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第50回全国育樹祭記念行事  森の学校2026

鍛冶台いこいの森きのこ観察&椎茸・なめこ工場見学

 2026年10月11日(土)、森の学校2026「鍛冶台いこいの森きのこ観察&椎茸・なめこ工場見学」が、鍛冶台いこいの森(横手市雄物川町)と横手マッシュセンター(椎茸)、秋田ヘルシー食産(なめこ)を会場に開催された。一般参加者等36名が参加。標高約350mの鍛冶台いこいの森の散策道を歩きながら、食用キノコから毒キノコ、森を支える菌根菌、散策コース沿いの植物について学んだ後、「道の駅 うご 端縫いの郷」で昼食。午後から県内最大級の規模を誇る椎茸となめこの工場を訪問し、きのこがどうやって育つのか、培地づくりから生産まで、普段は見ることができない現場の裏側をじっくり学んだ。
  • 主催/秋田県森林学習交流館指定管理者
  • 協賛/(一社)秋田県森と水の協会
  • 協力/秋田きのこの会
  • キノコ観察会講師・・・秋田きのこの会会長 菅原冬樹さん、植物について 和田覚さん(東北植生研究会)、キノコ観察・菌根共生など村田さん、久保さん、田中さん 
  • いこいの森に生えるキノコを観察しながら散策 
  • ハナイグチ(食用)・・・カラマツと共生しているキノコで、夏から秋にカラマツ林の地上に生える。傘の裏側がヒダではなく、黄色い管孔状になるのが特徴。味もよく一度にたくさん生えることから、キノコ採りの対象として人気が高いキノコの一つ。
  • 採取したキノコを手に記念撮影 
  • 採取したキノコは、判定用に紙袋に入れて持ち帰る 
  • ナナカマドの真っ赤な実 / ドングリは豊作 
  • ツルアリドオシの実・・・2つの白い花がペアで咲くが、結実する際に子房同士がくっつき、外見上は1つの赤い実にる。
  • チゴユリの実・・・最初は緑色、熟すと艶のある黒色の液果になる。
  • ツルリンドウ・・・実は赤く熟し、花よりもよく目立つ。
  • ミヤマガマズミ・・・実は赤く熟し、霜が降りる頃になると、白い粉をふいて甘くなり、食べられる。食べごろに熟すと、甘味も増して味のバランスが良くなる。 
  • 食用になるヤマボウシの実・・・多汁の実が赤く熟すと、甘みがあって美味しい。ヨーロッパ、アメリカにも渡り、ジャパニーズ・ストロベリー・ツリーと呼ばれている。  
  • 村田さんの菌根菌講座
     マイタケやシイタケ、キクラゲなどの腐生菌は人工栽培しやすい。一方、マツタケやトリュフなどの外生菌根菌は、植物の根に菌根をつくって共生する菌類のことで、人工栽培が難しく、値段も高い。
  • 菌根菌とは
     植物の根に菌根を形成し、共生する菌類のこと。菌根菌は、宿主植物から光合成の約2割を受け取る代わりに、無機養分のほぼ100%を供給する。例えばブナ、ナラ、マツなどの樹木は菌根菌との結びつきが強く、いないと生育が大きく阻害される。つまり樹木は、菌根菌なしでは育たないという。 
  • 採集したキノコ・・・判定用に持ち帰ったキノコを並べる
  • 採集したキノコの判定・解説・・・ハツタケ、ハナイグチ、テングタケの仲間、クサウラベニタケ、スギヒラタケ、ツリガネタケの大型タイプ、シロハツタケ、ドクベニタケの仲間、スッポンタケ、ナガエノホコリタケなど 
  • スッポンタケ・・・鼻を近づけると悪臭がする。その悪臭は、ハエなどの昆虫を誘引し、胞子を運ばせるためだという。悪臭を放つが食用が可能で、中華料理にも使用される。和名の由来は、頭部の形状が、スッポンの頭に似ているから。
  • 小学2年生のキノコ博士・ナオ君の研究成果発表・・・今回は生き物の名前がついた、ツルタケ(鶴茸)とオオキツネタケの2種について発表。
  • 上右写真:ツルタケ(鶴茸)の名前の由来・・・傘の大きさに対して柄が細長く「鶴の立ち姿や首」を思わせる姿や、灰色がかった色彩がマナヅルやナベヅルの色に似ていることに由来する。
  • キノコ観察中に捕まえたモリアオガエル・・・大きいので♀であろう。目の虹彩の色は大人になると赤くなる。ほとんど樹の上で生活し、主に昆虫やクモを食べて暮らしている。 
  • 参考:モリアオガエルの産卵
     主に梅雨の頃(5月下旬~6月中旬頃がピーク)に、池や沼などの水辺の樹上で産卵する。♀が分泌する粘液を後ろ足でかき混ぜて泡状にし、その中に300~800個ほどの卵を産み付ける。泡に包むことで乾燥や天敵から卵を守る。約1週間で孵化し、中のオタマジャクシは泡から真下の水面へと落下して水中生活を始める。
  • 農事組合法人 横手マッシュセンター
     横手市雄物川町を拠点に菌床椎茸の生産から販売までを一貫して手掛ける農業法人を訪問。ナラ、ミズナラなどを使用した菌床ブロックの製造から培養、収穫、選別包装、出荷まで自社で管理しており、安定した高品質の椎茸を供給している。一般消費者向けの生椎茸のほか、営農栽培者向けの菌床ブロックも販売している。
  • 菌床ブロックの製造・・・ナラ、ミズナラなどを原料に所定の栄養体を入れ、ミキシングした培地と言われる混合体をブロック状に成形した菌床をつくり、次の殺菌工程に入る。 
  • 培養工程・・・殺菌された菌床は、種菌を接種し、培養室で約100日間培養される。ブロックの上部に白くなっているところは、種菌が発菌し、菌糸が菌床に食い込み始めた所である。 
  • 椎茸発生・収穫・・・完熟した菌床の袋を除くと、1週間弱で肉厚で美味しい椎茸に成長する。
  • 収穫は手作業・・・スタッフが発育状態を見定めながら、一つ一つ丁寧に手作業で行っている。 
  • 一般消費者向けの袋入り生椎茸・・・塩をちょっと振っただけの焼き椎茸がオススメとのこと。椎茸は古くから「不老長寿の妙薬」として珍重されるほど薬効が高く、料理もバター炒め、つけ焼き、煮物、天ぷら、鍋物、味噌汁など、どんな料理にも合うことから、消費者の需要も高い。
  • (株)秋田ヘルシー食産
     横手市大雄を拠点に、なめこ栽培や秋田の郷土料理「なめこ屋さんのきりたんぽ鍋」、おが粉事業などを行っている企業を訪問。なめこ栽培は、県内生産量トップを誇る。天然なめこに近い食感のなめこを菌床栽培している。また地元の間伐材を自社製造したおが粉を原料とし、容器も再利用する自然循環型のビジネスを展開している。
  • 間伐材からおが屑を精製・・・県内のブナやミズナラなどの落葉広葉樹を使用して、菌床の材料になるおか屑を自社工場で精製している。
  • 再利用できるビンに培地を詰め高温殺菌・・・椎茸とは異なり、ビンで栽培される。培地用のビンはプラスチック製だが、使い捨てではなく収穫後に洗浄して再利用している。培地をビンへ均等につめて高圧殺菌。中の菌床が20℃以下になった後、種を植え付ける。
  • 菌床づくり・・・普段は担当スタッフしか立ち入りができない無菌室で行われる。菌床は、温度と湿度が異なる培養室を移動しながら、ゆっくり成熟していく。
  • 天然に近い環境で育てる・・・天然なめこが育ちやすい自然環境に近い条件にコントロールされた栽培室で育てる。同じ室内でも定期的に菌床の場所を移動させることで、発育の優劣がつかないように均等な栽培環境を保ちながら、高品質のなめこを生産している。
  • 収穫は全て手作業・・・菌床づくりから約3か月後、収穫を迎えたなめこは品質のばらつきを防ぐためにも、全て手作業で行う。収穫したなめこは、鳥海山麓の伏流水で洗浄し、鮮度を保ちパック詰めされる。
  • 県内シェア率NO.1を誇る「秋田ヘルシー食産のなめこ」・・・秋田の郷土料理では、納豆汁、いものこ汁、稲庭うどんの具として欠かせないほか、おろし和え、三杯酢、ワサビ醤油、鍋物、佃煮、松前漬け、卵とじなど料理のバリエーションも広いことから、県内消費者の需要が高い。
  • 鍛冶台いこいの森・展望広場にて記念撮影