樹木シリーズ128 ヒイラギナンテン
|
 |
- 葉っぱがヒイラギに似ているヒイラギナンテン(柊南天、メギ科)
中国原産で、日本には1600年代に渡来。魔除け、厄除けの縁起物で、庭木や公園樹としてよく植えられている。早春に穂状の黄色い花が咲き、甘い香りがする。花には、昆虫などに花粉を運んでもらうためのユニークな仕組みがある。ブドウの房のように黒紫色に熟す果実は、白い粉を吹く。
ヒイラギに似た葉、黄色い花、黒紫色の実、紅葉と一年を通して楽しませてくれる。
|
 |
 |
 |
- 名前の由来・・・葉がナンテンのように複葉で、ヒイラギのようなトゲがあることや、果実のつき方がナンテンに似ることに由来する。ただしヒイラギの仲間でもナンテンの仲間でもない。
|
 |
|
 |
- 葉・・・革質で厚みと光沢があり、縁はキザギサ、その先端は針状に鋭く尖る。奇数羽状複葉は、放射状につく。葉柄の基部はさや状になって茎を抱く。
|
 |
 |
- 常緑低木・・・高さ1~3mと低く、まばらに枝分かれし株立ち状になる。
|
 |
|
 |
- 常緑ゆえ、緑のまま冬を越す葉も多いが、黄色や赤に美しく紅葉することもある。
|
 |
- 花・・・茎の先に総状花序が垂れ下がってつき、黄色の小さな花を多数開く。花弁は6個で先は2裂する。雄しべは6個、雌しべは1個、ガク片は9個。
|
 |
 |
 |
- 花と昆虫・・・花に昆虫が入ると、雄しべが内側に動いて、昆虫の体に花粉をつける。花の中に棒状のものを入れると、雄しべが動くのが分かる。メジロも花蜜をなめに来ることもある。
|
 |
- 果実・・・ほぼ楕円形で、9~10月に黒紫色に熟し、白い粉をかぶる。
|
 |
 |
- 縁起物・・・魔除け、厄除けの縁起物として、クリスマスリースなどに使われている。
|
 |
参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)
- 「葉でわかる樹木」(馬場多久男、信濃毎日新聞社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
|