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焼石岳Part1  焼石岳Part2

  • 九合目に向かう登山道から焼石沼方向を望む
  • Part2のコース・・・八合目焼石沼(1245m)九合目焼石神社(1430m)焼石岳(1548m)泉水沼(1432m)姥石平分岐(1421m)銀明水避難小屋(水 1170m)つぶ沼コース分岐点(1040m)上沼(960m)中沼(920m)中沼登山口(720m)
     所要時間 焼石岳~中沼登山口まで下り約2時間半
▲フラワーロードをゆく ▲ミヤマキンバイ
  • 道沿いにミヤマキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ハクサンチドリ、ノウゴウイチゴ、ミヤマオダマキ、オクヤマガラシ、シラネアオイ、イワカガミ、オオカメノキの白花など・・・道の両サイドを彩るフラワーロードを撮影しながらのんびり登る。8月上旬頃は、トウゲブキ、ハクサンフウロなどの花が高密度に咲くという。
  • ミヤマキンポウゲ・・・ミヤマキンポウゲは漢字で「深山金鳳花」と書く。その名の由来は、深山に咲き,花の色が金色で,鳳凰を彷彿とさせる花というところから名付けられた。
  • ハクサンチドリ・・・名前の由来は、白山産で花の形が千鳥が飛んでいるように見えることから。1867年に新種の発表がなされた時は「チドリソウ」であった。その後、白山産の「草木図説」の原図に気付き、ハクサンチドリに訂正された。
  • ミヤマオダマキ・・・ミヤマオダマキの古名は、イトクリ、イトクリソウだが、いつしか「オダマキ」の名に置き換わった。その名の由来となったワク糸巻きは、木枠の柱が5本あり、この木枠に糸を巻くもの。それに糸を巻くとミヤマオダマキに似ることから名付けられた。
▲オクヤマガラシ ▲シラネアオイ ▲エゾニュウ
▲登山道沿いの水場  ▲三界山とモッコ岳を望む
▲ミヤマキンバイ ▲ノウゴウイチゴ
  • ミヤマキンバイの名の由来・・・花弁の先がへこんでいて幅が広いことから「梅の花」に似ている。そして深山に咲き、鮮やかな黄色で中央が濃い花色を金色と見なし「深山金梅(ミヤマキンバイ)」の名前がつけられた。
▲九合目(1430m) ▲焼石神社
  • 九合目向かいの岩場に焼石神社の小さな祠がある。右に進めば焼石岳、左に進めば姥石平である。どちらのコースをとるにしても姥石平のお花畑は外せない。
  • 焼石岳山頂コースの岩場から西焼石岳を望む
     ハイマツ帯に大きな岩塊が点在する急斜面を登り切ると焼石岳山頂である。
▲チングルマ ▲ミヤマダイコンソウ
▲ホソバイワベンケイ ▲ウラジロヨウラク
  • 焼石岳(1548m)・・・南に栗駒山、月山、西に鳥海山、北に岩手山、東に早池峰山が遠望できる・・・というが、あいにく雲に隠れて見えなかったのは残念。
  • 千年の古道「仙北街道」がある胆沢川右岸の尾根方向を望む
▲中沼コースの登山者。背後の山は横岳。 ▲横岳・焼石岳分岐点
▲正面に見えるのが泉水沼 ▲雪渓を下って泉水沼へ
▲泉水沼のベンチに座って昼食 ▲中沼コースから次々と登山者が登ってきた
  • ハクサンイチゲと雪渓・・・花の数が多く、華やかな印象を受ける。だから「幸福を招く花」と言われている。漢字では「白山一華」と書く。高山植物でハクサンの名が付く高山植物は21種類もある。それは、白山が古くから信仰の山として栄えたのに加え、早くから植物の研究が進んでいたからである。
▲雪渓が残る焼石岳とハクサンイチゲ ▲ミヤマシオガマ
  • 姥石平周辺は、日本海から吹きつける多量の降雪によって雪渓や雪田が形成され、その雪のお蔭で高山植物の宝庫となった大きな要因である。一帯は、積雪と強風のため風衝湿原が発達、お花畑は泉水沼から東焼石岳にかけて広がっている。 
  • 姥石平・・・横岳方向に広がるお花畑は見事。姥石平分岐点に荷物を置き、東焼石岳方向の姥石平に向かう登山者が多く見られた。分岐点周辺は、ハクサンイチゲの花の旬が若干過ぎた感があった。けれども、東焼石岳直下のお花畑は盛りだったかもしれない。
  • 姥石平周辺の花・・・ユキワレコザクラ、ミヤマキンバイ、ミネザクラ、ハクサンイチゲ、ミヤマシオガマ、オオバキスミレ、ヒナザクラ、ミヤマダイコンソウ、イワハゼ、シラネアオイ、イワウメ、チングルマ、ホソバイワベンケイ、ミヤマリンドウ、ハクサンシャジン、クルマユリ、トウゲブキ、ヤケイシセンブリ、ウスユキソウ、シロバナトウウチソウ、ミヤマトウキなど
  • 満開のお花畑を撮る 
▲尿前沢源流とハクサンイチゲ ▲イワカガミ ▲ショウジョウバカマ
  • 中沼コースの注意点
     中沼コースは、まだ大雪渓が数多くあり滑りやすい。さらに、雨水・雪解け水で登山道は沢のような状態になっている箇所が多数あった。また、登山道の傾斜がきつく、雨水による浸食でかなり荒れている。だから6月は、スパイク付き長靴がベストであろう。ただし、慣れないスパイク付き長靴で長時間歩くと足への負担が大きいので注意。
     一方、東成瀬村三合目コースは、牛が歩いた道だけに、広くなだらかで歩きやすい。6月の花を楽しむ登山なら、三合目コースが、安全かつ断トツ楽なコースである。さらに三合目コースは、人気の高い中沼コースと違って、登山者が少なく静かな登山をのんびり楽しむことができる。
  • 前方に垂直の壁が連なる尿前峡谷の谷が見える。この峡谷は、屹立する柱状節理石(英安山岩)が見事で、沢登りの世界では難度の高い滝が連続する秀渓、美渓として知られている。
  • 雪煙が舞い上がると、新緑の山々が神々しい風景に一変する
  • 雪解けの窪地には、飽きるほどミズバショウの群落があった。
  • 大雪渓と銀明水避難小屋(水 1170m)
▲銀明水・・・冷たく五臓六腑に染み渡る美味しさ ▲銀明水の主・ダケカンバの巨木
  • 銀明水避難小屋・・・中二階建てで収容人員は30~40名。小屋には沢水を利用した夏季用簡易水洗トイレと非水洗の冬季用トイレが設置されている。汚水の処理は、自然の地形を利用した自然浄化方式でトイレットペーパー以外使用不可。
  • 沢筋の雪解け斜面には、ミズバショウとリュウキンカの大群落がある
▲タカネナナカマド ▲ムラサキヤシオツツジ
  • 雪渓に映える萌黄色の新緑
  • 雪が解けたばかりの湿地に花を咲かせ始めたリュウキンカとミズバショウの群落
▲ブナの若葉 ▲中沼・つぶ沼分岐点(1040m)
  • 中沼コースとつぶ沼コースの分岐点は、ガスがかかると迷いやすいとのこと。山岳会の皆さんがつけた目印があったので、初登山者にとっては助かる。 
  • 上沼(960m)・・・雪渓が斑状に残る山々と新緑、エメラルドグリーンに染まった湖面が美しい。
  • 中沼から上沼へと続く登山道沿いは、ブナ~チシマザサ群落が続いている。森の中には、オオカメノキやタムシバ、ハウチワカエデなどが見られる。沼周辺には、ミツガシワやリュウキンカ、ミズバショウ、ミズギク、コバイケイソウ、ヒオウギアヤメ、オニシオガマなどの湿原植物が咲く。
▲オオカメノキ(別名ムシカリ)
▲ミツガシワ ▲カラマツソウ
  • 中沼(920m)・・・中沼は、焼石連峰が望める絶景ポイントだが、着く前に雨が降り出してしまった。残念・・・でも、山の神様は、また来いというサインに違いない。ここから30分ほど下ると中沼登山口に着く。
参 考 文 献
  • 「焼石岳の自然を訪ねて」(一関の自然刊行委員会)
  • 「花の百名山 登山ガイド上」(山と渓谷社)
  • 山渓カラー名鑑「日本の野草」(山と渓谷社)
  • 山渓名前図鑑「野草の名前 春」(高橋勝雄、山と渓谷社)
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