 森のクラフト 
  • 森のブローチ、クラフト教室作業風景 
  • 家族みんなで作った「森のブローチ」を帽子や胸につけて喜ぶ姉妹 
  • 森のクラフト作業風景
  • 完成作品
  • 竹とんぼ 
  • イタドリを使った笛づくり
  • 手づくりの笛を吹く 
  • 緑の募金活動」(公益社団法人秋田県緑化推進委員会)・・・緑の募金をされた方々には、花苗・苗木がプレゼントされた。 
  • 「ミス日本みどりの女神」と子どもたちによる「緑の募金活動」
  • 「木のおもちゃコーナー」(秋田県森林整備課)
  • 木地山系こけし・・・材料は、イタヤカエデがほとんどとのこと。
  • 秋田県産広葉樹と神代杉の標本(製作:秋田県立大学 木材高度加工研究所)・・・現在、樹木シリーズを編集中だが、木材の特徴が良く分かる標本なので、このシリーズでもぜひ使いたいと思う。
  • 子どもたちに人気だった「チャレンジ 丸太わたり!」(woodyさんない)
  • 流木アート 
  • 木材の特徴が分かる展示 
  • サンショウの木で作った「山椒すりこぎ」
  • 天然木の名刺入れ・・・左からケンポナシ、ダケカンバ、ハンノキ
  • 天然木のボールペン・・・左から秋田スギ、クリ、イタヤカエデ 
  • 林業機械展示 
  • スコップ戦士ジャミセリオン・・・秋田のヒーロー「超神ネイガー」のような派手なスタイル。それとは真逆の栓抜きをバチ代わりに使いスコップを叩く。そのちぐはぐさが何ともオモシロイ。音楽に合わせて、スコップを激しく叩き、飛んだり跳ねたり、回転したり・・・子どもから大人まで舞台に釘付けにした。司会者の解説によると、スコップ三味線の本場、青森県五所川原市で開催された「世界大会」で準優勝3連覇。「津軽すこっぷ三味線公認」だが、「湯沢市非公認」キャラクターを自称し、「ジャミセリオン」という名前は、三関セリをイメージしてつけたという。
  • スコップ三味線とは・・・1985年頃、青森県五所川原在住の舘岡屏風山が考案した演奏スタイル。音楽に合わせ、スコップと栓抜きを用いて津軽三味線の真似をして演奏する。あの津軽三味線の叩きつける音とスコップを叩く音がマッチして、本当に弾いている感覚を演奏者、聴衆ともに味わうことができる。楽器演奏の技術を必要としないが、本当に弾いているように見せるには熟練した技を要する。ちなみに第10回大会個人の部で「ジャミセリオン」は、「千本桜と二億四千万の瞳」の音楽に合わせて準優勝3連覇している。
  • みどりの女神トークショウ ・・・2017ミス日本みどりの女神・野中葵さんは、福島県生まれ、千葉県育ちで身長175cmの長身。かつて雑誌ニコラの専属モデルとして活躍。特技はバスケットボールとか。
  • 書道ガールズ(湯沢高校書道部) 
  • 役内番楽・・・信仰の山・神室山の麓、湯沢市秋ノ宮役内集落に伝わる番楽は、神室山を信仰する修験者によって約300年前から伝承されているもので、神室山信仰を今に伝える郷土芸能である。
  • 神室山、鏑山大神(奥宮様)・・・神室山の古名は、鏑山(カブラダケ)・・・だから山頂に祀られている神は、鏑山大神と呼ばれている。地元では「奥宮様」と呼んでいる。役内集落の会館に鎮座する神室神社は、昭和15年、この奥宮から招いて祀った神社である。ご神体の鏑山大神は、左手に稲穂、右手に桑の小枝を持っている。これは、農耕と養蚕の神であることを示している。    
  • 清流・雄物川の魚(雄勝漁協)・・・イワナ、ヤマメ、アユの水槽展示。森は美味しい魚を育てる。
  • 子どもたちに大人気だったヤマメ・ガラ掛け釣り(雄勝漁協)・・・準備したヤマメは100匹。全て釣られ完売したという。ヤマメ(山女魚)は、「渓流の女王」と呼ばれ、「渓流の王者・イワナ」と並んで渓流釣り愛好家に人気の高い魚である。思えば、実写版映画「釣りキチ三平」の鮎釣り大会は、神室山、虎毛山に源を発する湯沢市秋の宮の清流・役内川で行われた。こうした清流の魚釣りを通して、森と川に興味をもってくれれば嬉しい。