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県民参加の森づくり事業を活用

鹿角市で甘蕗の森里山整備チームが森林整備活動

秋田県森林ボランティア団体 甘蕗の森里山保全チーム
  •  令和7年10月12日(日)に鹿角市花輪甘蕗地内の市有林で、甘蕗の森里山保全整備チームが、除間伐状況の確認、広葉樹苗の養成、などの森林整備活動を行いました。同団体は年3回の活動をしていますが、前2回は日程が合わず、やっと今回は鹿角地域振興局の畠山さんから連絡してもらい取材出来ました。
  •  同会を平成18年に立ち上げた際に県の支援で結成したそうですが、その際の県で協力した松浦さん(鹿角森林整備チームリーダー)や小笠原さん(山本森林整備第一チーム)が今回も市民ボランティアとして活動に参加しました。さらには鹿角林業振興チームリーダーの木村さんも今回は参加で、県職員の皆さんが頑張っています。
  •  私は個人的には前日夕方にAKTの生出演があり、朝秋田市を6時半に出てきましたが日帰りの鹿角は老体には厳しいものがあります。天気予報も雨のためちょっと不安でした。
  •  同会の主力メンバーは、株式会社 秋田ダイドーの皆さんですが、地元の黒沢さんもいるため鹿角地域振興局が待ち合わせ場所になります。皆さん揃ったところで松本社長からあいさつがあります。
  •  私が着いた頃は皆さんお揃いでした。ダイドーさんは6時半に仁井田の会社を出てきたそうです。
  •  ダイドーの田口さんの司会で始めの会が始まり、松本社長のあいさつがありました。国土緑化推進機構の東北北海道ブロック会議が福島県で開催される際に、秋田県の緑化功労者で表彰されるということで、県緑推の戸部さんと参加されるそうです。これも長年の努力の結果ということでご報告がありました。おめでとうございます。
  •  下段は左が黒沢さんと小笠原さん、右が松浦リーダーと鹿角市役所の青山さんです。鹿角市有林の関係で参加されているそうです。
  •  辺りは新林業構造改善事業で整備した地域で、アスレチックや東屋もあったそうですが、現在は、クマ騒動などで訪れる人も無く静かな山林です。
  •  同会が鹿角市と協定を結び、市有地2.6haに広葉樹を植栽してその後の手入れも同会で行うという湯沢の森人の会のような活動形態です。
  •  振興局からそれぞれの車で、湧き水で有名な「御勢堂の水」の脇を通り抜け、山に向かうとほどなく甘蕗の森に着きます。
  •  最後の人家の道路沿いにあるクリの大木の下に沢山の実が落ちていましたが、案の定子グマがいました。車の音で逃げていきましたが、地元の黒沢さん話しでは「親熊がそばにいないということは、親は既に捕獲されたな」ということです、こういうクマは母クマが人の怖さを教えていないので人里に住み着くそうです。
  •  爆竹を鳴らして7月に除伐作業したところを見に行きます。
  •  やはり手入れした林分は見た目もキレイになっています。伐根にはサルノコシカケ系統のキノコが生えていました。
  •  当初は、ここでドングリを拾っていく予定でしたが、全く実が落ちて無いので場所を移動します。
  •  鹿角市役所の青山さんに連絡が入り、クマが捕獲されたそうで現場に向かうということで移動されました。青山さんは女性ながら狩猟免許を所持しているそうです。
  •  ここは、バイオ桐の試験地だったそうで(看板もかすかに残痕があります)、そういえば平成の初め頃に全県各地にバイオ桐を試験植栽したもののうまく育たず、私もかなり前にあちこちの試験地に行きましたが残念な結果になっていました。ここも数本はなんとか生き残っているものの、殆ど枯れていたり腐っていて用材にはなりそうもありません。次の作業では伐採するとか。
  •  甘蕗林道を移動して大山神社周辺の広葉樹を見に行きます。神社一帯は水源林造成事業の造林地で、国、土地所有者、森林組合の3者契約の森林です。いわゆる昔の公団造林です。
  •  神社にはコンコンとわき出る湧水があり、 美味しい水でした。林道を歩いてドングリを探しますが、いつもは沢山落ちているというのに、皆無でした。
  •  林道は3個所ほど崩れていました。夏の大雨では崩れていなかったそうですが地盤が弱くなっていたのでしょう。最近のゲリラ豪雨で山奥の林道はかなり痛んでいます。
  •  向いの斜面にあるクルミの大木にも実は付いていません、これでは山に食べ物が無いのでクマが人里に出てくるのは止むを得ない状況です。
  •  小笠原さんが子宝祈願の神社なので、中のご神体を拝みましょう、というので中に入ると確かにご神体がずらっと並んでいました。私は老人なので取りあえず頭は下げましたが・・・。
  • ウ~ム困ったなあ、ということで取りあえず20分ほど離れた鹿角市草木にある黒沢さんの苗畑に向かうことにします。
  •  黒沢農場のビニールハウスに入りっましたが、雨が強くなってきたのでちょうど良いタイミングでした。 コンテナにヤシガラを含んだ培地を詰め、黒沢さんが以前採種したトチを入れていきます。クリプトンにもトチはありますが、結構大粒の種子です。
  •  トチやクリは豊凶の波が少ないのとクマは積極的ではないもののトチを食べるそうです。
  •  ここで養成した苗木は、鹿角で行われる各種植樹祭で利用されます。ヤマザクラなどの苗木もありました。
  •  シイタケのホダ木にはまだキノコの気配もありませんでしたが、7月に埋めたというマイタケの原木にはキノコが出ていました、今年の猛暑で大きくはなれなかったそうです。
  •  黒沢さんの農場ではスギ苗のコンテナ栽培を行っており、大規模に展開されています。地元の雇用は確保が大変だそうで、福利厚生をしっかりするため会社組織にしてローテーションを組みながら労働時間を調整しているそうです。どこも人手不足で大変です。
  •  最後に松本社長から今年の納めと来年も頑張りましょうとのあいさつがあり、皆さんマイタケを持ってご機嫌で散会しました。