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2014雪国に春を告げる草花Part2

 春の陽気に誘われて、男鹿市門前の五社堂へ・・・九九九の石段から五社堂にかけて、カタクリとキクザキイチゲは満開に。日当たりの良い斜面では、ニリンソウの花もちらほらと見え、サクラのツボミも一斉に膨らみ始めた。ほどなく海岸沿いの里山は、色とりどりの花が咲きほころび、春爛漫と化すであろう。(撮影:2014年4月9日)
▲ヤブツバキ・・・花弁は厚く、あまり開かないのが特徴
天然記念物(国指定)ツバキ自生北限地帯

 男鹿半島のヤブツバキは、青森県夏泊半島とともに北限地帯の群落として植生の価値は高いという。男鹿は、由利の沿岸地域に次いで気温が高く、暖地性の植物であるツバキの自生を可能にしたと言われている。特に能登山と呼ばれる小丘は、全山ヤブツバキに覆われている。
▲キバナノアマナ

 全体の草姿はアマナに似ており、黄色い花を咲かせることから「キバナノアマナ」とついた。アマナは、茎の先に一つしか花をつけないが、この花は、茎の上方で花柄を何本か出し、その先に花をつける。
▲早くもニリンソウが咲き始めた

 男鹿の草花の開花がいかに早いか・・・このニリンソウの白花を見れば歴然としている。暖地性のヤブツバキが北国の男鹿に自生している理由を教えられたような光景であった。
▲エゾエンゴサクの群落
▲エゾエンゴサク  ▲アズマイチゲ
▲九九九の石段
▲石段に咲いていたカタクリ ▲スミレサイシン
▲石段の両サイドを彩るカタクリ

 九九九の石段は、両サイドにカタクリやキクザキイチゲ、スミレなどの草花に彩られ、さらに上る石段にもカタクリが点々と咲き、これ以上ない花の散歩道になっていた。
▲ぽかぽか陽気に誘われて、シジュウカラが甲高い声で「ツィピーツィピーツィピー」とさえずっていた。
▲木の根元を取り囲むように咲き乱れるキクザキイチゲとカタクリ
▲紫色と白色のキクザキイチゲ
▲キクザキイチゲと五社堂
菅江真澄絵図「五社堂」(男鹿の嶋風)

 絵図の解説文・・・「本山の五社堂には、延々と登る石段がある。一夜で鬼が造ったという不思議な石段がある。また、姿見の井戸がある。生命の短い人がこの池を覗くと影が薄く見えるといわれる。御手洗の池には水草が生い茂っている。五社堂には、漢の武帝が神として祀られている。この社は安東高季が応安五年(1372)6月に修理したものである」
▲姿見の井戸 ▲御手洗の池
▲赤神神社五社堂・・・国の重要文化財(建物)で、中央が赤神権現堂
▲松の巨木(入口) ▲五社堂前のスギの巨木
▲ヒメオドリコソウ
▲スイセン  ▲タンポポ

 漁港周辺の公園、庭にもスイセンやタンポポの鮮やかな黄色の花が目立ち始めた。
▲ツボミが膨らみ始めたサクラ(男鹿市門前長楽寺山門前)

 春といえばサクラ、サクラといえば春・・・だからサクラの開花が待ち遠しい。旅人が撮りたい里山の風景とは・・・花が咲き乱れる「非日常の風景」、数百年前と変わらない「普遍的な風景」、人の手が加わった「暖かな風景」ではなかろうか。