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森の学校 ミニ門松づくり

 2017年12月23日(土)、「クリプトンの森の素材でつくるミニ門松づくり」が秋田県森林学習交流館・プラザクリプトンで開催された。参加者は、大人と子ども合わせて25名。門松は、新年に歳神様を迎える目印として玄関前や門に立てる。ミニ門松とはいえ、業務用の大きな缶を使い、松竹梅の三点セットと、ナンテン、ユズリハを使った本格的なものである。また、お母さんやお父さんと一緒に参加した子どもたちは、森のお正月用リースづくりを楽しんだ。
  • 内容/森の素材で作るミニ門松、お正月用リース
  • 主催/秋田県森林学習交流館・プラザクリプトン
  • 協力/秋田県森の案内人協議会
  • 歳神様は祖霊来訪の神・・・人が亡くなると、その霊魂は村に近い山に上り、やがて「祖霊」となり、「山の神」になると考えられてきた。「山の神」は、春になると田に降りてきて「田の神」になり、秋の収穫が終わると山へ帰って「山の神」になるという循環を繰り返す。また正月には、再び「歳神様」として戻ってくる。これらの神様は、全てふるさとの山からやってくる共通点をもち、いずれも祖霊的神格を有すると言われている。
  • 例えば、男鹿の「なまはげ」は、大晦日の晩、真山、本山のお山からやってくる祖霊来訪の神様と言われている。門松は、その祖霊来訪の神様・歳神様を迎えるための目印・依代として玄関前や門に立てるのである。古くは、神が宿る木として松を一本立てたのが始まりとされる。やがて長寿を招く縁起物として、真っ直ぐに節を伸ばす竹が添えられるようになった。
  • ミニ門松づくりの講師は、門松づくりの名人・黒崎講師 
  • 門松の切り口は、「笑顔の口の形」・・・竹の切り口を笑った口のように斜めに切るのは、「笑う門には福来る」を意味している。なお門松のメインは、一番目立つ竹ではなくマツ・・・その起源は平安時代。室町時代には竹が、江戸時代には梅が取り入れられ、「松竹梅」の三点セットが出来上がった。
  • 竹の切り口は二種類・・・斜めに切った「そぎ」(左上写真)と真横に切った「寸胴」(右上写真)がある。元々は「寸胴」であったが、「そぎ」は、徳川家康が始めたもの。徳川家康の生涯唯一の敗北として知られる「三方ヶ原の戦い」(1572年)の後、対戦相手の武田信玄に対して、次は斬るぞという念を込めたのが始まりという説がある。  
  • アカマツ・・・歳神様が天から降臨するのを「待つ」につながる霊樹とされている。  
  • ・・・早春に他の花より先駆けて気高い香りをともなって美しく花を咲かせることから、「気高さや長寿」の象徴とされてきた。 
  • ユズリハ・・・春に古い葉と新しい葉が一度に入れ替わるので、親が成長した子に後を譲り、家が代々続くめでたい木とされ、古くから正月の飾りに使われている。
  • ナンテン・・・「難を転じて福となす」縁起物。また火災避け、悪魔除けの効果があるとされている。赤い実は、ヒヨドリ、オナガ、ツグミ、コジュケイ、ジョウビタキなど野鳥の好物。
  • 縄でミルク缶の外側をきっちり巻く。  
  • 縄の結び目がある側が隠れるように裏側にして3本の竹を立て、缶に5cmほど砂を入れる。入れ過ぎに注意!   
  • アカマツは、運が右肩上がりになるように、右側が高く、左側が低くなるように挿し込む。 
  • 次にユズリハ、赤い実のナンテンを挿し込む。
  • 最後に梅を刺し、ポップコーンを白い梅の花に見立てて飾りつけると完成である。  
  • お正月用リースづくり作業風景
子どもたちの作品
  • 手づくりリースを飾って新年を迎えると・・・歳神様がエビス顔で寄り付いて、お年玉をたくさんもらえる確率が大幅にアップしそうな気がする。お楽しみに!  
 ミニ門松・・・参加者の作品
  • 門松の設置時期・・・12月13日以降ならいつでも良いとされている。ただし、クリスマスは避ける場合が多く、12月29日は「苦立て」、31日のギリギリに立てるのは「一夜飾り」といって嫌われるので注意!。門松を飾ってから取り外すまでの期間を「松の内」と言い、その期間は、1月7日~15日までが一般的である。
  • 2018年は戌年・・・2018年の干支は「戌(いぬ)」。戌年と言えば、「秋田犬のふるさと」大館市では、年賀状やSNS等で新年のあいさつとして使用できる秋田犬の画像を公開しています。 玄関前に手づくりのミニ門松をたてて、良い年をお迎えください。